特集 2023年11月6日

オランダの屋台の生にしん、脂のりのりで超ウマい

オランダの街角で売っている、にしんの塩漬け。安くて手軽につまめて、たいへん美味でした。こんなにうまい”生魚”、日本でも簡単に食べらんないぞ。

海外旅行とピクニック、あとビールが好き。なで肩が過ぎるので、サラリーマンのくせに側頭部と肩で受話器をホールドするやつができない。

前の記事:階段の途中にある、気になる扉

> 個人サイト つるんとしている

かつての国民食

先日、4年ぶりくらいに海外に行ってきました。行先はオランダ。

海外渡航が久しぶりすぎて、飛行機乗るところから緊張で胃が痛かった。深夜便からへろへろでたどり着いた、早朝のアムステルダム中央駅

今回は仕事の用事とはいえ、隙間時間に街歩きするだけの余裕はある。市内観光とまではいかないまでも、なにか美味しいものくらい食べておきたいなと下調べしてみたら、にしんの塩漬けというのがヒットしました。新鮮なにしんの頭と内臓を外して、塩水に一晩くらい漬けてほんのりと発酵させたものらしいです。

こんな感じで、お魚やさんの屋台というかフードスタンドが、アムステルダムの街中にある

北海に面したオランダ、かつては漁業が盛んで、水揚げ量の多かったにしんが国民食だった時代もあったという。じゃあ今はどうなのかというと、青魚ってそもそも好き嫌いがはっきりする食べ物だし、塩漬けといってもほぼ生魚なのでまあ敬遠する人は多いよねーと、オランダ人の中ではまあそういう扱いらしいです。

ショーケースの中のにしん。ほかにもサバやサケなど、切り身&惣菜がいろいろ

さて店頭では、お店の人にオランダ語でにしんを意味する「ハーリング」と告げると、「プレートorサンドイッチ」と返ってくる。にしんを皿(プレート)に乗っけただけのやつと、切り身をパンに挟んでサンドイッチにしたのが選べるシステムです。

とりあえず基本形らしいプレートから。一匹丸ごと、べろんとした切り身を手早く一口大にカットし、付け合わせの刻み玉ねぎとピクルスを乗せてくれる

 気持ちのいい早業で、30秒ほどでポンと手渡してくれます。これで一皿3.9ユーロ(630円)。

お子さまランチ風の国旗付きつまようじで食べる。国旗付きのごはん、四半世紀ぶりかもしれない

お店の近くに広場があり、ベンチでいただく。

わかるだろうか、陽光に反射する脂の照り
樹木の左手にいる3人組の観光客も、立ち食いにしんをしている

 

いったん広告です

青魚のうまさが全開

さて、にしんの味。これについてはまず断っておかないといけないんですが、元々おれは青魚が好きなのです。しめ鯖、ままかり、オイルサーディン、北海道のにしん寿司、みんな大好物。そこのところを踏まえて聞いていただきますが、なにこれめーっちゃうまい!!

つまようじをちまちまと駆使して、切り身と付け合わせをワンセットにしてからいただくのがよいです

塩漬けの発酵食品といいながら、にしんの身自体はあまり塩味や酸味を感じません。あっさり軽めに締めた、しめ鯖のような。その代わり、主張が強いのは脂のうまみ。てりてりに輝く身は、見た目の通り、舌にのせた瞬間に脂肪の幸福感を届けてくれる。

微発酵の効果なのだろうか。歯ごたえはふつうの刺身よりもずいぶんしっかりしている。正直にいうと、身だけをぶりんぶりんと噛み締めているとほのかな生臭さを感じる瞬間もあるのだけど、一緒に食べる玉ねぎの辛味とピクルスの爽やかさが絶妙にいい仕事をしてくれます。三位一体。どれを欠いても成立しない、計算尽くされたうまさだなと思う。

ちなみにピクルスが完全にマクドナルドのやつだった。つまり超うまい
あっという間の完食。どストレートの青魚のうま味を堪能した。うおー、DHAがみなぎってきたぞ

⏩ ニシン食べ歩きツアー

▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ