特集 2018年11月10日

料理のフタを開けて光があふれだすと美味しそう

料理はシチュエーションだ。

嫌いな上司と行くフランス料理のフルコースより、好きな人と食べる残飯のほうが何倍も美味しく感じるはずだ。

そんな料理のシチュエーションの中でも最たるものが、料理漫画でみられる「フタから光があふれる」現象だ。

ピンと来ないかもしれないので図に描いて説明する。

1984年生まれ岡山のど田舎在住。技術的な事を探求するのが趣味。お皿を作って売っていたりもする。思い付いた事はやってみないと気がすまない性格。

前の記事:光るLEDバッジを売ったら予想以上に反響があった

> 個人サイト オカモトラボ

001.png
シチュエーションとしては料理対決のことが多い。
002.png
料理を覆っているフタを開けると光があふれだす。
003.png
食べ物が発光している。

料理漫画を読んだことがあるなら、一度は目にしたことがあるシーンではないだろうか。

念のため説明すると、料理漫画においては、すごい料理はフタを開けた瞬間、料理が当然のごとく発光し、光があふれだすのが日常なのだ。

では逆に考えるとフタを開けた瞬間に光があふれだせば、どんな料理でもすごい料理に見えるはずだ。

では今回は人為的に料理のフタから光をあふれさせてみようと思う。

まずはあのフタを入手

そういえば僕はまだあのフタを現実にちゃんと見たことはないいし、名前も知らない。グーグルで「料理 フタ」検索すると「ドームカバー」あるいは「クロッシュ」と出てきた。こんなに少ない雑なヒントから答えを導き出せるグーグルはすごい。

しかし、最近「ほら、あれだよ、あれ」となる回数が増えた気がする。グーグルに頼り過ぎているからだと思う。

004.jpg
ドームカバーはAmazonでも売っていた。きょうびAmazonに売ってないもののほうが珍しい。

しかしながら、値段が1万円超えである。ちょっとネタとして買うにはビビってしまう金額だ。結局1万超えは厳しいという結論で僕の予算会議は終了した。

「売っている」事と「買える」という事に大きな隔たりがあるのだ。

そこで、ドームカバーはそれっぽいものを自作する事にした。

ドームカバーらしきものを作る

さてドームカバーの様なものを作るのだが、大体こういう時は、どうやって作ろうか…とか、何を使おうか…なんて悩んでしまうものだ。

しかし今回に限っては一瞬で作り方の想像がついた。ダイソーに行けば多分出来るぞ。

005.jpg
買って来たもの。まずは大きめのボウル。

このボウルは250円する。250円ってダイソーの中では高い方だが、1万超えのドームカバーの後なのですごく安く感じる。

なお材質はステンレスだ。

006.jpg
そしてこの単体で売っていた鍋蓋の持つところ。あなた鍋つまみって言うのね!

ドームカバーはこの2つで出来ると思う。

007.jpg
ではボウルに穴を開ける。

薄いとは言え、頑丈なステンレスに穴をあけるのは実はなかなか大変だ。このポンチという尖った棒のような道具を、穴を開けたい位置にあててハンマーでポンを叩く。

008.jpg
すると、こんな感じで少し凹む。
009.jpg
あとはドリルを凹んだ場所に当てて回転させていく。

あらかじめ凹ませておけばドリルの先が逃げなくなるので穴を開けやすい。

ステンレスは固いので全然ドリルが進んでいく気配がない。本当に穴が開くのかと心配になったころ、ようやく穴が開いた。

最初は細いドリルを使い、徐々に太いドリルに換えながら穴を広げて行く。

010.jpg
必要な大きさの穴が開いた。
011.jpg
先ほどの鍋つまみを付ければ、ドームカバーが完成した。

…しかしこの鍋つまみが思った以上に「鍋のフタ感」を醸し出してしまう。なんかこうすごく庶民的な感じだ。

ドームカバーはもっと高級感をださなければならない。なんと言っても本来は1万円超えなのだ。

012.jpg
鍋のフタを銀色に塗ってみることにした。

プラスチックにスプレーで着色する時は、下地にプライマーを吹き付けると色が剥がれにくくなるぞ。

013.jpg
綺麗に塗れた。
014.jpg
もう一度ボウルに取り付けると今度こそ完成だ。

350円+税にしては、結構いいんじゃないだろうか。

このドームカバーの持ち手を持ってパカっと開く動作が結構楽しい。これだけで遊べてしまう。

あの光るギミックを仕込む

次にあふれる光を作っていこう。

あの光は結構強烈だと思う。並の電球やLEDでは再現できない。

015.jpg
という訳でこれを使う。パワーLEDというやつだ。

パワーLEDは普通のLEDより光が強い。

016.jpg
パワーLEDをドームカバーの裏に接着する。
017.jpg
こんな感じの雑でシンプルな配線。

実は最初はフタを開いたのを近接センサー(近いか遠いか)で判定して開けた時だけ光る様にしたかったのだが難しくて諦めた。電池を接続すると外さない限り光り続ける。

あとパワーLEDは赤と青の2種類を使用している。

では早速、電池を接続してみよう。

018.jpg
カッ!!!

青色と赤色のパワーLEDが合わさると思った以上に禍々しい色になってしまった。パーリィが始まりそうである。

そしてこのパワーLED、写真では分かりにくいが、さすがに凄い光だ。少しでも直視してしまうと目がやられる。太陽を見たときの様な目がくらんだ状態になり、その後も10分くらい視界に違和感がある。

さきほど述べた様に電源OFFは電池を外さないといけないのだが、電池を外そうと中を覗きこむとパワーLEDを直視する事になる。なんというか攻守共に隙が無い。

019.jpg
ドームカバーを開くと毒々しい光が周囲を支配する。

光の強さは申し分ないが、色は間違えたかな。

フタから光があふれると料理はすごくなるのか

すでに結果が見えている気もするが、検証していく。凄い料理をこの目で見てみたいのだ。

少しの間、小芝居にお付き合いいただきたい。

020.jpg
「フン、お前ごときがこのわしの舌を満足させられるはずがない」(イメージ)
023.jpg
パカ。ピカーーーーーーーーーーー!

周りに紫色の光があふれている感じが結構それっぽい。

022.jpg
ピカーーーーーーン!(チラッ)
023.jpg
「こ、これは…!」

顔に映る光がいい感じだ。なお本人はめちゃくちゃ眩しい。たぶん漫画の登場人物も良く見えてないと思う。

024.jpg
「松屋のキムカル(キムチとカルビ)丼だァ!」

ワンテイクでそれっぽいものが撮れた気がする。

ただ、紫の光のせいでまったくおいしそうには見えない。肉の色もなんだか悪く見えるし、邪悪なオーラをまとったキムカル丼になってしまった。

他の料理でも検証してみる

ほかの料理も検証してみることにする。

025.jpg
パカ。ピカーーーーーーーーーー。「こ、これは…!」
026.jpg
「カレーだァ! 」

僕の数少ない料理レパートリーの1つのカレーだ。

うーーーーん…なんか違うのだ。もっと凄い料理っぽく見えるようにしたい。

なんだかカレーも毒でも入っているかのよう。これ食べたら「状態異常:毒」が付くやつだ。

正解が分かった

しかしちょっと分かってきた。そもそも赤色とか青色の光に包まれて不味く見える食べ物はこれには向かない。

元から赤や青の食べ物だったら多分いけると思う。

027.jpg
そこで家の中で唯一、見つかったのはこれ。スーパーカップSweets。

パッケージが赤と青だ。

028.jpg
ドームカバーにセットした。

よし。では改めまして。

029.jpg
パカッ。ピカーーーーーーー!

偶然にも中心から一直線に光の線が走る。脳内効果音が「キュビーーーン!」と響く。

(なんだか凄くいいぞ。)

030.jpg
「こ、これは…!まさか…!!」
031.jpg
「スーパーカップSweetsだーーーーーー!!」

すごい神々しさだ…!!それに今回はちゃんと美味しそうだ。スーパーカップを超えたスーパーカップと言っても過言ではない。

写真では伝わるか不安だが、肉眼でみるとスーパーカップ自体が光っている様に見えるCGみたいだ。

032.jpg
スーパーカップが必要以上に神々しくなって思わず笑う。

思ったよりちゃんとできた気がする

色はそれぞれの料理に合わせたほうが良いが、料理漫画のフタから光があふれる効果は本当に凄かった。手軽で安上がりだし心理的な効果は抜群だ。
33.jpg
あと料理漫画では食べた瞬間に落雷が直撃する事例も多いので(危険のない範囲で)やってみたい。

 

▽デイリーポータルZトップへ

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓