まずはオリオン座を横から見てみる
近所の学校、というのは東京の開成学園のことだ。天文部の展示だった。部屋の中にオリオン座を立体的に配置してLEDで光らせ、地球や他の位置から眺められるようになっていた。
さすが開成!と思ったのを覚えている。写真もいろいろ撮ったのだけど、学校内のようすなので載せるのはやめておきます。
感動したので、自分でもやってみたいと思った。で、そういう仕組みをブラウザ上で作ってみました。
上にある「横から見る」ボタンを押してみてください。視点が動いてオリオン座の形が崩れだしたでしょうか。もう一度押すと止まります。「地球に戻る」を押すと最初の位置に戻ります。
あとは、ドラッグするとぐりぐり動きます。好きなように動かすとオリオン座の形がわかりやすいと思う。
オリオン座を横から見たら
オリオン座、横から見たらとんでもない形になっていたものと思う。ちょっとおさらいしてみよう。
オリオン座の形(簡易版)
オリオン座で一番明るい星は、右下のリゲルだ。左上にはベテルギウスが輝いている。この二つは聞いたことがあると思う。
右上のベラトリックスっていうのはなんだろう。この星も明るいけど、あんまり聞いたことないはずだ。実はこの星はそこまで明るくない。地球に近い分、明るく見えているだけなのだ。「だけ」とか言ったら失礼かもしれないけど。
斜めから見たオリオン座の形
斜めから見たオリオン座はもう形が崩れている。左下の緑色のは地球だ。こんな明るく緑色に輝いてるわけないんだけど、わかりやすいでしょう。なんにしろ、ベラトリックスが地球に一番近いのが分かる。
真横から見たオリオン座
完全に真横から見たオリオン座はこんな形だ。まったく違う形。これはこれで「サメの頭座」みたいな名前をつけてもいいかもしれない。左を向いた鼻が尖ってて目のところが赤いのだ。
このなかで一番遠い星はメイサというそうだ。ほんとうはベラトリックスより明るい星なんだけど、何倍も遠いから暗く見える。
「見える星は一等星から六等星まである 一等星はあのでかい星だ 六等星はほとんど見えないくらいかすかな星のことだ だがちっちゃな星に見えるけどあれは遠くにあるからだよ」
手塚治虫のブラックジャックの「六等星」という話の一節だけど、ほんとにそうだなあと思う。
カシオペヤ座を横から見る
こんどはカシオペヤ座を見てみよう。ぼくもたいして星に詳しいわけじゃないので、オリオン座とカシオペヤ座くらいしか知らないのだ。
同じように「横から見る」ボタンを押してみてください。
あっという間にWじゃなくなるし、それぞれの星の地球からの距離もぜんぜん違う。
横から見ると星が画面外に出ちゃってよく分からん、というときは右側の「ズーム許可」を押してください。その後マウスホイールをぐりぐりすると拡大縮小するので(スマホだとピンチインとアウト)、大きさを調節できます。
横から見たカシオペヤ座。ぜんぜんWじゃない。
いろいろ動かしてみるとわかるけど、カシオペヤ座がWに見えるのはぴったり地球から見た時だけ。それ以外ではぜんぜんWにならない。奇跡みたいなアングルなんだなと思う。
北斗七星を横から見る
北斗七星はおおぐま座の一部らしいのだけど、そんなふうに意識することってほとんどない。北斗七星だなあと思って見る。
北斗七星って頭の上の高いところにあるから、「横から見る」ボタンで回転させるとなにかオーロラを見上げてるみたいで気持ちいい。
逆に北斗七星から地球を見たところ
横から見ても逆からみても、北斗七星はだいたいひしゃくの形をしてる。いいなあ。北斗七星、好きだなあ。
織姫と彦星の位置関係
つづいて、こと座とわし座をいっぺんに見てみよう。
こと座のベガが織姫で、わし座のアルタイルが彦星、っていう話は何回も聞くんだけど、そのたびにふーんと思って忘れてしまう。二人の立体的な位置関係を確かめておきたい。
右上でひときわ青白く光ってるのがベガ、左下でひときわ白く光ってるのがアルタイルだ。二人のあいだには天の川があるというのだが、横から見るボタンを押すと二人のようすが大体分かる。
地球から見た二人
真横から見た二人
近いじゃん!
ベガもアルタイルもお互いすごい近いし、なにより地球に近い。むしろ、ベガとアルタイルと地球(というか太陽か)の三角関係を心配したほうがいい。
ぐりぐり動かしてみると、二人がほぼ結ばれるアングルがあることが分かる。地球から何光年も離れた場所だ。
ほぼ結ばれた二人。めでたい。
彦星と織姫が結ばれるためには、地球を脱出する必要があるようだ。
全天でやりたいんです
オリオン座を横から見るとぜんぜんオリオン座じゃなかった。すごく楽しい。
これ、あらゆる星を載せてやりたい。それで地球からシリウスまで飛んで行ってオリオン座の方向をみたい。
なんとかならんかね。