特集 2019年10月24日

タイルのパターンってどうなってるの?

ランダムっぽいパターンのタイルやブロックって、どうやって貼っているのかなーと気になっていた。

設計図はあるのか。ないとしたら現場の裁量でランダムに貼っているのか。自分でも仮想的に貼ってみて調べることにした。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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タイルのパターンが気になる

こういう模様のパターンってあると思うんです。

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歩道のブロックのパターン

例えば歩道で、いろんな色のブロックがランダムっぽく貼られてるやつ。

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家の壁のタイルにもある

壁のタイルにも何種類かの色が混ざってるものがある。こういうのってどうやって貼ってるかなーというのが以前から気になっていた。

まず、模様の設計図はあるんだろうか。でも見る限り決まったパターンはなさそうだし、設計図があるようには見えない。とすると、現場で作業する人の裁量で貼ってるんだろうか。

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こういうのとかも

もしそうだとしても、現場に運ばれるそれぞれの色のタイルの枚数は決まっているだろう。であれば、例えば赤ばっかり最初に貼っちゃって途中でなくなるみたいなことがないように、最初からランダムに色を選ぶんじゃないだろうか。

まとめると、仮説は次のとおり。

1.模様の設計図はない
2.それぞれの色のタイルの枚数は決まっている
3.色が偏らないように、現場の裁量でランダムに貼っていく

これは本当だろうか。それを検証するために、この仮説どおりに街のタイルを仮想的に張り替えてみたらどうなるかやってみよう、というのが今回の趣旨です。

 

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数を数えてみる

まずは最初の歩道の模様で、それぞれのブロックの色を数えてみることにする。

moto-hodo.jpg
一つずつ色を数えます

手前から一段ずつ、赤、灰、白のブロックの数を数えて、累積での色の割合をグラフにしてみた。

graph.png
青い線が赤の割合です(分かりにくくてごめん)

数えてみると、赤が約30%、灰35%、白35%だった。赤がわずかに少ない。累積での割合はぶれることなく、数えるほどに収束していくように見えるので、この差は偶然じゃなく意図したものなんだろう。

三色とも同じ割合だろうと予想していたので、これはちょっとびっくりした。赤の割合をちょっと減らす、ということがこの歩道での設計の1つなのかもしれない。

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タイルを並べてみる

そこで、赤30%、灰35%、白35%の割合で、完全にランダムにタイルを並べてみたらどうなるか、というのを試してみることにする。

しかしサイコロを何百回も振るのは大変なのでプログラムを書いた。

program.png
なんらかのプログラム

そして実際に並べてみたらこうなった。

pattern0-sample.png

どうだろう。なんかありそうな模様じゃないだろうか。せっかくなので、これを歩道に敷いてみたらどうなるかも見てみたい。

pers0.png
まずはパースをつける

なので、元の歩道に合わせて、作ったブロックの画像にパースをつける。

kekka0.jpg
そして重ねる

そして元の歩道に重ねてみた。なかなかそれっぽいんじゃないだろうか。

こんな模様の歩道ありそうだ。

anime.gif
元の歩道との比較

元の歩道と比べてみる。作りもの感はあるけど、模様だけで言えば違和感はない。

やっぱり現場の職人さんの裁量でランダムに貼ってるんじゃないかなあ、という気がしてくる。

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色の比率を変えてみる

ブロックが自由に貼れるようになったので、こんどは色の比率を変えたらどうなるかを試してみたい。

たとえば白を多くしてみよう。

kekka1.jpg
赤20%、灰20%、白60%

白を6割にしてみた。少し白っぽくなったけど普通にありそうだ。ちょっと錦鯉っぽい?

kekka2.jpg
赤5%、灰5%、白90%

さらに白を増やして9割。ほとんど白だ。もとに比べると変だけど、こんな歩道もある気はする。

kekka3.jpg
赤60%、灰20%、白20%

赤を6割にしてみた。ずいぶん真っ赤だ。まあでもこれもありそう。

余談だけど、完全にランダムに色を選んだにもかかわらず、全体として見ると作為的な色の塊がところどころにあるように見える。でもそれはどうやらそういうもののようだ。

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他の例も見てみる

というわけで、単にランダムに並べただけでもそれっぽく見えるということは分かった。

ただし、それはすべての歩道や壁の模様がそう作られてるということを意味しない。なんかよく分からない中間みたいのがあるのだ。実際の例を見てみよう。

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まずはパターンであることが明らかな例から。この模様にはぜったい設計図がある。現場の裁量で決まってる感はゼロである。

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こちらはどうか。ずいぶん色が淡いけど、色の選び方はたぶんランダムだろう。明らかなパターンは見えない。

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これは微妙

さてこれが問題だ。

まず少なくとも設計図はなさそうに見える。全体が繰り返しのパターンになっているわけでもない。でも、なんとなく貼り方に意図が見えるのだ。

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斜めの線で書いた、赤いタイルが一つ空いて並行するっていうパターンがいくつかの箇所で見られる。それに、一番上のほうでは赤と橙が9回繰り返している。偶然ではなさそうな気がする。

なのでここではこんな感じなのではないか。

・設計図はない
・なんとなくこう貼りたいという意図がある
・でもおおむねランダム

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これもだ。こういうのも判断が難しい。完全なランダムではないものの、なんとなーくパターンがあるように見えるのだ。

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こことか

決まったパターンはなく、しかしなんとなくのパターンはある。そんな感じに見える。これはほんとにどうやって貼ったんだろうか。教えてほしい…。


謎、深まる

まったくのランダムに貼った場合でも、それっぽい模様には見えることは分かった。なので本当にそういうふうに貼られた歩道もあるだろう。その対極には、完全にパターンになっている貼り方もある。その2つは分かった。

しかし世の中にはどちらとも判断がつかない中間みたいなものもあるようだ。現場で作業する人の意図や趣味みたいなのが入り込んだりもするんだろうか。聞いてみたい。

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