自分でライチを手に入れる

台北でライチを楽しんだあと、高雄に来た。おしゃれな建物と素朴な街並みが共存している。いい街だ。観光を楽しみつつ、一番の目的は忘れない。ライチだ。
まだ自分でライチを買うという経験をしていない。友達には市場や青果店よりもスーパーで買った方が安いと言われた。


ライチが希少な日本では生ライチを目にしたら何も考えずとにかく買うようにしていた。そう体が覚えているのだ。ならばこのライチも買わないという選択肢はなかった。

まったく飽きることなくうまい。
日本から途中合流した友達が生ライチ未経験というので、したり顔で分けてあげた。

「うまい」「みずみずしい」「冷凍とはまるでちがう」と感動の声が上がる。
またひとり、ふたり、と生ライチのおいしさを刻みつけてしまった。
残りの日程、わたしたちはほとんど常にライチを携えて移動することとなった。
鮮度が落ちると漬物の味
ライチを食べはじめて数日後、スーパーでドラゴンライチ以外の品種を目にした。
とりあえず買ってみようと手を伸ばした。

「楠西早荔枝」という品種らしい。ドラゴンライチと違って皮がとげとげしていない。

食べてみると、少しだけ味が遠いような気もするが、ちゃんとおいしい。
日本で食べられるならばありがたく見かけるたびに買うと思う。
でもかなしいかな、われわれはドラゴンライチのおいしさを知ってしまった。


フェアじゃない比べ方をしてしまい申し訳ない。
そう思いながら食べていると水分が抜けきったライチを口にしてしまった。
こいつはいけない。食感が悪いという話じゃない。こいつ、漬物の味がするぞ!
「漬物みたいなやつが混ざっている」と友達に言うと「実はさっきそんな感じがした」と
打ち明けてくれた。
林檎は時間が経つと食感がもそもそになる。柑橘類はぱさぱさになる。ライチは漬物の味になる。これは学びだ。やはりライチは鮮度が命。
フルーツ交換留学をしたい

台湾人の友人曰く、ライチは日本でいうイチゴに近く、すごく安価というわけではないが、季節が来たら買う、というイメージだそう。
台湾では国内で育たない輸入品の果物が高く、国内で育つ果物は安いらしい。
宿泊したゲストハウスの人に「ライチを食べるために日本から来たんだよ」というと「わたしたちも桃を食べるために日本に行ったよ!」と返された。
ちょうど時期も近いし、日本の桃を食べたい台湾の方と、台湾のライチを食べたいわたしで毎年フルーツ交換留学するのはどうだろう。よろしくお願いします。