特集 2020年8月12日

牛乳はシチュエーションひとつで最高においしくなる!

シチュエーションでおいしさが増す、俺たちのパワードリンク

牛乳が大好きだ。僕は幼少期から20年以上、毎日1リットルほど飲んでいたほどである。

そんな牛乳の消費量は1996年をピークに、少子高齢化と飲料市場の多様化のために長期減少傾向にあり、2013年の時点で3割も減少している。

あと西部劇のバーでミルクを頼むと笑われるシーンのように、「大人が牛乳を飲むのはちょっと恥ずかしい」と謎の認識まである気もする。

そんな少し肩身の狭い牛乳だが、これほど「シチュエーションによってまたおいしく感じる」ものはない。

そのウマさと楽しさをどうか語らせて欲しい。

ライター、番組リサーチャー。過去に秘密のケンミンSHOWを7年担当し、ローカルネタにそこそこくわしい。「幻の○○」など、夢の跡を調べて歩くことがライフワークのひとつ。ほか卓球、カップラーメン、競馬が好き。(動画インタビュー

前の記事:昔は主役、今はド脇役。チェーン7店の「ノーマルのハンバーガー」を食べて良さを語る

> 個人サイト 文化放想ホームランライター

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駅のミルクスタンドで飲む

まず行きたい場所が秋葉原駅だ。日本のサラリーマンたちの原風景、「駅ホームのミルクスタンドで牛乳を飲む」がまだ残っている場所なのである。

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たくさんの牛乳やパンが並ぶ
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牛乳だけでも結構な種類が

今回は福島で有名な酪王牛乳(130円)をチョイス。ついに晴れてミルクスタンドでの牛乳が味わえるとワクワクする。

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冷たくてウマい

ここでは牛乳はただ飲むだけのものでは無く、この場に参加するためのパスポートだ。ゴクンゴクンと飲めば、憧れの光景に自ら入り込める。

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無表情の中に充実感が満ちあふれる

さらにこの横には、いまではなかなか見られない「牛乳を売る自販機」が置いてある。

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熊本の大阿蘇牛乳を販売
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こちらは飛騨の高原牛乳と東京牛乳がある

しかもご当地牛乳がたくさんだ。目移りしながらも、地元の東京牛乳をチョイス。

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生産農家を限定して、乳脂肪分を高く管理している牛乳らしい

紙パックの牛乳もこれはこれでウマい。Go Toできない都民にとって、小さな旅の入り口がこの秋葉原駅ホームである。

公園の売店で牛乳を飲む

公園も牛乳が非常に似合うシチュエーションだ。外の風に吹かれながら、牧歌的な雰囲気の中で牛乳をチューチュー飲む。その幸せを味わいたい。

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やってきた上野駅
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「常温保存可能品」牛乳もまた一興である

上野公園で動物園方向を見ながら、近くで購入した牛乳を飲む。何とも気持ちいい。

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売店があった

なかなか雰囲気のいい売店がある。中で食事ができて、牛乳の持ち込みもOKだそうだ。ありがたい。

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ついのれんをくぐりたくなる
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割り箸とレンゲをクロスする、美しい格好で登場したラーメン

観光地のラーメンとしてはリーズナブルな500円で、いわゆる「昔ながらの東京ラーメン」。その言葉はいい意味でも悪い意味でも使われるけれども、しっかり味が整えられたこちらは前者だ。

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東京ラーメンは国宝だと思う

時折牛乳をすする。牛乳のやさしくも印象の強い味わいで舌がリセットされ、また新鮮に感じることができた。

最近給食に牛乳を付ける是非の議論があるけど、牛乳は飲み物の中でも、十二分に万能プレイヤーだと思う。

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公園でアンパン食べて牛乳飲もう

さて、公園と言えばもう一つ押さえておこう。それは「公園であんパンを食べながら牛乳を飲む」だ。

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用意したのはやっぱり一番ポピュラーなヤマザキのあんぱん。意外といま置いているお店を探すのが大変だった
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近所の公園でトライ

誰もいない静かな公園。念願の「あんぱん+牛乳」を試すにはピッタリだ。

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あんぱんを食べて
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牛乳を飲むと

うまい。アンパンの甘さを牛乳がほんのり中和してくれる。すごく相性がいい。

街の安全地帯のような、公園のおだやかな空気を感じながら食べれば、思いのほかリフレッシュできる。

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青いベンチにも映えるあんぱんと牛乳

ベタなことって、だいたいやって損はない。

銭湯の牛乳に浸ろう

さあ、ついに銭湯の牛乳である。

銭湯のビン牛乳は150円など、ちょっと高く設定されていることが多い。しかし少し高くても手が伸びてしまうのが銭湯牛乳の魔法だ。

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いまはこのタイプの自販機がおなじみ
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銭湯前でポーズ

しかし今回ビンの牛乳を久しぶりに買って、そのすばらしさを思い知った。

キンキンに冷えたビンが氷のような役割を果たして水温を低く保つし、氷のように牛乳の味を薄めることもない。手や唇がビンに触れるのすら冷たくて気持ちいい。

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いつだって牛乳は白く美しい

さあ銭湯後で火照ったカラダに冷たい牛乳を流し込もう。まるでサウナ後の水風呂のように「ととのう」ぞ。

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数十秒の幸せ、キメる

実にうまい。180mlで150円という価格は庶民にとってなかなか高価だが、とっておきの一瞬の喜びがある。ここぞというときに頼みたい。

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スタバやドトールでも裏メニューにあるぞ

ちょっと話は変わるが、総じてオシャレなイメージのあるカフェチェーンでは、ほとんどのお店で牛乳が楽しめるのはご存じだろうか。

みんながコーヒーを頼むシチュエーションでひとり牛乳を飲むのは一興なので、ぜひ頼んで欲しい。

たとえば、その代表格であるスターバックスでは、メニューには載っていないものの、裏メニューとしてミルクが存在する。トールサイズで407円(税込)だった。

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あのスタバのプラカップに牛乳が入る違和感

スタバの店内で、あの幼少期から飲み慣れた「牛乳」を飲める喜び。ただし量は少ないのでちびちび楽しもう。

ちなみに牛乳は、ドトールでも裏メニュー扱いである。

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ズッシリ来るほどの量

295円(税込)のMサイズは、たっぷりのアイスミルクが楽しめる。

たくさんの細かい氷が溶けると味は薄くなるが、スポーティーな感じで夏には合う。ゴクゴク飲める、暑い日にピッタリの牛乳だ。

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最後は氷の下でキンキンに冷えた牛乳を飲み干す夏のダイナミズム

なおタリーズでは堂々の表メニューとして牛乳を頼める。ドトールよりは氷が大きい上に、少し濃いめに味わえる感じがした。

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ショートサイズ341円(税込)
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こちらはベローチェのアイスミルク(240円)。

ちなみにマクドナルドにも牛乳はある。激安で知られるマックだが、ミルクは200円もする。

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200mlで200円、そこそこ値が張る

氷のない紙パックなので、放置するとぬるくなりやすい。最後までおいしく飲むには30分で飲み干すのが吉だ。

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雪印メグミルク製

旅で飲むローカル牛乳のおいしさ

さっきご当地牛乳の話が出たが、牛乳こそローカルの宝だ。日本で少しずつローカル色は薄れていっているが、牛乳はまだローカルならではの銘柄が多くある。

たとえば僕が鹿児島の種子島へ行ったときは、デーリィ牛乳(南日本酪農協同)がポピュラーで、コンビニ・スーパーや自販機など各所に置かれていた。

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ファミリーマートで見かけた
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北海道民の御用達コンビニ、セイコーマートの牛乳は84円からと格安だ

僕のように牛乳の細かな味の違いがわからない人間でも、パッケージや飲む場所が違うだけでフレッシュな気分で飲める。それがローカル牛乳の楽しさである。

ちなみに鳥取発祥で西日本を中心に勢力を広げ、最近は東京でもそこそこ見かけるのが白バラ牛乳(大山乳業農業協同組合)だ。

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ジャケ買いしたくなるデザイン

この白バラ牛乳、とにかくデザインがいい。見るだけでなんだか元気が出るすばらしい色使いだ。最近ではこのデザインのグッズが好評を得ているのも頷ける。

夏の鳥取に思いを馳せながら飲めば、コロナ禍で行き場の無い旅情も少しだけ満たされる。

千葉県民のソウル牛乳、降臨

ローカル牛乳を紹介する流れで、僕ら千葉県出身者のとっておきミルクを紹介しよう。給食に出る「コーシン牛乳」である。

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東京のローカルスーパー・赤札堂上野店でゲット。小売店での取り扱いは千葉が中心

200mlと限られた容量のミルクを、ペース配分しながら大事に飲んでいた思い出をいまも昨日のように思い出す。

小売店で買えるなんて思ってもいなかったので、うれしい。

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暑い夏の日に食べた給食を思い出しながら飲む

うまい。この200mlしかない頼りない感じがいい。外気の熱波に晒され、飲んでいるうちにちょっとずつ冷たさがなくなっていく所もあのときのままだ。

残暑の厳しい9月、運動会の練習に明け暮れる合間の給食に飲んだ記憶がよみがえる。ほどなく完飲した。

あの三角牛乳がまだあった

ちなみに給食の牛乳といえば、テトラパックの三角牛乳を思い出す人も多いはず。実はいま取り扱うメーカーが激減し、北海道の2社しか残っていないらしい。

数少ない生き残りの商品を買うため、北海道アンテナショップへやってきた。

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有楽町の北海道どさんこプラザ
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貴重な三角牛乳「べつかいの牛乳屋さん」
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ゲット。テープをはがしてストローを突き刺す

これがいつの間にか絶滅寸前になっていた三角牛乳である。ストローを刺したら、あとはチューチュー吸うのみだ。

その形状から、より「牛の母乳」を飲んでいる気持ちにさせられる。いつもの箱タイプより頼りないが、直に減っていくのを見られるのが楽しい。1分で気持ちよく完飲した。

河川敷で牛乳を飲もう

最後の行き先は多摩川の河川敷。ここは、なんとも実に牛乳が飲みたくなる場所なのだ。

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東急電鉄多摩川駅西口

多摩川駅に到着。名前の通り、駅のすぐそばに多摩川の河川敷がある。

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味のある多摩川台公園マップ
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丸子橋を眼前に、牛乳を飲む

本来は沈む夕日をバックに電車が走るのを見られる絶景スポットである。

しかし撮影日はちょうど陽が沈む方向にだけ雲が出ている不運。僕らの人生はいつだってこんな感じだ。河川敷で飲む牛乳に癒やされよう。

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おっ、電車が来たぞ
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電車を眺めながらゴクリ

川べりで夕涼みをしながら、行き交う電車を見届けながら牛乳を飲む。これが僕らのできるせいいっぱいのささやかな幸せだ。

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夕方に行き交う列車をバックに
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腰に手をおいて飲む牛乳のうまさ

夕日のない夕暮れ、涼やかに120円で買った牛乳ビンを傾ける。ここにプライスレスの喜びがあった。

さてそろそろ〆切が来たので、この旅を終えることにする。

同じはずの味が、おいしく光り輝く

25年くらい、毎日1リットルほどの牛乳を飲んできた僕だが、正直、細かい味の違いはよくわからない。

高温殺菌と低温殺菌、乳脂肪分の濃さなどの違いくらいはすぐわかるが、産地の違いによる味の極端な差はそれほど感じない。

だがそれは、いつも安心して同じような味が飲めることでもある。だいたい同じはずの味が、飲むシチュエーションによって違って感じる。それが牛乳こその魅力なのだ。

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牛乳は、うまい

牛乳のおいしさの感じ方を決めると思えたシチュエーション等を、最後に書き連ねよう。

  • 場所
  • 状況
  • 最初に出てくる冷たさ
  • 氷の量
  • 牛乳の量
  • 一緒に食べるもの
  • 飲みながら見るもの
  • 産地を想像する など

これらを整えて味わう牛乳は、どんなお酒にも負けないおいしさがあると僕は思う。


牛乳は「晴れ舞台」に立つとさらにウマく感じる

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ふだんは500mlで140円程度の紙パック牛乳を飲むことが多い。これもおいしいよ

母乳を飲めない年頃になっても、いつでも僕らを包んでくれるのが牛乳だ。

僕も最近はカロリーを考えて飲む量が減っていたが、「晴れ舞台」に立ったときの、牛乳の一層のおいしさをもう一度見つめ直すことができた。やっぱり好きだ。

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