特集 2020年4月22日

今日こそはふりかけをパッケージくらいかける

調味料は毒だといわれ育った。

塩味は極力に少なく、素材の味を楽しむことが美しいという世界を生きた。

大人になりしょっぱいものの美味さと健康とのかねあいを学び、わたしと塩は邂逅のときをむかえる。

いまではポテトチップスは飲むように食う。塩に祝福されている。

しかしいまだに、見るたびにはっとするものがあるのだ。ふりかけのパッケージだ。

東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

そう育ったのでドキドキする

ふりかけのパッケージを見ると、よほどかけたな! といつも目が開く。

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食品パッケージがトゥーマッチであるのは当然のことだ。

食品を美味しく美しく見せることが肝だし、商売としてはたくさん使ってくれた方がそりゃあ、いいだろう。

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薄味の家で育ったのでついドキドキしてしまうんだと思う。

そんなドキドキと向き合いたい。今日はこれくらい遠慮なくご飯にふりかけをかけてみたいと思うのだ。そういう日があっていいだろう、人生だ。

どれくらいリッチな味なのか、パッケージ通りの国のふりかけご飯を確かめてみたい。

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その前に「適量」ってどんなもんなんだろう

と、その前にそもそもふりかけの適量がどれくらいなのか見ておきたい。おそらく私のいつものふりかけご飯は極端にふりかけが少ないはずだ。

ふりかけといっても種類によって味の濃さは違うだろう。塩味の強いふりかけなら少量でいいだろうし、そうでなかったら多めにかけることになる(すごく当たり前のことを真顔で言ってますね)。

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それはパッケージにもあらわれていた。塩分量が多い(10gあたりの食塩相当量が3.7g)こちらはパッケージのふりかけ量も少なめ

 

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おなじトップバリュでもこちら(10gあたりの食塩相当量が1.3g)は思い切ってかけていた。トップバリュのパッケージは「なおかけ続けている」というところが良い

あとはご飯の量との兼ね合いもある。料理本などだと一膳を150g~180gくらいとすることが多いようだ。

で、一般的な塩分量のふりかけの個包装のものを見ると一袋2.5g~2.3gが多い。

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おとなのふりかけ 紅鮭の個包装は一袋2.3g

2.5g~2.3gのふりかけを150g~180g程度のご飯にかけるくらいがメーカーの想定量ということだろう。

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170gのご飯にかけた。まんべんない!

けっこうかかってるじゃん! という印象だ。

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こちらがパッケージ
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パッケージに近づけるにはもう少しかけたい感じはあるか

味もさすがにちょうどいい。というか、おとなのふりかけ、久しぶりに食べたがとてもおいしいものですね……。

ご飯の盛り方をもっと山っぽくすべきだったなど反省はあるが、パッケージに近づけるにはもうちょっとふりかけてもよさそうだ。

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袋と同じくらいかけたら使うふりかけは7g~6g

見本となるパッケージ、まずはこちらからいってみよう。

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「無添加。」金ごま鰹ふりかけ

お茶碗に、高さが出るようにご飯を170g盛ってふりかけをかけていく。

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ここを起点にして、どれくらいの量のふりかけをかけるとパッケージレベルに盛れるのかしらべていきますぞ

パッケージを見ると白いご飯がすけて見えない。スプーンでならす。

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細かい作業で写真がブレました

おおむね6gをかけたところで、パッケージくらいみっしりふりかけられたのではという具合になった。

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パッケージは拡大してるようなのでちょっと見え方違いますが、だいぶ近づいた

 同じようにお茶碗にご飯を盛って今度はいつもの自分の感覚でふりかけると2g。

……!

3倍だ……!

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左:いつもの私のふりかけご飯 右:パッケージを手本にかけたふりかけご飯

パッケージ通りの方を食べてみると、ちょっとまてこのふりかけおいしいな……。

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白いご飯も下にたっぷりあるので、味もたいして濃すぎない

のり、ごまの風味そしてかつおの存在感。甘みがあって良い佃煮を食べているようだ。味がずっと続く感じがあった。

ふりかけご飯というよりも、混ぜご飯みたい。なるほど……こういうことだったのか。

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永遠にふりかけ終わらないのではないか

続いて、のりたまもパッケージと同じくらいまでみっしりかけていこう。

さきほどと同じようにならしながら、パッケージを手本にして密度を上げてかけていく。

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パッケージにくらべるとだいぶ海苔が多い

思ったのは、かけ終わらないな! ということだ。

普段だったら、シャッシャとふたふりする程度だろうか。

しかしパッケージくらいの量をかけようとするとシャッシャシャッシャシャッシャシャッシャシャッシャシャッシャシャッシャシャッシャ……くらい要る。

もしや永遠にふりかけ終わらないのではと思う頃やっと量が足りた。

ふりかけをふる作業に永久(とわ)を感じることになるとはな。

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パッケージとはだいぶ違うけども……

量は同じくらいかけられたと思うが様相はだいぶ違う。

あの のりたま ほどのふりかけだ。

パッケージ写真も最前線のフードコーディネーターの方がピンセットできれいに配置して撮影しているのではないか。

さすがにデザイン面をまねしようとするとそこまではむつかしい。

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ただ、どちらもおいしそうではある
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甘い……! これが味か!

食べてみると、甘い! うまい! 普段いかにふりかけではなくご飯を食べていたかがわかる。

今日は、これは、完全にふりかけを食べているぞ。

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いつも通りかけたら1gぽっちだった。すくない!!

調味料は毒だといわれ育ったと冒頭書いたが、そんな私の実家にものりたまはあった。畏れながらおいしがっていた覚えがある。

パッケージの量は、あの頃の自分には考えられない量だ。

これが味か、という体験だった。


ふりかけだけで飯をいく日

定食だとしたらご飯と一緒におかずがあるだろう。みそ汁もある。おかずでご飯を食べればいい。

そもそも、ふりかけでご飯を食べること自体に少し罪悪感がある。

そんなにどん欲に味を求めて良いものか、みたいな感覚だ。

今回、ふりかけをしっかりかけたらおいしかった。味よ! と思った。味はここにあった。

この味を純粋にかみしめるためにも今後はおかずも汁もいらねえ、ふりかけだけで飯をいく日を作ってもいいかもしれない

ふりかけをもっと味わいたくなった。

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撮影時はついついみそ汁と一緒に食べてました
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