特集 2012年3月15日

アルフォートをカスタマイズしたい

俺たち、甘いけど甘くないぜ!
俺たち、甘いけど甘くないぜ!
みんな大好きアルフォート。どこのスーパー・コンビニに行っても必ずお目にかかれる、あの独特の外観はすっかりお馴染みのものだろう。

独特な外観とは、もちろんあの「船の絵」のことである。初めて見たときは「なぜ船の絵なんだろう」と思わないでもなかったが、慣れ親しむにつれ「船しかないだろうこれは」という気持ちになってきた気がする。

では、船ならなんでもいいのではないか。
1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:偏光板でパンダをサイケデリックに変化させた

> 個人サイト 妄想工作所

あなたの好きな船は何ですか

「慣れ親しむ」と書いたが、しょっちゅうアルフォートを食べているわけではない。たまにふと買ってみるだけ、という怠けファンである。よって急遽、近所のコンビニでアルフォートを仕入れてきた。
あともう1種類あった。お菓子のバリエーションって、増えると楽しいよね。
あともう1種類あった。お菓子のバリエーションって、増えると楽しいよね。
当然みなさんがアルフォートを知ってるもんだと思って書いてきてしまった。くだんの船の絵というのは、こちらです。
帆船の浮き彫りが施してある。優雅なたたずまい。
帆船の浮き彫りが施してある。優雅なたたずまい。
ブルボンのショッピングサイトの説明にも「アルフォートやルマンドでおなじみの」という枕詞があるくらい、このお菓子はブルボンの代表作なわけである。

チョコと小麦全粒粉のビスケットを同時に味わうと、びっくりするほど美味しい!というわけではないのだが、やさしく親しみある甘みが口に広がる。このちょうどいいサイズと相まって、ついついあと1つ…と後をひいてしまう。
アルフォートの実寸を計る日が来るとは。
アルフォートの実寸を計る日が来るとは。
食べてばかりもいられません。これから、気の遠くなるような作業に入らねばならない。この大きさの土台を作り、好きな船の絵をレリーフとして収めるわけだ。

ところでアルフォートには定番の大きさのものと、今回買った「ミニ」とがあるのだが、すっかりミニのことしか頭になかった。これはまずった。定番のほうを思い出していればもうちっと楽だったのに・・・!あとの祭りである。
ベニヤ板をサイズどおりに切断。
ベニヤ板をサイズどおりに切断。
端っこから約1.5mmのところに線をひく。
端っこから約1.5mmのところに線をひく。
その線まで斜めに削って、板の断面を台形に。
その線まで斜めに削って、板の断面を台形に。
こうなる。
こうなる。
土台に縁取りをするのはまた後で。はー、ここまでたいぶ時間がかかってしまった。木の加工は、「物作ってる感」がすごくあって楽しいけど、手作業でやるのはやっぱり大変だ。

次は土台に下絵を描くのだが、絵心もないしパパッとすませたいので写真をトレースすることにしよう。でも地味にここで悩む。どうやって木に絵を移すか?
挙句の答えがこれだ、人力カーボン紙。絵の裏に鉛筆粉をなすりつけよう!
挙句の答えがこれだ、人力カーボン紙。絵の裏に鉛筆粉をなすりつけよう!
表から、鉄筆代わりのシャーペンでだいたいの線をなぞる。
表から、鉄筆代わりのシャーペンでだいたいの線をなぞる。
ナイスアイデア!しかしこのときはまだ、この作業がほとんど不要なものだったと気づく由もなかったのである。

レイヤーのパズル

土台はできた。その上に石粉粘土でレリーフを重ねていく。

でもここで、またも地味な問題にぶちあたる。重ね順によっては、下絵の大部分を最初から隠してしまうことになるので、以降をガイドもなしにどう形作っていけばいいのだろうか。この説明でおわかりになるだろうか。
背景の海のほうを先に(下に)置かないといけないんだった。やりなおし。
背景の海のほうを先に(下に)置かないといけないんだった。やりなおし。
透明なシートを原画にかぶせ、油性マーカーで両面に絵を移す。
透明なシートを原画にかぶせ、油性マーカーで両面に絵を移す。
1層目の粘土を敷いたら絵をかぶせ、上からなぞれば絵が下に移って解決。
1層目の粘土を敷いたら絵をかぶせ、上からなぞれば絵が下に移って解決。
ほらね。木の土台に下絵を描かなくてよかったんや。

しかしレリーフというものは、考えていたより難しい。立体なんだけど、平面に整えないといけない。平面なんだけど、どこが出っ張ってどこがへこんでて、という整合性を間違うとどうにもおかしいものになってしまう。重ね順(レイヤー)を考慮して、どこが一番奥か、手前かをうろうろと探さなくてはならないのだ。
約3cm×2cmの上で仕事は続く。
約3cm×2cmの上で仕事は続く。
仕上げにうすめ液を塗って、角をやわらかく。
仕上げにうすめ液を塗って、角をやわらかく。
トースターで焼いて粘土を固める。
トースターで焼いて粘土を固める。
ふちの部分はプラ棒の細いやつで囲おうと思っていたので、トースターに入れる前にそれをやってしまうとプラ棒は溶けてしまう。取り出してから、1.5mmのプラ棒を縦半分に削ったものを接着していく。
かまぼこ状にするために削る。なんだか徒労に近いものを感じるが、気のせいだろう。必要な作業だ!
かまぼこ状にするために削る。なんだか徒労に近いものを感じるが、気のせいだろう。必要な作業だ!
学校用ボンドで接着。学校用て。
学校用ボンドで接着。学校用て。
上から、マグロ漁船・潜水艦・南極観測船。写真がブレてて申し訳ない。
上から、マグロ漁船・潜水艦・南極観測船。写真がブレてて申し訳ない。
上記3つのラインナップを揃えてみた。ぜひともアルフォートデビューさせてみたかった、男のロマンとも言うべき船たち。

本当は軍艦をやりたかったが、あの複雑な機構をイメージするにつけ絶対無理と悟ったので、一気に難易度の低い潜水艦を採用させていただいた。ひきがえるは行く手の大きな岩をどかさず、ただ避けて通る。
離型剤がわりのヴァセリン塗って。
離型剤がわりのヴァセリン塗って。
シリコーンで型とって。
シリコーンで型とって。
電源タップ、ではなくて、型のできあがり。
電源タップ、ではなくて、型のできあがり。
型は白く光を反射し、この時点では果たしてよくできているのかどうか、見た目ではよくわからない。型は流し込んでからが本番である。今、眠気のせいか、自分でも何言ってるかわからない。

渋きアルフォート軍団

や、やっと型、できた・・・軽く徹夜である。

さあとっととチョコ溶かして流し込もう。この時期にチョコを湯せんで溶かしているとどうしてもバレンタインのことなど頭に浮かぶが、だからどうだというのか。
分量はほんの少しでいいはず。
分量はほんの少しでいいはず。
アルフォートからチョコを外して、ビスケットをまるまる拝借した。こうして、男たちのアルフォートが完成したのだった。
今回は全部横位置の構図だった。
今回は全部横位置の構図だった。
まずはマグロ漁船。公私ともに何かとお世話になっております。
!
マグロ漁船のアルフォート。ぜひ漁の合間のお茶請けに、漬物か何かと一緒に出して欲しい。
マグロ漁船のアルフォート。ぜひ漁の合間のお茶請けに、漬物か何かと一緒に出して欲しい。
次は潜水艦アルフォート号だ。簡単な形のはずだがけっこう難しい。ごつごつだ。

そして画面がほぼ海中である。
多少息苦しいアルフォート。
多少息苦しいアルフォート。
最後は南極観測船。これをホワイトチョコで、氷を割りながら進む絵を表現したかったのだが・・・
そう言われないとなんだかわかんない絵に。
そう言われないとなんだかわかんない絵に。
自分は彫刻は苦手なのだが、まあ今回はレリーフだし、小さいものだしなんとかなるだろうと思っていた。が、あんまりなんとかならなかったようだ。

でも小さい画面にぎゅっと世界を凝縮するかのような製作は、けっこう楽しかった。

【告知】

いよいよ今週末日曜、これに出ます。

***

ザリガニワークス
presents おバカ創作研究所 Vol.1
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_120210203848_1.htm
2012 03 18 [Sun]
Open 18:00 Start 18:30 End 21:00 (予定) 

好き勝手なモノ作りで知られるおバカなクリエイター三組が夢の共演!
日頃の活動報告会や商品即売会、
さらにメーカー企画担当必見の共通テーマによるバカグッズプレゼン大会など、
バカにできない内容です。

【出演者】
・ザリガニワークス
・現代美術二等兵
・乙幡啓子

【告知・2】

京都で展示とワークショップします。
展示はすでに始まりました!

***

展示「春の"妄想工作"展
[開催日]
2012年3月10日 (土)~4月1日(日)※会期中無休
[時間]11:00~20:00
[場所]kara-Sショップスペース
[入場] 無料
ワークショップは最終土日の3月31日・4月1日です。サイトにもありますホッケのペイント例(自作)は、我ながらびっくりな出来です。
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