未知なる半額フードを求めて
仕事の都合で、おなかが空いているのに夕食が遅くなってしまうことがある。それは少々つらいことではあるが、逆にその状況を生かせるのが閉店間際のスーパー。遅い時間だからこそ、強力な値引きが期待できるからだ。
値引きシールの冒険者気どり
この日も帰りが遅くなって、閉店間際のスーパーにやってきた。おなかはペコペコだが、高まる期待感はこの時間ならでは。
もちろん、半額といった安値で買えることは純粋にうれしい。それに加えて楽しさを感じるのは、通常は値引き交渉をする余地のないスーパーで、無言ながらに店員さんや他の客との駆け引きを楽しめるからではないか。
もちろん、半額といった安値で買えることは純粋にうれしい。それに加えて楽しさを感じるのは、通常は値引き交渉をする余地のないスーパーで、無言ながらに店員さんや他の客との駆け引きを楽しめるからではないか。
なかなかの好成績
このボリュームで577円はすごい
この日の収穫はマグロ・カツオ・ブリといった刺身。家に帰って皿に盛り付けて食べる。かなりのボリュームがあるが、値段はどれも半額だったこともあって600円に行かないほど。
さすがに半額シールの威力はすごい。この興奮を、普段は行かないような店でも味わえるのかどうか試してみたい。
そういうわけで、自分にルールを課して別の日に取り組んでみることにした。
【ルール】
・スーパーではなく、普段は行かない店に絞る。
・買ってよいものは、半額以下の値引き品に限定。
・この条件で買えたものしかその日の夕食にできない。
ということにしてみた。特に3番目のルールは厳しく、これがあるからこそ探すことにも真剣味が出てくる。さあ、時刻はある日の夜7時前。半額食品ハンティングに出発だ。
さすがに半額シールの威力はすごい。この興奮を、普段は行かないような店でも味わえるのかどうか試してみたい。
そういうわけで、自分にルールを課して別の日に取り組んでみることにした。
【ルール】
・スーパーではなく、普段は行かない店に絞る。
・買ってよいものは、半額以下の値引き品に限定。
・この条件で買えたものしかその日の夕食にできない。
ということにしてみた。特に3番目のルールは厳しく、これがあるからこそ探すことにも真剣味が出てくる。さあ、時刻はある日の夜7時前。半額食品ハンティングに出発だ。
戦いの舞台は日本橋
まずやってきたのは、東京・日本橋にある三越本店。普段はあまり来ることがない老舗デパート、閉店近くなっての状況はどんな感じだろうか。
かなりの量があるのだが…
今回のルールに達しない
閉店は8時なので、営業時間はあと1時間ほど。まだまだたくさんの惣菜や食材があるが、大きく値引きしているものは目につかない。
中華料理のお弁当の店では、やっと200円引きの表示を発見。元の値段がそれなりにするので、これでは半額以下の条件を満たせない。
どれもおいしそうな分、つらい気持ちにもなる。やはり半額ルールは厳しいか。
中華料理のお弁当の店では、やっと200円引きの表示を発見。元の値段がそれなりにするので、これでは半額以下の条件を満たせない。
どれもおいしそうな分、つらい気持ちにもなる。やはり半額ルールは厳しいか。
たくさん並んだマグロの冊にはシールなし
その横で発見!
続いては鮮魚コーナーを回ってみる。スーパーでの半額ハントの経験からすると、ここは最も熱いゾーンだ。
期待して行くも、まだ豊富にあるマグロの冊は全て定価。やはりデパートは強気か…と肩を落としかけたのだが、その隣にシールの貼ってあるパックを発見。
「生本まぐろ 皮ぎし(さしみ用)」とある。1020円の正札のところ、500円。半額以下ではないか。「皮ぎし」というのが自分にとっては謎だったが、ここは一品ハントに成功だ。
期待して行くも、まだ豊富にあるマグロの冊は全て定価。やはりデパートは強気か…と肩を落としかけたのだが、その隣にシールの貼ってあるパックを発見。
「生本まぐろ 皮ぎし(さしみ用)」とある。1020円の正札のところ、500円。半額以下ではないか。「皮ぎし」というのが自分にとっては謎だったが、ここは一品ハントに成功だ。
箸でつまむとバラの花のようにも見える
実際に食べてみよう。…これはおいしい。中トロかと思うくらいに脂が乗っている。さすがに元は100gで1000円もする味だ。
帰ってきてから「皮ぎし」について調べてみたところ、マグロの皮に近い部分の肉をこそげとったものであるとのこと。ネットで検索した中には「マグロで一番うまいのは皮ぎし」としている人もいたくらいにおいしい部位だった。
それでも定価なら手が伸びなかったはず。半額ゆえに出会えた初めての味だ。
帰ってきてから「皮ぎし」について調べてみたところ、マグロの皮に近い部分の肉をこそげとったものであるとのこと。ネットで検索した中には「マグロで一番うまいのは皮ぎし」としている人もいたくらいにおいしい部位だった。
それでも定価なら手が伸びなかったはず。半額ゆえに出会えた初めての味だ。
まだまだ腹が減ってる
人だかりを発見
早足で歩き、続いてやってきたのは同じく日本橋にある高島屋。時刻は7時半前。今回はやってることの性質上、時間がかなり限られているのだ。
こちらではお惣菜コーナーで人だかりを発見。これは熱い戦いが期待できるか。
こちらではお惣菜コーナーで人だかりを発見。これは熱い戦いが期待できるか。
200円引き止まり…
エントランスの天使も恨めしく見える
興奮気味に近寄っていったが、見えてきたのは「ただ今よりお弁当本体価格から200円引き」との表示。結構な値引きだとは思うが、今回のルールには満たない。
さっきのマグロはおいしかったけれど、量的にはまだ全然足りていないのだ。次を急がねば。
さっきのマグロはおいしかったけれど、量的にはまだ全然足りていないのだ。次を急がねば。
ラスボスのいる城にも見える
早足から軽い駆け足になってやってきたのは、東京駅の大丸。この日の営業時間は8時まで。他のデパート系も同じ閉店時刻なので、最終バトルとなるはずの場所だ。
出ました3割引
あちらこちらでこの表示
時刻は訪れてすぐ目に入ったのは、「お弁当3割引」の紙を掲げた店員さんの姿。なかなか熱いではないか。普通にこの割引率と出会えば、かなりうれしい気持ちになるだろう。
しかし今回は半額以下がルール。もう少し時間が経てば、閉店ギリギリで半額にしてくるだろうか。この沈黙の駆け引きが半額ハントの面白さだ。
しかし今回は半額以下がルール。もう少し時間が経てば、閉店ギリギリで半額にしてくるだろうか。この沈黙の駆け引きが半額ハントの面白さだ。
狙っていた寿司にシール発見
しかし30%引き止まり…
その日売り切りの生鮮惣菜での狙い目は、好物の寿司。売り場でも値引きシールがあるものを見つけたが、よく見ると30%引きのもの。
この他にも多くの惣菜系の店で3割引のサービスが展開。どれもおいしそうなものばかりで、普通ならうれしい割引率もルールの都合で悔しいばかりだ。
この他にも多くの惣菜系の店で3割引のサービスが展開。どれもおいしそうなものばかりで、普通ならうれしい割引率もルールの都合で悔しいばかりだ。
ルール変更を検討中
この際、もう3割引でもオッケーなルールにしてしまおうか。だってそれでも十分お買い得じゃん。腹が減っているゆえに、つい弱気になる。
おお、あったぞ!
テンションゆえにうまそうさ倍増
それでもなんとか粘ると、寿司の小パックに半額シールを発見。何かが爆発しているようなそのデザインは、その時の自分の心が投影されているようにも思える。
ネタ部分の色味からもわかるように、程良く脂が乗っていておいしい。お米を食べられたというのもうれしい。
ネタ部分の色味からもわかるように、程良く脂が乗っていておいしい。お米を食べられたというのもうれしい。
タイムアップが迫る
ギリギリでさらなる一品を捕獲
ササッと寿司を食べて再び店内を見てみる。閉店時刻まであと3分、売り場を見ると先程までなかったワゴンが出ていて、店員さんが「ライスロール半額でーす!」と叫んでいる。
来た!と思って早速購入。ライスロールがよくわからないままだったが、ハントのためには商品選択にはあまりこだわらず行こう。399円が200円なので、正確には約49.87%引きだが、ここは勘弁していただきたい。
来た!と思って早速購入。ライスロールがよくわからないままだったが、ハントのためには商品選択にはあまりこだわらず行こう。399円が200円なので、正確には約49.87%引きだが、ここは勘弁していただきたい。
これもうまかった
その正体は、酢飯ではない巻き寿司、とでも言えばよいだろうか。海苔と玄米とで通常の巻き寿司とは裏向きにビビンバの具を巻いている。食べてみる。今書いた説明通りの味だ。つまりはうまい。
こちらも半額でなければ食べなかったもの。こういうところが半額ハントの面白さだ。
こちらも半額でなければ食べなかったもの。こういうところが半額ハントの面白さだ。
マグロ・握り寿司・ライスロールと食べたことで、おなかはそこそこ満たされた。あとはデザートがあれば完璧だが、これについては事前情報を掴んでいる店がある。今回の探索のエクストラショップとして訪れたい。
通常であれば黙って通り過ぎる場所
やってきたのは六本木にある東京ミッドタウン。普通ならキラキラ感がまぶしくてスルーするスポットだ。
こちらがボーナスステージ
敷居高いですわ
目的としたのは、「ザ・リッツ・カールトン カフェ&デリ」というお店。その名の通り、高級ホテルに付設するカフェ。
あれだ、コーヒーもケーキも、普段行くような店と比べると倍以上の値段がするような予感の店だ。しかしここ、実は夜7時を過ぎるとパンとケーキが半額になるサービスを行っているのだ。
あれだ、コーヒーもケーキも、普段行くような店と比べると倍以上の値段がするような予感の店だ。しかしここ、実は夜7時を過ぎるとパンとケーキが半額になるサービスを行っているのだ。
200円代後半の調理パン
ケーキも少ないながらまだあった
定価で言うと、例えばカレーパンは一つ280円、ケーキは700円とさすがに高級ホテルらしいお値段。しかし時刻はもちろん7時過ぎ、こちらの価格から半額になるというからうれしい。
さらに、持ち帰りだけでなく店内で食べる場合も半額とのこと。せっかくなので今回はお店で食べていくことにしよう。
さらに、持ち帰りだけでなく店内で食べる場合も半額とのこと。せっかくなので今回はお店で食べていくことにしよう。
落ち着いた雰囲気の店内
テーブルにはキャンドルでムーディー
パン食べるだけでこのセッティング
目つきも自然と変になる
店員さんは話し方も表情もしっとりしていて、やっぱりそういうホテルに来たんだなー、と感じさせる接客。わざわざ半額を狙って訪れたことを恐縮したくもなるくらいだ。
営業時間は10時までなので、慌てて訪れる必要もない。なかなかの穴場なのではないだろうか。
選んでみたのはブリオッシュ。ナイフやフォークがセットされて運ばれてきて、なんだか気持ちはアップアップ。
営業時間は10時までなので、慌てて訪れる必要もない。なかなかの穴場なのではないだろうか。
選んでみたのはブリオッシュ。ナイフやフォークがセットされて運ばれてきて、なんだか気持ちはアップアップ。
ケーキもとてもきれい
確かにケーキとパンの分が半額になっている
この雰囲気で本当に半額になるのか心配になるが、レシートを見るとしっかりパンとケーキについては値引きがされている。紅茶が350円、ミネラルウォーターは300円と、こちらも予想していたより手頃な価格。
狐につままれたくらいの気持ちになるこの状況。ゆったりとくつろいでいい店のはずだが、ついパクパクとハイペースでパンやケーキを食べてしまった。
狐につままれたくらいの気持ちになるこの状況。ゆったりとくつろいでいい店のはずだが、ついパクパクとハイペースでパンやケーキを食べてしまった。
ミネラルウォーターもかっこいい
意外な出会いが楽しい、閉店間際の半額食べ物ハント。自分の中にある、価格というリミッターが外れるように感じられるのが面白い。ちょっとした宝探しのようでもあって、探検気分を味わえました。