特集 2023年6月16日

自分の味覚は正しいのか!? 味覚検定チョコで確認せよ

チョコに潜んだ “ 味 ” を探し出す「味覚検定チョコ」が、想像以上に盛り上がって楽しい。

先日、知人と「鉛筆をかじるとしょっぱく感じるよね」という話をしていた流れで“味覚”について検索していたら、「味覚検定チョコ」なるお菓子に辿り着いた。

これは一般社団法人日本味覚協会なる団体が販売しているもので、名前のまんま、自分の味覚がどれだけ鋭敏かどうかを調べることができるらしい。どういうものなのか、これは気になる。あと、自分の味覚がどれほどのものかも正直試してみたいし。

1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

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味覚検定チョコに潜んだ“味”を見分けろ!

というわけでその場で注文したものが、こちら。「味覚検定チョコ」の小さい白箱が「EASY」、中ぐらいの黒箱が「NORMAL」、そして一番大きい茶箱が「HARD」。

それぞれ検定の難易度によってパッケージが分けられているのだそう。

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日本味覚協会からクール便で届いた「味覚検定チョコ」3種類。

見た目はなんか普通に「ちょっと小洒落た洋菓子のパック」ぐらいの雰囲気。

ちなみに一番小さい「EASY」がチョコ4粒入りで税込1,000円超なので、お値段的にはゴディバとかあの辺りクラスである。なかなかグッとくる価格だが、とはいえ検定料込みだと思えば、まぁ納得できるか。

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答えが書かれたシートと、2種類(苦味・ノーマル)のチョコが2つ入り。

改めて「EASY」のパックを開けて見ると、こんな感じ。指でひとつまみできるサイズの半球型チョコがホイル紙に包まれており、それぞれに①・②と番号が振られている。

(各2個入り)で、この①・②はどちらかが「ちょっと苦味を添加したチョコ」で、もう片方が「普通のチョコ」となっている。つまり食べ比べてみて、どっちが苦いチョコかを当てなさい、というのが検定内容というわけだ。

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原材料名表記にも、あまり見慣れない「苦味料」なる表記が。ちなみにその前の「バニリン」とは、バニラ香料の主成分だとか。へー、これも知らなんだ。

ちなみに一般正解率は70%とのことで、なるほど、これはEASYだけに「普通に当たるだろ」というレベルっぽい。

いちおう僕も、たまに料理記事を書いて美味いのまずいの述べてる人間だ。このレベルで間違っちゃうといろいろと立場も悪いし、ここはパキッと正解してやろうじゃないか。

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まぁ言うても「チョコ」と「ビターチョコ」の差みたいなもんだし、さすがに分かるだろ、という表情。

まず①をコリッと前歯で噛んで、ゆっくりと口の中で破片を溶かしてみる。

うーん、チョコだな、としか。ごく当たり前のチョコだ。ただ、中になにか軽くシャリとした結晶のようなものが入ってるような。これが添加された味の部分なんだろうか?

次に、いったん水を口に含んでリセットしてから、②をかじってみる。

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......あれ、なんか違うのは分かるんだけど、どっちが苦いのか判断できないぞ。

...なんか確かに①と違うような気はする。

するんだけど、なにがどう違うのかが即座に言語化できない。さっきの結晶したみたいなの、こっちにも入ってるし。

正直なところ、食べ比べた瞬間にスパッと「こっちが苦いです!」と断言できるつもりでいたんだけど、事前に想像してた以上に差が微妙なので、脳が2つの違いを処理しきれていない。

じりじり・うにうにと考え続けて、ひとまず「こっちが苦いチョコじゃないかな?」という方を選んでみた。(ネタバレを避けるため、数字はモザイクかけます)

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当たった!僕は「味が分かる方の70%」ということですよ。

パッケージ内には答え合わせ用のシートが入っているので、そちらを開く。

はいオッケー!僕が選んだほうが苦い!

とりあえず正解率70%の方には入れたので、一安心だ。次は「NORMAL」と「HARD」なんだけど......このまま独りで黙々と続けるのも寂しいので、もうちょい人を募って、正解できるかを競い合ってみよう。

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甘味・塩味・酸味・苦味・うま味のチョコで一気に難易度アップ

こういうときはやはりDPZ編集部の皆さんにお願いするのが手っ取り早い。「味覚検定チョコを買ったんで、味覚比べをしてください」という謎めいたお願いにも即OKしてくれるで、とてもありがたいのだ。

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味覚検定チョコに興味津々なDPZ編集部。ひとまず疑問を持たずにつきあっていただけるのがありがたい。

編集部安藤さん・古賀さん・橋田さんと僕の4人で、「NORMAL」に挑戦してみることになった。

ちなみに「NORMAL」の一般正解率は10%。「EASY」の70%から一気にそんな下がるのか。

というのも、今回添加されているのは「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つで、①〜⑤のチョコにそれぞれどの味が添加されているのかを答えねばならない。正直、「EASY」に添加されていた苦味の微妙さから考えると、これは相当に難易度高い気がする。

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チョコを使った味覚検定なんてみんな初体験だろうに、「答え書くのにスケブいりますよね」「じゃあ俺は人数分にチョコ割ります」と、やたらと手際がいい。
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それぞれ、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味がほんのり添加されたチョコ。見た目はどれも完全に同じ。

ちなみに今回の参加者は、全員料理ができるメンバーであり、少なくともある程度の味の違いは理解できているはず。

あとは、それを感じ取る味覚がどれだけ真っ当に機能してるか?みたいな話と言えるだろう。とはいえ我々はライターや編集者なので、味覚は職能的に求められてるものでもなんでもないんだけど実際、開始前に全員が一律で「試されるのやだなー」という顔をしていたのは、印象的だった。

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不審なものはまず匂いを嗅ぐ、という生物としての本能めいた行動をとる古賀さんと橋田さん。ちなみに香りはどれも普通にチョコの香りのみ。
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「あっ、このチョコはうっすらケミカルな匂いがしますよ!」と興奮する安藤さん。実は手に握ったマーカーの匂いだったというオチ。

最初のひとつが配られて口にした瞬間、全員の表情がスタート時点からさらに一段階モヤッと曇る。

安藤:んー!?これ普通のチョコじゃないですか?なんかチョコの味以外に感じます?

橋田:いやー、チョコですよこれ。単に美味しいチョコ。

古賀:えっ、正解率どれぐらいでしたっけ。10%?それウソですよ。Googleの入社試験ですってこれ。

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後から見返したら、僕のは目をつぶってる写真ばかりだった。だいぶ集中したかったっぽい。

甘いかしょっぱいかを感じとれてGAFAのどっかに入れるならむしろ最高なんだけど、さすがにそう美味い話はないだろう。(味覚検定だけに)それにしても、これやっぱりめちゃくちゃ難しいぞ。

出たか、全問正解!

その後も着々とチョコが配られ、味見は続く。それにしても、ここまで口の中の味に集中することって、あまりない経験だった。

日常的な食事って、結構ボンヤリとずさんに食べてるもんだなぁ。チョコを食べて、油脂の中から舌で感じ当てた“なにか”を脳まで持っていって解析したいんだけど、その“なにか”があまりにもうっすらしすぎて、脳に届く前に霧散する感じ。これが非常にまどろっこしい。

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何度も試食したせいで、答えが出る前にチョコが無くなる!と不安を訴える古賀さん。食いしん坊か。

あと、そもそも味蕾(主に舌の上にある、味を感じるための細胞)の数は、年齢と共にどんどん減っていくという話もある。

高齢者の味蕾は、乳幼児の30〜50%しかないんだとか。

子どもがピーマンなどの苦味を強く感じ過ぎてしまうのも、味の感受性が大人に比べて高すぎるかららしい。

僕の曾祖母は91歳で亡くなったんだけど、最期の数年は(食欲はあるのに)味が分からなくなりすぎて、主食が湖池屋の「カラムーチョ」だった。

あれぐらい刺激がないと、もう味が感じられなかったそうだ。つまり、参加者ほぼ全員がアラフィフというこのチャレンジャー陣、そもそも駄目なんじゃないか説だ。

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ここにいる全員の味蕾を足し合わせても、幼児1.5人分ぐらいの味覚判断能力しかないという計算に。

そんな中でも、何度もチョコをかじっては確かめ...を繰り返すうちに、ちょっとずつ「あっ、これ分かったかも?」というのが出てきた。

例えば、チョコそのままで食べたときは分からなかったのに、食べ終えてふと唇を舐めると「あっ、いまなんかしょっぱい味したかも!」と気付いたりとか。各人がなんらかの味分けのノウハウを得て解答し始めているのが、なかなかに興味深かった。

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あっ、なにか味っぽいのを掴んだかも!と橋田さん。

で、書き終わっての解答だが......なんと全員の解答が、酸味・うま味・甘味の3つで一致!そして正解!これは一同、爆上がりである。

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3問正解で驚くほど喜ぶ我々。おそらく今年上期にとった中で最大のリアクションだったのでは。

安藤:酸味はわりと分かりやすかったですね。食べてからの後口に出やすいというか。

橋田:分かる!あれは分かったよね。来た!って思ったもん。

古賀:うま味も「おっ、なんか味があるな?」って感じがしたんよね。で、甘味は消去法で残ったやつ。

先ほどまでのストレスフルな雰囲気(とくに橋田さん)から一転して、まぁいい笑顔である。とりあえず5問中3問も当てたらひとまずOKじゃない?的な開放感でいっぱいだ。

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うま味、あったよね!と興奮気味の我々。

しかしまだ問題が残っている。残りの塩味と苦味の解答が二分されているのだ。

答えの順番が「塩・苦」の安藤/橋田と、「苦・塩」のきだて/古賀。

つまりどちらかが3問止まりで、どちらかが全問正解ということになる。ひっぱっても仕方ないのでサラッと結果を発表すると、正解は「苦・塩」で、僕と古賀さんが全問正解!最高!

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全問正解で快哉を叫ぶチーム・ダボシャツの二人。シャツがオーバーサイズだと味覚が鋭敏になるのか。

古賀:いやー、これは我々すごいですよ。Google入社できましたよ。きだてさんも今後は文具王じゃなくて味王を名乗るといいのでは。

そもそも文具王を名乗ったこともないし、味王だって名乗ってもあまりメリット無さそうだけども。とはいえ自分の舌が意外とちゃんと役に立ってると確信できたのは、なかなか嬉しいものである。

かくして味王の舌は疲弊する

ちなみにこのあと、編集部内でまだいちばん若くて味蕾が残存していそうな藤原くんと味王きだてで「HARD」にもチャレンジした。

「HARD」はチョコが8種あり、先の甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5つに加えて、味が無添加の普通のチョコが3つ入っているという。ぶっちゃけ、いじわる問題みたいなやつである。

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「HARD」は問題数が1.5倍になった上に、味を比較しての判断もやりづらい。

ガチのハードモードじゃん。

この“普通のチョコが複数個”というのがポイントで、「さっき食べたやつと比べてしょっぱく感じた」というような相対評価が一気にやりづらくなるのだ。

これは本当に意地が悪い絶対的な感覚で「いま食べたのは普通のチョコ」と判断できないと、これは全問正解は難しい。というか不可能。さすが正答率1%の難問と言えるだろう。

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あまりにも味が分からなさすぎて、終始うつむき気味の二人。終盤はもう「しばらくチョコ食わなくていいな」とずっと考えてた。

で、もう盛り上がるところも無いのでサクッと言っちゃうが、結局のところ、藤原くん3問、味王きだて2問正解という結果に。なかなかの体たらくである。

どうした味王。

いや、言い訳をさせてもらうと、想像以上に舌が疲れていた(舌が疲れるというのも初体験だが、そうとしか言いようがない状態)のと、あと、そもそもチョコの食べ過ぎでお腹が膨れてきたというのもある。それにして難しすぎたけど。

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これ本当に難しいし、なんなら軽くチョコが嫌いになるまであるな。

とりあえず「味覚検定チョコ」はなかなか盛り上がるし、正解すると、思ってたよりかなり嬉しいのは間違いない。

あと、ほどよく正解を出せたほうがいいので、よほど味覚に自信がない限りは、無理せず「NORMAL」で遊んだほうがいいと思う。


ちなみにこのあと、僕からの独自問題として「イチゴジャムに仕込んだ隠し味を当ててもらう」というのも出題していた。(あまりに蛇足なので記事からは省いた)

正解はコショウ(ピリッと刺激で甘味に爽やかさが増す)だったんだけど、なんとこれも古賀さんだけが正解!実は芯に味覚が優れてるのはあの人なんじゃないかと思うので、今後は古賀さんを「おっ、味王じゃん」みたいな感じで呼んだげてください。僕はもう退位でいいんで。

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ジャムの隠し味まで見事に当てた味王古賀さん。即位おめでとうございます。
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