懐古趣味からランリックを買った
歳を取ると興味や関心の幅が狭くなると聞いた。新しいことに挑戦するのが億劫になるというのだ。
かくいう僕も30歳になって昔をありがたがる気持ちが分かるようになってきた。実家の料理の味、高校で聞いていた音楽、中学で熱中したゲーム、どれもが心地よい。
そして近頃はそれに飽き足らず、小学生の頃まで時を遡りはじめたのである。
いよいよ次は自我を獲得する前の赤ちゃん次元(ベイビー・ディメンション)に突入しておしゃぶりを咥えることになるので、意識が残っている今のうちにこれを書いている。
導入が長くなってしまったが、つべこべ言わずに僕のランリックを見てほしい。ほら、可愛くないですか。かわいいですよね。
ランリックのよさを愛でる
ランリックの開発秘話は感動的なのでぜひ公式サイト(リンク)を読んでいただきたい。
かいつまんで説明すると、従来のランドセルは高価で家庭の経済状況によっては手に入れられない子どももいて、それがいじめにつながることもあったという。また当時のランドセルは児童にとって非常に重いもので、発育への悪影響が懸念されていたそうだ。
そんななかでランリックは安価で軽い新時代の通学カバンとして開発された。黄色と黒という目を引く配色は交通標識から着想を得たもので、子どもたちが交通事故に遭わないように、という願いが込められている。
…いい話である。いい話すぎて記事が終わりそうな雰囲気になってしまったが、ここからはランリックの良さを個人的な視点から称えていきたい。
①外ポケットの校章入れ
ランリックは機能性が売りの大きなひとつ。ところどころに工夫がたくさんあるのも推しポイントである。まずは外ポケットの部分を見てほしい。
透明の部分に校章が描かれたシートを入れることにより、どこの学校に通っているのかが一目で分かるようになっているのだ。
校区外で遊んでいるとき、すれ違った小学生のランリックに隣の学校のマークが付けてあるのを見て、遠くまで来たことを実感することが何度となくあった。喧嘩するわけじゃないけどなんとなくピリピリするのだ。
②荷物がたくさん入ると……?
ランリックは柔軟性のあるナイロンでできているので丈夫で軽く、たくさんの物が入るのもいい。
しかし荷物が入るのはカバンとして当たり前のことである。注目すべきはこのあとだ。
大量の荷物が入るとぷくぷく太ってフォルムが可愛い、のである!ぜひ声に出して読んでください。幸せになれるから。
高学年になって6限とも教科書を使う授業のときはよくぷくぷくした姿になっていた。
③その他もこまごま
ランドセルはたいてい同じ学校に通う皆と同じものを使うため、ほかと識別するために名札を入れる部分がある。
背面についているのでランリックを背負うことで個人情報が隠れるのがミソである。ランリックに隙はない。
入れる名札もないので折った千円札を入れたらぴったり入った。ランリックにはマジで隙がない。ただ、野口英世の私物だと思われてしまう可能性はある。それってめちゃくちゃ光栄だな。
そして、ランリックが家にあると家に小学生がいる気がしてくるから不思議だ。
もちろん家には小学生などいないので、一人称視点でランリックを見ている俺こそが小学生なのか?じゃないと辻褄が合わないよな、じゃあ小学生は俺だったのだ!いや、違うぞ!と脳が混乱する。
だからなんだ、と言われると困ります。