謎、深まる
まったくのランダムに貼った場合でも、それっぽい模様には見えることは分かった。なので本当にそういうふうに貼られた歩道もあるだろう。その対極には、完全にパターンになっている貼り方もある。その2つは分かった。
しかし世の中にはどちらとも判断がつかない中間みたいなものもあるようだ。現場で作業する人の意図や趣味みたいなのが入り込んだりもするんだろうか。聞いてみたい。
ランダムっぽいパターンのタイルやブロックって、どうやって貼っているのかなーと気になっていた。
設計図はあるのか。ないとしたら現場の裁量でランダムに貼っているのか。自分でも仮想的に貼ってみて調べることにした。
こういう模様のパターンってあると思うんです。
例えば歩道で、いろんな色のブロックがランダムっぽく貼られてるやつ。
壁のタイルにも何種類かの色が混ざってるものがある。こういうのってどうやって貼ってるかなーというのが以前から気になっていた。
まず、模様の設計図はあるんだろうか。でも見る限り決まったパターンはなさそうだし、設計図があるようには見えない。とすると、現場で作業する人の裁量で貼ってるんだろうか。
もしそうだとしても、現場に運ばれるそれぞれの色のタイルの枚数は決まっているだろう。であれば、例えば赤ばっかり最初に貼っちゃって途中でなくなるみたいなことがないように、最初からランダムに色を選ぶんじゃないだろうか。
まとめると、仮説は次のとおり。
これは本当だろうか。それを検証するために、この仮説どおりに街のタイルを仮想的に張り替えてみたらどうなるかやってみよう、というのが今回の趣旨です。
まずは最初の歩道の模様で、それぞれのブロックの色を数えてみることにする。
手前から一段ずつ、赤、灰、白のブロックの数を数えて、累積での色の割合をグラフにしてみた。
数えてみると、赤が約30%、灰35%、白35%だった。赤がわずかに少ない。累積での割合はぶれることなく、数えるほどに収束していくように見えるので、この差は偶然じゃなく意図したものなんだろう。
三色とも同じ割合だろうと予想していたので、これはちょっとびっくりした。赤の割合をちょっと減らす、ということがこの歩道での設計の1つなのかもしれない。
そこで、赤30%、灰35%、白35%の割合で、完全にランダムにタイルを並べてみたらどうなるか、というのを試してみることにする。
しかしサイコロを何百回も振るのは大変なのでプログラムを書いた。
そして実際に並べてみたらこうなった。
どうだろう。なんかありそうな模様じゃないだろうか。せっかくなので、これを歩道に敷いてみたらどうなるかも見てみたい。
なので、元の歩道に合わせて、作ったブロックの画像にパースをつける。
そして元の歩道に重ねてみた。なかなかそれっぽいんじゃないだろうか。
こんな模様の歩道ありそうだ。
元の歩道と比べてみる。作りもの感はあるけど、模様だけで言えば違和感はない。
やっぱり現場の職人さんの裁量でランダムに貼ってるんじゃないかなあ、という気がしてくる。
ブロックが自由に貼れるようになったので、こんどは色の比率を変えたらどうなるかを試してみたい。
たとえば白を多くしてみよう。
白を6割にしてみた。少し白っぽくなったけど普通にありそうだ。ちょっと錦鯉っぽい?
さらに白を増やして9割。ほとんど白だ。もとに比べると変だけど、こんな歩道もある気はする。
赤を6割にしてみた。ずいぶん真っ赤だ。まあでもこれもありそう。
余談だけど、完全にランダムに色を選んだにもかかわらず、全体として見ると作為的な色の塊がところどころにあるように見える。でもそれはどうやらそういうもののようだ。
というわけで、単にランダムに並べただけでもそれっぽく見えるということは分かった。
ただし、それはすべての歩道や壁の模様がそう作られてるということを意味しない。なんかよく分からない中間みたいのがあるのだ。実際の例を見てみよう。
まずはパターンであることが明らかな例から。この模様にはぜったい設計図がある。現場の裁量で決まってる感はゼロである。
こちらはどうか。ずいぶん色が淡いけど、色の選び方はたぶんランダムだろう。明らかなパターンは見えない。
さてこれが問題だ。
まず少なくとも設計図はなさそうに見える。全体が繰り返しのパターンになっているわけでもない。でも、なんとなく貼り方に意図が見えるのだ。
斜めの線で書いた、赤いタイルが一つ空いて並行するっていうパターンがいくつかの箇所で見られる。それに、一番上のほうでは赤と橙が9回繰り返している。偶然ではなさそうな気がする。
なのでここではこんな感じなのではないか。
・設計図はない
・なんとなくこう貼りたいという意図がある
・でもおおむねランダム
これもだ。こういうのも判断が難しい。完全なランダムではないものの、なんとなーくパターンがあるように見えるのだ。
決まったパターンはなく、しかしなんとなくのパターンはある。そんな感じに見える。これはほんとにどうやって貼ったんだろうか。教えてほしい…。
まったくのランダムに貼った場合でも、それっぽい模様には見えることは分かった。なので本当にそういうふうに貼られた歩道もあるだろう。その対極には、完全にパターンになっている貼り方もある。その2つは分かった。
しかし世の中にはどちらとも判断がつかない中間みたいなものもあるようだ。現場で作業する人の意図や趣味みたいなのが入り込んだりもするんだろうか。聞いてみたい。
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