動画にしました
長い記事を読むのは面倒だと思いますので動画にまとめてみました。
終わりません
…いやいや、当サイトは読み物サイトである。1分たらずの動画1本で終えるわけにはいくまい。
次ページからは、機械のメイキングをお送りします。
バンドやろうぜ
まずは本体を支える肩掛けバンドから作りはじめよう。
二つ以上作る物がある場合(今回は本体とバンド部分)、自信がない方から作るようにしている。なぜなら、失敗しても早い時間なら店が開いてて材料を買い直せるからだ。
バンドと金具を買ってきた
個人的に、バンドやベルトに苦手意識がある。なんかこう、シュッササッ、とやってベルトの長さを調節する操作があるだろう。あれのやり方がよくわからないのだ。
通し方、あってますか?
それなのに、子供が生まれてから抱っこひもとかベビーカーの安全ベルトとか、こういうバンド類に接する機会が格段に増えた。子供にゆるゆるのベルトをさせていたら事故必至である。苦手なりに、やらなきゃいけない状況になった。
その経験が生きた!
意外にスムーズにできて拍子抜け。育児をすると子供を通してたくさんのことを学ぶときくが、自分の場合はバンドの締め方であった。そこなのか。
肩の上の物を安定して支えるため、もう1本輪っかを作って、両脇の下を通してへの字型で支えるようにした。
まだ本体がないためバナナケースを乗せていますが、本番ではここに機械が乗ります
計画的一石二鳥
今回、やるべきことは二つある。
「肩をトントンと叩く」「頬に指を刺す」の2点だ。
これ、一つのモーターでさ、両方できたら一石二鳥じゃない?
一石二鳥というと単なるラッキーみたいだが、一つの動力で二つ以上の結果を出すのは、メカ系工作を手作りのする場合のキモである。なぜなら動力まわりの回路が一つぶんで済んで楽だからだ。
そのためラッキーに頼らず、頭を使って一石二鳥に持って行かなければならない。
一石二鳥実験場を設置
下の箱が肩、上の黒い柱が顔だと思って見てほしい。顔のついた物を使ったせいでわかりにくくなったが、上の黄色い人形は頭に乗っかってる状態であると思ってほしい。
つまりこう
たとえばこういう金具を使うとどうか
一つの金具の向かって左側で肩を叩き、右側を頬に刺す
シンプルかつスムーズだ。ただ、振り回す金具が大きく重くなるので、モーターの負荷が大きそうだ。
そこで、もう一案考えた。こんな金具を使う。
○のところを固定しないでブラブラさせておく
肩を叩く動きはブラブラを糸で引っ張って実現。頬に刺す動きは同じ。
こうすれば、ブラブラ部分は糸で引っ張るだけなので、モーターの負荷が軽い。これでいこう!
自分が楽をし、部品にも楽をさせることがこの手の工作のコツである。無理をさせようとすると大抵うまく動かないか、動画を撮る前に壊れる。
ベルトができて、動きも決まって、ここまでで不安要素が解消された。あとは淡々と、作るだけ。
淡々と作る様子を淡々と紹介します
ブラブラを支える支柱を立てる
そのあと木で土台を作って
サーボモーター(好きな角度で止められるモーター)を設置
全体像が見えた
いい感じの動き
あとは電子部品を適当に組み立てます
サーボモーターに角度を伝えるためにこういうのが必要なんです
組み立てて、本体ができた
バンドに固定
はい、完成。
(記事上では20秒で読めたと思いますが、ここまで10時間くらいかかっています)
試着。ドヤ顔の説明図案として辞書に載せたい写真
遠隔操作できるようにスイッチをつけた。有線ですが2mくらいあるので離れた位置から操作できる。
次のページでは実際にこの機械を使ってみた様子を。そして実はこの機械がとても革新的なプロダクトであることが判明します。
実戦投入するまで
改めて、最初の動画を見ていただこう。
みなさますでにご明察のことと思うが、この機械、すごい弱点がある。
事前に装着してもらわなければいたずらを仕掛けられないのだ。
しかけられる側は事前にいたずらのことがわかってしまうわけで、いざやられてもなんの驚きもない。
実際、どういう過程を経ていたずらをしかけることになるか、順を追って見てみよう。
装着してもらうのは編集部の同僚、藤原さん。まずはこの機械がなんであるかということ、そして動作原理を充分に説明し、装着の同意を得る。
インフォームドコンセントである。医療の現場で行われているのと同じだ。
つぎに自分で着用してみせる。
こうすることで、人に重大な危害を加えるような、危険な機械でないことをアピール。相手の警戒心を解く。
着用の際は手取り足取り、しっかり補助します。
せっかく気を許してくれたのに、ここでモタついて相手の機嫌を損ねてしまっては元も子もない。丁寧かつ速やかに装着させること。
「動かすとこんな感じです。ほら、痛くないでしょ?ちゃんとスポンジ付いてるから」
機械の安全性については繰り返しアピール。緊張をほぐしてもらう。
ここまでやってようやく、いたずらをしかけることができる
大切なのはホスピタリティ。相手の気持ちになって、少しでも快適に、安心していたずらされていただこう、という配慮が重要なのだ。
決して相手を騙そうとか、引っかけてやろうとか、笑いものにしようとかそんな気持ちでいてはいけない。
それをわかった上でもう一度映像を見てみると、最後の藤原さんの顔も、不思議と満足げな表情に見えてはこないだろうか。
ほら
おもてなしとしての「いたずら」。このマシンはいたずらの概念をガラッと変えてしまう、ある意味エポックメイキングな装置かもしれない。
タイマーもある
今回は使用しなかったが、スイッチを押してから一定時間後に動作する、タイマー機能もつけた。
これを使えば、機械を装着してもらって3時間後、すっかり忘れた頃に肩をトントンと叩かれて、思わず振り向くと…。的な展開も期待できるかもしれない。
…いや、肩の上に乗ってる機械の存在感が強すぎて無理だな。
重いし、藤原さんは「死にかけのセミみたいな音がするんですけど」と言ってたし。(モーターの待機動作音)