どんな雑誌の切り抜きを持っていってもいい
今回の企画では、雑誌と美容師さんの素晴らしさについて改めて知ることができた。もっといろんな雑誌、そして髪型に触れてみたい。「Hey!Captain」ではどんな雑誌の切り抜きでも相談に乗って下さるそうです。ぜひ行ってみてね。
取材協力:
Hey!Captain
憧れのタレントの雑誌の切り抜きを美容院に持っていき、同じ髪型にしてもらった経験はないだろうか。もし、他の雑誌の切り抜きを持って行ったらどうなるのだろう。小学一年生や競馬雑誌などいろんな雑誌の切り抜きを持って美容院を訪ねた。
※2012年5月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載しました。
一度でいいから、好きなタレントの載っている雑誌の切り抜きを美容院に持っていって「こんな感じにしてください」と美容師さんにお願いしてみたい。しかし、「こんなタレントが好きなんだ〜!へ〜」とか思われてそうで怖い。恥ずかしい。自意識が邪魔をする。しかし、タレントではない雑誌の切り抜きを持って行ったらどうだろう。
変わった人だなとは思われるが、「こんなタレント目指してるんだ〜」と思われることないに違いない。
大きな本屋に来た。雑誌だけで1フロアある。凄い。これが全てヘアカタログだと思うと、感慨深い。
普段触れないジャンルの雑誌の方が興味を持って読める。自分の知らない世界を知ることができて楽しい。
大きな本屋は楽しい。普通に自分でほしい本も数冊買ってしまった。選んだ雑誌がこちらである。
•ゼロから分かる ローマ帝国
•小学一年生
•趣味の園芸 やさいの時間
•月刊 ホビージャパン
•競馬 最強の法則
本を切り抜くのはちょっと背徳感があって楽しい。みんなこんな思いで雑誌切り抜いて美容院に持って行ってたんだなー
協力してくださるのは、兵庫県西宮市にある美容院の「Hey!Captain」
お店に迷惑をおかけしないように、あらかじめ企画の概要はお伝えしているのだが、どんな切り抜きを持っていくかまでは伝えていない。変な人だと思われていないだろうか。緊張する。勇気をふりしぼってお店に突入。ドアをそっと開けると、店長さんらしき人がいた。
キャプテンは村上さんというお名前だった。僕と同じ25歳らしい。25歳の若さで一国の主。凄い。「電話したものですが……」と切り出して、恐る恐る雑誌の切り抜きを手渡す。
受けたことのない注文に困惑が隠しきれていない。ふざけんな!と怒られたりしないだろうか。ドキドキしながら待っていると「こちらにお座りください〜」と素敵な笑みで席まで誘導してくれた。
カリグラ帝は、借り暮らしのアリエッティみたいな可愛い名前して悪行の限りを尽くした暴君だったらしい。しかし、髪型だけを見てみると意外と現代的で悪くない気がする。完成した姿がこちらです。
カリグラ帝は2000年ぐらい前の人だが、この髪型自体は現代でもそんなに違和感がない(気がする)
ということは、カリグラ帝もウォーズマンに似ていたのだろう。これで記事を終わってもいいかなと思ったのだが、買ってきた雑誌の中にはまだまだ参考にしたい髪型がたくさんある。村上さんもまだ協力してくださるらしい。なんていい人なんだ。
仮面ライダーには非対称なヤツもいるのか。メテオという名前なだけあって、服も宇宙人ぽくてかっこいい。意外と前衛的なパリコレのモデルみたいな髪型になるのではないだろうか。完成した髪型がこちらです。
村上さんが櫛でササっと手を加えると、ワックスも使わないのに髪型がバシッと決まった。
村上さんに「どのぐらいの割合でお客さんは切り抜きを持ってくるのですか?」と尋ねたところ「2割ぐらい」と教えてもらった。結構多い。
髪を切ってもらっている時に美容師さんから雑誌を渡されることがあるが、その時、美容師さんにプロファイリングをされている気がする。普私はデジモノステーションをよく渡される。
ドラえもんのはじまった1970年代にはメジャーな髪型だったのだろうか。今ならツーブロックとも言えるし、金正恩スタイルとも言える。こうなりました。
あの先生の名前は「坂本栄一郎」というそうです。
競馬雑誌を初めて読んだのだが、馬によってこんなに髪型が違うのか。今回は、いくつも結われたたてがみがかっこいい「ディープブリランテ」を参考にさせてもらう。できたのがこちら。
髪の毛の量にも限界があるので、村上キャプテンの技術を持ってしても戦艦金剛を再現するのは難しかったようだ。しかし、頭頂部に連なる砲塔らしきものに気づいてほしい。戦艦 金剛の対空武装の少ないシンプルなスタイルを再現しようとする執念を感じる。
もう髪の毛はほとんど残っていない。にも関わらずプチトマト感をうまく再現している。赤と緑に染めたらもっとプチトマトになるだろう。
ホビージャパンからの引用が多いことに気づく。やっぱりカッコいい形がいっぱい詰まった雑誌なのだろう。しかし、髪の毛も残り少ない。この状況でキャプテンはガンダムをどう表現するのだろう。最後に完成した姿がこちらである。
ガンダムなのに、なぜか角の位置が頭頂部にある。聞いてみると村上さんはガンダムのことをあまり詳しく知らないらしい。
今回、村上さんには3時間も髪の毛を切ってもらった。こんな得体の知れない客に対してなんと理解があるのだろう。お礼を言って外に出ると、どこの方角から風が吹いてくるのか正確に分かった。肌を大幅に露出させたので、頭部の感覚がカミオカンデばりに鋭敏になっていた。
今回の企画では、雑誌と美容師さんの素晴らしさについて改めて知ることができた。もっといろんな雑誌、そして髪型に触れてみたい。「Hey!Captain」ではどんな雑誌の切り抜きでも相談に乗って下さるそうです。ぜひ行ってみてね。
取材協力:
Hey!Captain
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