干し肉を食べつけない人ほど店で見てみてほしい
門外漢だからこそ7種類の干し肉を当然として平然と受け取らず、「なんでこんなに干し肉が!?」とという可笑しさと驚きが胸にわき起こった。
干し肉に興味の無い方々はぜひ一度、コンビニのおつまみコーナーで干し肉のラインナップのやたらな多さを見てもらいたい。手軽に「こういう世界もあるんだな」というのを感じてもらえるんじゃないか。
ちなみにコンビニはイカ菓子のラインナップも充実しています。おつまみの世界の奥深さよ。
あるとき、コンビニはどこも干し肉の扱いが豊富なことに気づいた。
セブンイレブンにはジャーキーやサラミ、カルパスなど常時4種類くらいある。同様にファミリーマートでは5種類くらいある店が多い。
そしてローソンだ。干した肉という品目に対し4~5種類というのはもうすでに「多いな」という印象を持つと思うのだが、ローソンは狭い店舗でも7種類くらい軽く置いてある。
言いたいことはおおむね冒頭に書いた通りだ。
ローソンを買い回ったところ、7種類の干し肉が見つかった(公式サイトを見ると、現在コンプすれば9種類あるらしい……)。
正確にいうと、比較的小規模な店舗3軒をあたってその3軒すべてにこの7種類があった。
想像してほしい。こぢんまりしたコンビニだ。それはもう陳列棚の場所取りは熾烈な争いが起きているだろう。
ビジネス系の番組で、カップ麺やビールの営業担当者がしのぎをけずりコンビニの棚を奪いあうドキュメントを見たことがある。
そんな場所に干し肉が7種類。ゆうゆうとぶら下がっているのだ。
もはやこの品揃え「干し肉専門コーナー」と言ってしまってもいいレベルではないか。
恐縮ながら、干し肉について私は大変に疎い。だからこそこのこの記事を書いたといってもいい。
驚いているのだ。
・味がだいたい同じように思える
・色が同じ
・用途としてはほぼ「おつまみ」
そんな商品が7種類もあることに。このラインナップ、干した肉をかみしめたいという人間の欲望を大幅に上回っていないか……? とも思ったが、分かる人には分かるものなのだろうか。
種類の多さを楽しめるのはそこそこ干し肉に対する理解が深い方々だろう。楽しむことができるのはすなわち「知っている」ということだ。
以前、セブンイレブンの干し梅に非常に微細な違いがあり驚いてTwitterに投稿したことがあった。
これ出し分ける意味あるんだろうか…こわくなって買ってしまった(味は微妙に違った)。 pic.twitter.com/OtBzIaEg0i
— 古賀及子(こがちかこ) (@eatmorecakes) August 22, 2019
このとき、「味が違います!」「買い分けてます!」というリアクションをあちこちからいただいた。
同じように、干し肉の違いを熟知し、棚を前に「ほほう、この干し肉はいいな……こちらも捨てがたい……いや、こっちのほうが……」と楽しんで選んでいる人も大勢いるということだろう。
ローソンのプライベートブランドといえば、パッケージにプリントされたキャッチコピーが朗々としているのが特長だ。
干し肉たちにもそれぞれ良さを伝えるコピーがついていた。
読んでみよう。
どうだろう……。やはりどれも同じに読めてしまった。
低解像度でしか干し肉を見られないのがくやしい。
コンビニという、ものすごく身近な場所に異世界はあった。その世界では人は干し肉に詳しくこだわりを持って干し肉を選んでいた。
門外漢だからこそ7種類の干し肉を当然として平然と受け取らず、「なんでこんなに干し肉が!?」とという可笑しさと驚きが胸にわき起こった。
干し肉に興味の無い方々はぜひ一度、コンビニのおつまみコーナーで干し肉のラインナップのやたらな多さを見てもらいたい。手軽に「こういう世界もあるんだな」というのを感じてもらえるんじゃないか。
ちなみにコンビニはイカ菓子のラインナップも充実しています。おつまみの世界の奥深さよ。
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