特集 2023年12月24日

AIで日常をミュージックビデオに

AIを活用すると、日常がミュージック・ビデオになるので、聞いてください。

父は数学教師。母は国語教師。姉2人小学校教師という職員室みたいな環境で育つ。普段はTVCMを作ったり、金縛りにあったりしている。(動画インタビュー)

前の記事:トランシーバーを子どもと使うと最高


 

AIの進歩が目覚ましい。

歌詞を打ち込み、曲調を指定するだけで、すごい精度で楽曲を作ってくれるサービスまで登場してしまった。

たとえば、当サイトデイリーポータルZの歌詞を打ち込んでみよう。

 

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「SunoAI」というサービス

 

 

こちらが生成された音楽。

 

デイリーポータル「Z」(ズィー)と、読み方にちょっとクセが出ていたりするが、それ以外はかなりの精度ではないだろうか。
 

日本語も対応しているし、いわゆるボカロっぽい声だけじゃなくて、いろんな曲調・声質が出力されるのも嬉しい。

 

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アルバムのイメージまで一緒に作ってくれる


いくつか楽曲を生成していると、ボーカルが歌い始める前に、「スッ」と息を吸う音まで入っており、「そこに誰かおるやろ」感がちょっと怖かった。

 

この恐るべきAI技術を使えば、日常のささいな出来事を、全て音楽にできる。

さらに、その音楽に、同じくAIで作った画像や動画をつけていけば、1本の「ミュージックビデオ」になるだろう。

 

 

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そんなわけで5本のミュージックビデオを作りました

 

 

1 庭でバーベキュー
(作詞:小堀 作曲:SunoAI)

2 電気代がヤバいから
(作詞:小堀 作曲:SunoAI)

3 お客様の声
(作詞:お客&店員 作曲:SunoAI)

4 不審者情報
(作詞:アライグマ&日本不審者情報センター 作曲:SunoAI)

5 注釈
(作詞:世の中のTVCM&小堀 作曲:SunoAI)

 

 

一週間くらいで、5本のミュージックビデオができてしまった。
ミニアルバムが出せる勢いである。

すごい時代が来ている。さっそく1本目から紹介させてください。

 

 

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思い出をミュージックビデオに

 

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写真フォルダを漁る


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4年前、庭でバーベキューをした時の写真が出てきた

 

この時の状況を思い出して歌詞にまとめ、先ほどのSuno AIに打ち込む。


完成した動画がこちら。

0:19〜が見どころです

 

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生後7ヶ月なのに、AIにより歯が生え揃ってしまっている我が子


Untitled video2.gif
せっかくなので、GIFもご査収ください

 

これは楽しい。写真フォルダを漁るだけじゃなく、今回もともと書く予定だった工作記事もミュージックビデオにしてみよう。

題材は、数ヶ月くらいかかった爬虫類のケージ制作である。

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工作記事をミュージックビデオに

 

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いくつもの土日を費やした大作

 

完成した動画がこちら。


これはこれでいいかもしれない。

 

補足すると、私は普段、水漏れするガレージの中で、カメなどの爬虫類を飼育している。

飼っている爬虫類は寒いのが苦手なのであたためる必要がある。

あたためるために、オイルヒーターを使っていたこと、契約していた電力会社が気づいたら市場連動型に変わっていたことが重なり、電気代が月々約65,000円という、とんでもないことになった。

今年の冬はなんとかしたい!と、クーラーボックス並みの断熱性のケージを作った、というわけである。

 

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35mmの断熱材!

 

 

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換気扇!

奮発して正面の扉は、5mm厚のアクリルにしてやった。もうやけくそ気味ではあるが、扉をあけると、むわっと湿気を帯びたあたたかい空気が漏れ出てきて、「あ!これ!爬虫類ショップの空気!」とひとりでガッツポーズをした。

そして、今回の工作で私が伝えたいことは、以下の2アイテム素晴らしさである。

 

 

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カクシ釘

 

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板の固定に便利!カクシ釘

 

ホームセンターで、先っぽにピンクやブルーの謎の物体がついている釘を見たことはないだろうか。あれはカクシ釘という名前である。

たとえば、板をボンドで接着する時は、浮いてこないようにクランプで固定する必要がある。そんなときに役立つ。

普通の釘のように打ち込むと、先端の樹脂のところで、釘が止まる。ボンドが固まってから、横からト金槌で叩くと、キレイにポロッと先っぽだけが取れるといわけだ。





そして、そろそろ読者の方もお気づきになられていると思うが、今、私はなんの記事を書いていたのか完全に道を見失っている。

皆さん、AIと、カクシ釘に興味持っていただけてますか。

 

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釘の先っぽが残らないので、きれいに仕上がる


 

AIもいいけど、トリマーの紹介もさせてください

 

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曲面が、そのへんの木材を家具にする

絶対必要な工具ではないのだが、えいやで買ってみたら、大好きになった。

たとえば、角材に板を固定すると、板だけちょっとはみ出たりすることがありますよね。そんな時にこのトリマーを使えば、はみ出た部分だけきれいに削り取ることができる。

もちろん木材をキレイな曲面にすることもできる。出来上がるものが、一気に家具っぽくなるので嬉しい。これはAIにはまだ真似できないことである。

 

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こちらはすり鉢状の刃(いろんな形のものがある)

 

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木材に曲面がつくと一気に愛着が湧きます

 

65,000円の電気代をなんとかするためにはじめた今回の工作だが、作るのに70,000円くらいかかった。

 

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(正確には7万超えてから計算するのをやめた)

ただ、22年12月に44,337円だった電気代だが、23年12月は20,358円になっている。そもそも家の暖房をあまり使ってないなど、いろんな要因もあるだろうが、半額である。

ちなみに65,000を記録したのは、23年の1月。24年の1月の電気代に今からドキドキしている。

 

 

 

 

話を戻そう。AIである。
AIで日常をミュージックビデオにする話である。普段の何気ない生活のなかに歌詞を探してみたい。

 

暮らしをミュージックビデオに

 

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街のすべてが歌詞に見える


そんなことを考えながら、スーパーマーケットに立ち寄ると、いつも見かける「お客様の声」が歌詞に見えた。

 

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お客様の声じゃない、お客様の歌詞だ

 

完成した動画がこちら。

 

 

お客様の声って、クレームが大半を占めるのかなと思っていたが、私がたまにいくスーパーでは、感謝の言葉も結構あった

(記事内に使用している画像は、個人名などの情報は抜いております)

 

 

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思っていたより、世界はあたたかい

 

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AIは斜めを向いている人を口パクさせるのが苦手

 

 

ニュースをミュージックビデオに

 

お客様の声よろしく、世界に実際に転がっている言葉を歌詞にするのはとても楽しい。

みんなが知りたくなる、ニュース情報を歌詞にすることはできないだろうか。

そんなことを考えて、地域のニュースサイトを回っていると、野生動物の出没を知らせるページに目がとまった。

 

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アライグマの出没情報

 

完成した動画がこちら。

 

2023年 10月〜12月に関西付近に出没した、アライグマの出没情報を歌詞にした。

調べてみると、アライグマはペットとして入ってきたものが、捨てられて野生化し、増えているらしい。

 

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無責任な飼い主のせいで害獣化してしまっているのは悲しい


ちなみに後半のアナウンサーの「注意して!して!して!」の連呼はこちらが指示したものではなく、AIによるオリジナルアレンジ。

 

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AIも、アライグマと人間の共存を強く望んでいる

 

仕事をミュージックビデオに

私は普段、広告制作を生業にしているのだが、せっかくなので最後は、仕事を題材にミュージックビデオを作りたい。それでは聴いてください。

 

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タイトルは「注釈」です

 

完成した動画がこちら。

 

「※画像はイメージです」など、画面の下に、ひかえめなサイズで入っている注釈。

普段は主役になれない彼らを集めてミュージックビデオにした。注釈たちも喜んでくれていると思う。

 

 


最後に利用した技術も紹介させていただきますね

 

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右下の技術が特におすすめです

 

 

 

【Suno AI】
一度に2曲ずつ生成してくれるので、気に入った楽曲が出てくるまで何度か試すのがおすすめ。

入力した歌詞を歌ってくれなかったり、独自のアレンジを加えてくれることもある(難しい漢字が苦手なので、難解な漢字はひらがなにして入力しましょう)

【画像生成・加工】
ChatGPTで画像生成したり、その画像をPhotoshopで加工したりして使っている。

【D-ID「Creative Reality Studio」】
楽曲の歌詞に合わせて、写真に写っている人間の口を同期して動かしてくれる。Suno AIと併用すると楽しい。

【Runway】
画像や動画を読み込ませて指示を出すと、4秒単位で動画を作ってくれる。今回は「注釈」のミュージックビデオ内の、テレビのまわりを跳ね回る商品や「お客様の声」で対峙したふたりのまわりのスモークなどを動画にした。

静止画だけじゃなく動画も加工できる。プロンプトでいろいろと具体的な指示ができるので、「映像に登場する人物を全員、原始人にして」とお願いしたら、それなりのものを出力してくれて笑った。

 

 

今回ご紹介しているAIのサービスは、無料でもちょっとだけ使える。しかし、たくさん作ろうと思うと有料になる。

大切なのは月額課金に耐える強い心だ。

いろんな素材が揃ったら、最後に、PCに標準で入っている、Windowsのムービーメーカーや、iMovieを使って編集。人力で繋げば、ミュージックビデオが完成!

楽しいので、あなたもやってみませんか。

 

AIもすごいし、カクシ釘もすごい

 

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日常のなかで歌詞を探すのは、とても楽しい


ミュージックビデオを1本作るのにかかる時間は、1時間〜3時間。


日記みたいに気軽にサクッと作れてしまう(楽しすぎて昼ごはんを抜いて編集してしまう日もあった)

今回、音楽を作れる人の視点を、ちょっと垣間見た気がするのだが、普段からこんな楽しいことやってるなんてズルい。

 

何かを作りたいというのは、人間みんなにある欲望だ。
そのハードルが20cmくらいになった時、何が生まれてくるのか、今からとっても楽しみある。
 

 

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