特集 2023年5月22日

新潟の激渋ホテル、公楽園に泊まる

1階はオートレストラン

部屋を出て、一階へ向かう。ここは地元の常連客に愛されるオートレストラン。食品を自動販売機で購入し、その場で食べられるのである。

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一階オートレストラン入り口

中に入ると、壁のあちこちに2~30年前の色褪せたポスターが貼ってあり、時代を遡り二十歳の頃に東京ディズニーランドのキャストの面接を受けに行ったことを思い出した。落ちたが。

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90年代から2000年代のダイドードリンコのポスターたち

またオートレストランだけでなく、これまたふた昔ほど前のアーケードゲームやクレーンゲームなどが並ぶコーナーも併設している。

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吊り下げ式の看板がいい

さて、23時近くなり小腹も空いてきた。自販機コーナーへ行こう。

行こうといっても、ゲームコーナーからせいぜい20歩くらいだが。

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カテゴリ別の吊り下げ式看板が親切な自販機コーナー

ズラッとならんだ自販機たち。その目の前に飲食用のテーブル席がある。

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味があるというか、味しかない

ホテルの名と、昭和60年5月11日と書かれた椅子。その汚れ具合から、この椅子が歩んできた歴史を感じる。

かつてこの席で、初任給の月給袋を開けた人や、プロポーズをした人もいたのだろう。いてほしい。

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愛あるスナックカップリーナ

さて、あらためて自販機を眺めてみよう。向って左にはカップ麺の自販機が二台。

しかし二台とも

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給湯システム故障中

お湯はテーブルの上のポットから注げということである。

では、愛あるスナック明星カップリーナのコイン投入口をみると…

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もはや自販機ではない

まさかの手売り。手売りのうえ、お湯はポットから注げという。

自販機ってなんだろうね、と言いたくなる。

機械で売るより、手売りのほうが愛がある。そういう意味での愛あるスナックなのかもしれない。

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レトロ自販機「トーストサンド」

そしてその隣には、ひときわ目立つレトロ自販機「トーストサンド」である。ハムサンドとチーズサンドの二種類があり、それぞれ300円。

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ハムとチーズの二種類あります

コインを投入して、ハムサンドを選択。

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「トースト中」ランプ点滅

この状態で1分ほど待つ。

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熱いので気をつけましょう

ガタンと音を立てて取り出し口に落ちてくるトーストサンドイッチ。

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焼けたトーストのいい匂い

取りだして匂いを嗅ぐと、焼きたてのパンの匂いにうっとりする。でもむちゃくちゃ熱い。

やけどに気を付けながら銀紙を剥がすとこんな感じ。

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どシンプル

パンがかちかちになることなく、柔らかく焼けているのが嬉しい。

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焼きたてはおいしい

機械と張り紙だらけの環境ゆえか、どシンプルなサンドイッチなれど、温かさを感じて美味しく感じる。

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なんとか食倶楽部

次はこちら。ホットスナック自販機の、張り紙でよく見えないがなんとか食倶楽部である。美食倶楽部か、夜食倶楽部とかその辺だろう。まさか餌食倶楽部ということはあるまい。

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新潟名物イタリアン

さて、何にしようかと見てみれば、カツ丼や、焼き飯、ピラフなどがあったが、ほとんど売り切れ。

やむを得ずというかたちで、新潟名物イタリアンという太麺の焼きそばにミートソースのかかったものを選択。

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冷凍のまま出てくる

温まった料理が出てくるものとばかり思っていたが、なんと冷凍のまま落ちてきたので驚いた。

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作り方を見ながら温める

よくみると、イタリアンの場合は出て来たものをいろいろやってレンジで温めろとのこと。

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結構複雑

ビニールを剥がして、麺だけまず温める。温まったら取り出してミートソースだけを温める。その間に麺をほぐして云々かんぬんと工程が多いうえ、結構複雑である。思っていたホットスナック自販機とだいぶ違う。

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できあがり

そして、ようやくできあがったイタリアンを食べる。

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B級

生粋の新潟人に話を聞くと、このイタリアンをたまに無性に食べたくなるそうである。

その理由は子供のころにこういうところへ遊びに来て、仲間とワイワイ言いながら食べたことが、思い出に刻まれているからなのかもしれない。

⏩ あとは部屋に戻って寝るだけ

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