特集 2013年2月27日

赤ベこをケルベロス風にする

タイトルと扉写真で9割方用事が済んじゃったけどな。
タイトルと扉写真で9割方用事が済んじゃったけどな。
先日、ある創作系イベントに出演した。そのときのテーマの一つが「合体○○」。そこでこういうものを作ったのだ。完全に名前先行です。
1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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この世はダジャレでできている

そのイベントとは、東京カルチャーカルチャーで行われた「おバカ創作研究所」。自分の他、2組の演者(主催のザリガニワークスさん、そして現代美術二等兵さん)と、ゲストの演者(今回はデハラユキノリさん)とで、出されたお題に従ってそれぞれモノを作ったり考えたりするという、ゆかいなイベントである。

テーマは他に「アダルトグッズ」もあったがそちらは割愛するとして、今回の記事は「合体○○」。さあ、何を合体させよう。何と合体させようか。いざ考えるとなると悩みまくりである。
ところでこの神話上の犬をご存知ですね。
ところでこの神話上の犬をご存知ですね。
へたな絵で恐縮だがこれは「ケルベロス」である。ギリシア神話に出てくる、3つの頭を持つ冥界の番犬だ。怖いねー。

合体といえば5体合体、6体、15体などいろいろあるがまっさきに浮かんだのは3体合体だった。ゲッターロボしかり、ゴーショーグンのトライスリーしかり、アルベガスしかり。古いねー。

まあ5体より3体のほうが簡単そうだし、ということもあって、とにかく「3」という数字から浮かんだのが、上の冥界の番犬というわけだ。
やがて東北から届いた小荷物。
やがて東北から届いた小荷物。
前置きが長くて恐縮だがあと一歩で終わるのでお許しねがいたい。

ケルベロス、ケルベロス、ケル・ベコ・ス?

ケルベコス!

というわけで「ケル“ベコ”ス」を作ろうと思い立ったのだ!
小サイズを3つ注文。丁寧な梱包が心に刺さる。
小サイズを3つ注文。丁寧な梱包が心に刺さる。
「オカアサーン」「オカアサーン」「オカアサーン」。刷り込みしたように懐かれて心が痛い。
「オカアサーン」「オカアサーン」「オカアサーン」。刷り込みしたように懐かれて心が痛い。
赤べこである。言わずと知れた、福島の民芸品。きょとんとした表情で首をゆらゆらと振る様がなんともかわいらしい。

大きめの赤ベコはすでに持っている。その図体に3つ首を付けて「ケルベコス」にするため、もっと小さめの赤べこを買ったのだ。

それでは各自、思い出の合体シーンのBGMでご覧ください。
1号スタンバイオーケー、2号オーケー、3号オーケー、的な。
1号スタンバイオーケー、2号オーケー、3号オーケー、的な。
ジャッジャーン、ビシューゥッ。
ジャッジャーン、ビシューゥッ。
ジャキーン。
ジャキーン。
シュルルルルーッ。
シュルルルルーッ。
シュビューン!
シュビューン!
ピキィィーン!ケルベコス!!!
ピキィィーン!ケルベコス!!!
寸劇はこれくらいにしておこう。さてケルベコス開発の様子は、だいたい次のような感じでした。

番牛(バンギュー)ケルベコス誕生秘話

まずは当然、首と胴体を切り離さねばならない。前頁の勇姿はこの悲痛な工程を経てのものなのだ。
すごく驚いたあと、みたいな。
すごく驚いたあと、みたいな。
まずは親(大きいの)の首周りを思い切って広げる。
まずは親(大きいの)の首周りを思い切って広げる。
鋭利なカッターで切開はできたが、紙でできているとは思えないほど硬い素材だ。内部も、見れば見るほどきれいに仕上げられ、継ぎ目も見当たらない。改造しちゃって大変申し訳ない気持ちだ。

それにしても、うーん、だいぶ切開しないと3頭が収まらない。できあがりもそれぞれの首が動くようにしたいので、若干余裕も必要だ。ど、どんな体になってしまうのだろうか。冥界の番“牛”どころでない、異形のものになりはしないか。
どうやって吊るす?の試行錯誤のあと。
どうやって吊るす?の試行錯誤のあと。
それに、首をとってみてわかったが、首の奥のほうが意外と長めだったり、後部に鉄のおもりをつけるなど、ゆらゆらと具合良くゆれるための工夫が随所にこらされている。非常に勉強になります。
ピンボケだが、これが鉄のおもり。3つの頭がぎゅうぎゅうになってしまうので、ガワを切り取ってむき出しにしたところ。
ピンボケだが、これが鉄のおもり。3つの頭がぎゅうぎゅうになってしまうので、ガワを切り取ってむき出しにしたところ。
仮止め状態。不安だ…。
仮止め状態。不安だ…。
これじゃラッパだ。べこラッパ、それはそれで良い響きだが、本番はもうちょっと先をすぼませよう。

さてこの仮止めを元に、新聞紙をヤマトのりで湿らして、おなじみ張り子形式で体を作り変えていこう。
中骨とか支えのないまま、恐る恐る継ぎ足しスタート。
中骨とか支えのないまま、恐る恐る継ぎ足しスタート。
ひんぱんに乾かすことで強度を増させる。
ひんぱんに乾かすことで強度を増させる。
壁パテ、アクリル絵の具などで下地塗り。
壁パテ、アクリル絵の具などで下地塗り。
本来の赤べこの赤が出るか不安だったが、アクリル絵の具の「パーマネントスカーレット」色がぴったりで安堵。
本来の赤べこの赤が出るか不安だったが、アクリル絵の具の「パーマネントスカーレット」色がぴったりで安堵。
その上につや出しメディウムで駄目押し!なじんだ!
その上につや出しメディウムで駄目押し!なじんだ!
ちょっとムキムキになりました。
ちょっとムキムキになりました。
ここに、ケルベコスは誕生したのです(来宮良子さんあたりの声で)。

改造部分が思った以上になじみ、3頭が仲良く首をゆらゆらさせる様子がなんともゆかいで微笑ましい。って首3つに増やしといてそんな言い草もないもんだが、なぜか首3つ、というのはユーモラスに思える。

原典のケルベロスも「3つの頭が交代で眠る」とか想像するだにユーモラスだし。2頭が喧嘩しても3頭目が「まあ、まあ」となだめるイメージ。レッツゴー3匹か。

合体○○は、3体の赤べこによる変形合体となりました。

【告知】

3月9日(土)昼、東京カルチャーカルチャーであの「小田原・かまぼこの鈴廣」さんのイベントにちょろっと参加させていただきます。

超特選!かまぼこ酒場 贅沢昼呑み編 ~超高級かまぼこ味比べ&特選シーセージで乾杯っ♪~

私のお役目は「かまぼこ板に何か彫ってスタンプにして来場者に自由に押してもらう」というところです。ふだん消しゴム彫ってるのに板が彫れるかちょっと不安ではありますが、高級かまぼこと箱根ビールいただけるのでがんばります。
よろしくお願いいたします。
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