いつのまにか…
襲ってくる宝箱を作ったり宝箱は見つかりにくい場所にしたり。もしかして私ってばボスの手下に向いているかもしれません。
はじめは「自分は勇者で宝箱がおそってくる」がコンセプトだったのに、「自分はボスの手下で勇者を宝箱で襲って全滅させる。宝箱なんて取らせない」といつの間にか闇落ちしていました。
ちなみに私はドラクエは6が一番好きです。
私はロールプレイングゲームが大好きです。去年ドラクエ11が発売されたときには家事と仕事をすべて放棄してプレイしました。
RPGにはダンジョン。ダンジョンに欠かせないのが宝箱…の偽物!宝物がモンスターという罠です。
「やったー!宝箱!」と宝箱を開けるとモンスターが襲いかかってきます。
これを現実世界で再現しました。
まずはこちらを見ていただくと意味がわかると思います。
しかし・・・!!これは罠。宝箱型のモンスターだった!
これで襲ってくる宝箱のシステムがおわかりいただけたでしょうか。
それではこの宝箱のネタばらしに入ります。
先ほどのGIFを凝視するとうっすらわかるのですが、力技(ちからわざ)で解決しています。
ピンク色の紐はゴムチューブです。紐を引っ張ると手に食い込んで危険なのでつけました。
「これを撮影します」とさらっと言っていますが、満足のいく動画を追求していたらあっという間に1時間半経過していました。
これから紹介するオバケ宝箱の製作もまる1日だったので、こいつに相当愛着がわいております。
ネタばらしをしたところで大体作り方はわかったと思いますが、宝箱がスムーズに襲ってこられるようにちょっとした工夫をしております。
宝箱を自分で作ろうとしたのですがクオリティを追求した結果、出来合いの宝箱を買いました。宝箱のカテゴリはおもちゃです。
「木のぬくもりなどいらぬ。恐怖とは漆黒じゃ!」と中身を真っ黒に塗装しました。
作っていくと『私はモンスターを作っている。命を宿している』と使命感がだんだんと出てきました。
使命感から歯の角度や噛み合わせにこだわり、作っていくうちにハコちゃんと私の感覚が研ぎ澄まされていきます。
もう中を黒くして歯をつけた時点でほぼ出来上がりですが、やっぱりドラクエ好きとしては中身…顔を作りたい。
この芯、テレビ番組特命リサーチ200Xなどでよく特集を組まれていたスカイフィッシュに形が似ています。
調べると、あれはハエなどの小さい虫が高速で動いている残像らしいです。当時すっごくワクワクしたのになぁ。
この中身を宝箱に入れて開けてみましょう。
勢いよく宝箱が開くのにこだわっていた私。「できたぞ!」と姉に動画を送りました。すると「これじゃびっくり箱では?」と返信がきてハッとします。「そうだ!私は襲ってくる宝箱を作っているんだ!びっくり箱ではない」
びっくり箱にはなったが、物理的に襲ってくることは無理だ…と、どん底に突き落とされた気持ちになりました。どん底を味わったことで「もう紐で引っ張ろう。この前レンタルして観た映画のメイキングでも紐を使ったあとCGで消してたしな」と開き直れました。
キャスターをつけずに持ち上げると宝箱の前部分が地面にひっかかり、ぎこちない動きになってしまいました。
キャスターをゆるくつけることにより、キャスターと宝箱に隙間ができてちょっとしたバネが生まれます。これがスムーズに人を襲えるようになる秘訣です。
アイディアの残骸たち
もともと、今回は『開けたら光る宝箱』を作るつもりでいました。ところが、私がのんびりして工作に手をつけない間に、先にこちらの記事、「料理のフタを開けて光があふれだすと美味しそう」が出ました。かぶった。急遽『光る宝箱』から『襲いかかってくる宝箱』に変更しました。
仕掛けの構想から原稿納品まで約1週間しかありません。
①板を2枚重ねたあいだにバネか風船を仕込む。風船は空気入れで膨らむ(空気入れを踏んでもらう)
⇒宝箱の重さは1キロ(中身を入れたら1.5キロ)。さらに板を入れたら数キロになる。それに耐えうるバネと風船はない。そもそも空気入れを踏んでくれないのでは?
②バネで飛ばす
⇒1.5キロもある宝箱を飛ばせるでかいバネはないのでは。あるとしても高価ではないか。そしてどうやってバネを仕込むのか。
③中に機械を仕込んで口をパカパカさせる。下に楕円の車輪をつける。生きているようにカクカク襲ってくる
⇒見た目がタネも仕掛けもありすぎる。そもそも私にそんな技術はない。
④ラジコンをつけて動かそう
⇒だから、宝箱自体重い。とさっきから言っている。
最後は怒っていますね。
このアイディアは一つも採用できませんでしたが、最終的によく形になったなと自分で感じています。
作っていくうちに改良されてここまでに至りました。
アイディアと中身はさておき。
撮影をするときに「宝箱の置く場所も考えなくては」と、ロケーションも考慮しました。
考慮した結果、ちょっとRPGっぽさのある公園を選びました。
「ここに置けば勇者のやつに見つからないぞ」と、いるはずもない勇者を思い浮かべて悪い顔をしながら宝箱を置く場所を一生懸命探していました。
襲ってくる宝箱を作ったり宝箱は見つかりにくい場所にしたり。もしかして私ってばボスの手下に向いているかもしれません。
はじめは「自分は勇者で宝箱がおそってくる」がコンセプトだったのに、「自分はボスの手下で勇者を宝箱で襲って全滅させる。宝箱なんて取らせない」といつの間にか闇落ちしていました。
ちなみに私はドラクエは6が一番好きです。
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