先輩:
代表作:「ターャジス」の読み方がついに判明!あのトラックの謎に迫る
後輩:
代表作:力水の話をさせてください
ほりさんと、りばすとさんは大学の研究室の先輩後輩ということで。デイリーポータルにも学閥がね。
りばすと:
今日は肩身狭めでやらせてもらいたいなと思っています。基本的にはほりさんを立てていきます。
ほり:
上下関係厳しいみたいな感じになってるじゃないですか。全然そんなことないのに。
石川:
りばすとさんメインで話を聞きつつ、調子乗ってきたらピシャッと、ほりさんからたしなめてください。
りばすと:
よろしくおねがいします。
水圧との戦い
石川:
りばすとさんの記事を見ていこうかなと思います。まず、「深海の水圧に任せずとも、カップラーメンの容器を小さくすることくらいできる」。
りばすと:
水族館の深海のコーナーで、水圧でカップラーメンが小さくなりますっていう展示が定番ですよね。それぐらいなんだと思って。
石川:
なにくそって思ったんですね。
りばすと:
俺だって別にちっちゃくすることぐらいできる!と思ったのでやってみたという記事です。
圧力だから手で押せば小さくなるだろうと思ったら、意外と固くてちっちゃくならなかった。
石川:
ザ・あさはかっていう感じで最高でしたね。
りばすと:
まいったぞと。そのあとググったらオーブンとかで熱すればいいよって書いてあったので、やってみたら意外と小さくなりましたね。溶けるような形で。
石川:
小さくはなったけども。だいぶ形が変わってますね。
りばすと:
家庭用の電子レンジだと加熱にムラがあるのかも。
石川:
レンジの性能のせいにするんだ。自分の浅はかさを。
りばすと:
底面がオーブンの底と接しているので熱の伝わりやすさが偏るのかなと。
石川:
たしかにね。
りばすと:
そういう非常に学術的な結果に。実はこうなる途中で一瞬いい形になるんですけよ。でも速くて。ちょっと凹みが出てきたところからぐにゃぐにゃの変形まで、20秒ぐらいでピュってなっちゃう。止めどころを見守りながらやらないとなかなかいい感じにはならないんです。
石川:
「ここだ!」ってところで取消ボタン押さないと。
りばすと:
深海は職人芸なんだなって。
石川:
ほり先輩、この記事どう思います?
ほり:
この記事のよいところって早めに目的を見失うところだと思うんです。最初は人力で人の手で深海に勝ちたかったのに、いつの間にか当然のように電子レンジを使っている。「これも人類の築き上げた文明だから使っていいだろう」ってことになっていて、それで成功して満足するという。そこがめっちゃいいんですよね。
石川:
ゴールポスト動かしてる。
ほり:
あ、いいんだ、って。手でやるの前提みたいな始まりだったのに、
石川:
まあレンジ買ったのはりばすとさんの財力ですしね。そういう意味ではこれもりばすとさんの力。
ほり:
あと、大きい目線で見て、自然vs人類っていう構図で見れば、レンジは人類に属すものだから。水圧=自然に太刀打ちできたことに。
石川:
人類って言ったときに、僕らも入ってるじゃないですか。強制参加になってるのがちょっと嫌ですよね。
りばすと:
だめですか。
ほり:
りばすとさんに背負われてる感じがありますね。
石川:
人類を勝手に代表しないでほしい。
椅子持ってるのに座れない
石川:
プラスチックの椅子を置いて温泉気分になるっていう記事。
りばすと:
この1枚がかなりお気に入りですね。
石川:
東京湾がとても広大な温泉に見えてくるじゃないですか。このロケーションは素晴らしいですね。
りばすと:
めちゃめちゃ良かったです。これ撮るために一時間ぐらい電車に乗って行って。
石川:
けっこう遠出しましたね。
りばすと:
かなり遠かったですよ。この椅子を持ち歩かなきゃいけなくて。
ほり:
折り畳めないですからね。
りばすと:
電車一時間のるんですけど、椅子持ってたらでかくて迷惑だから座れないんですよ。かといって持ってきた椅子にも座れないんです。
石川:
電車の席以外のスペースって全部通路ですもんね。通路を椅子でふさぐことになっちゃうから。
りばすと:
椅子持ってるのになんで俺は立ってなきゃいけないんだっていう葛藤が1時間続いたんです。
石川:
あとこの記事、僕が余計なことを言ったんですよね。加湿器。
りばすと:
加湿器置くと湿度が上がって温泉っぽくなるんじゃないですかって石川さんが。それだ!と思ってわざわざ買ったんですけど、全然関係なかった。
石川:
去年の冬に僕も似たような加湿器と湿度計を買ったんですよ。ところが部屋でいくら炊いても湿度上がらないんですよね。こんな小さいの置いても意味ないんだなと思って。じゃあ勧めるなよって話ですけど。
りばすと:
観賞用なんですかね。湯気みたいなの出てはくるけど、湿度は上がらない。かわりに七色に光るんですよ。
石川:
ゲーミング加湿器。
あとこの記事の裏話といえば、全裸になるべきか問題があったんですよね。
ほり:
どういうことですか。
りばすと:
温泉の椅子に座ってる状況をできるだけ再現するために、服着てたらイコールじゃないじゃないですか。ほんとのイコールって全裸かなって。石川さんに聞いたんです。
石川:
絵的にも辛いし、現場もまずい感じですよね。全裸の男がいたら。
りばすと:
公共の場だから。さすがにまずいのでやめました。「さすがに」って思いながら石川さんに相談して。「さすがに」っていうことで辞めました。
ほり:
なんで一回聞いたんですか。石川さんに。
りばすと:
出すだけ出してみようと思って。
石川:
あはは、ダメに決まってるだろっていう。
研究室では謎解きばっかりやっていた
石川:
そんなわけで、せっかくほりさんに来ていただいたので、りばすとさんの人となりをうかがいたいです。一緒だったのって何年前の話ですか。
りばすと:
7年前ぐらいから3年ぐらい一緒。
石川:
そのころはライター活動は?
ほり:
僕はしていなくて、りばすとさんだけ
石川:
りばすとさんが先なんだ。
りばすと:
そうです。もともと大学でフリーマガジンを作っていて。
石川:
学内で配るやつ?
りばすと:
学内で配って。72ページ、フルカラー。
ほり:
分厚っ!
りばすと:
背表紙つけて。それを年に3回ぐらい出していて、それがメインの活動でした。それ以外にもちっちゃいフリーマガジンみたいなのがちょろちょろっと出るみたいな。
石川:
めちゃめちゃ書いてますね。内容は?
りばすと:
目が悪くて当時メガネかけてたんですけど、伊達メガネが嫌いで。我々は視力のために仕方なくつけているのに、おしゃれとして消費されているのが許せないと思って。「伊達メガネ=ダメメガネ」って命名して「飾りじゃないのよ、眼鏡は」っていう記事を。
石川:
あはは、とがってる。
りばすと:
ちょっと悪辣でした。反省して今こんな感じですけど。
石川:
反省して、誰かに敵意を向けるんじゃなくて、自分が全裸になればいいじゃないかっていう方向性に…。ほりさんから見て、研究室にいるりばすとさんはどうでした?
ほり:
めっちゃ真面目っすよ。
石川:
何系の研究室ですか?
ほり:
情報工学系。でも、遊ぶ時はよく遊んでました。それこそ謎解きとかボードゲームとか。当時からノリの良い後輩みたいな感じで。
石川:
真面目でノリが良く、最高じゃないですか。
ほり:
いつ誘っても絶対に来るみたいな。今でもそう。
りばすと:
でもほんと当時謎解きばっかりやってましたよ。研究室でずーっと。
ほり:
ほんと。謎解きばっかりやった。
石川:
研究室で謎解きばっかりやってたって状況がよくわからないんですけど。
りばすと:
webで見つけた難しい謎解きを、3日くらいかけてみんなで解いて。何しに研究室来てるんだって話ですけど。
石川:
謎解きも情報ですからね。情報工学だから。
ほり:
雑な括り。
石川:
雑なフォローを。逆にりばすとさんから見たほりさんはどうですか?
りばすと:
すごく優秀な方なんですよ。「えっ、同じ時間謎解きしてましたよね!?」って思うぐらい、研究成果をきちんと定期的に出してて。
石川:
さすがだなー
りばすと:
あと最初に会った時に絶対に悪い人だと思ったんですよ。
ほり:
なんだそれ。
りばすと:
初対面からすごいいい人で、教授ともいいコミュニケーションがとれてるし、これ怪しいぞってずっと思っていて。こういうタイプが実は一番悪人なんだって思っていたんだけど、結局最後までほんとにいい人で。一番悪いのはそういうことを思っていた僕でした。
石川:
裏がなかったんですね。
りばすと:
貴重ですね。こんなに純粋ないい人っているんだって。今も思ってます。
石川:
ほりさんは淀みがないというか。
りばすと:
きれいな川に住んでいるんだと思う。
石川:
あー。きれいな川に住んでますね。
りばすと:
そんなほりさん卒論も見ていただいて、卒業したような。そういう形ですね。
石川:
恩師じゃないですか。先輩であり恩師。ライターの先輩後輩としても引き続き仲良くしてください。
生放送「記事の森」やってます
この鼎談は、先日放送したトーク配信『樹液でも飲みながら記事を振り返る「記事の森」』から抜粋したものです。番組ではこの2~3倍くらいしゃべってますので、対談をお楽しみいただけた方はぜひアーカイブをどうぞ。
次回は、6/28(火)に配信予定です!ぜひ配信ページでリマインダ登録していただくか、チャンネル登録をお願いします!