街の境目は建物名にある
ビルやマンションの名前に含まれる地名で街を可視化してみよう。まずはこれを見てほしい。
実は、青丸は建物名に「代官山」とつく建物。赤四角は建物名に「恵比寿」とつく建物だ。
私は散歩が好きで、適当な駅で降りてしょっちゅう歩き回っているのだが、代官山から歩いているといつの間にか恵比寿にいるイメージがある。それが実際に可視化されている。
では、ここに線を引いて街の境目を定めてみよう。自分が神様だったらどのように線を引く?

次に気になるのが「この2つの街を隔てる線は何に基づいているのか」だ。
地図と重ね合わせてみる。

線路が境界なのはわかるけど、道路はそこまで大きくない、平凡な道路だ。「もとは川だった」とかなら納得なのだが、残念ながらそこまではわからなかった。でも二つの街があれば当然その中間のどこかに境界が来るわけで、たまたまこの道路がその境界だったというだけの話だろう。

そういえばこの道路、いつからあるのだろう。

そんなに昔から境界があったのか~!
このように、建物名で色分けしたのをきっかけに、ブラタモリ的な深掘りや妄想がいくらでもできてしまう。住所ではなく建物名に着目するところがポイントだ。住所よりも建物名のほうが自由度が高いため、比較的最近の人の営みが見える気がするのだ。
例えば、この部分。

これは「代官山デュープレックス」というマンションで、代官山駅から徒歩4分、恵比寿駅から徒歩3分である。じゃあもう「恵比寿デュープレックス」で良くない?いや、調べたら「恵比寿デュープレックスR's 」という別のマンションがすでにあるな……などと余計なお世話すぎることを無限に考えてしまう。野暮。
というわけで今回の記事では、 建物名で街を可視化し、そこから色々深掘りしたり妄想したりして "街の境目" に思いを馳せます。
白金 vs 高輪
前から疑問だった。白金高輪という駅があるけど、白金と高輪はどう分かれているんだろう。可視化してみる。

地図を重ねてみる。

そして二股の付け根のところに白金高輪駅がある。なるほどこれは白金高輪としか言いようがない立地である。自分にとって一生住むことの無いような街だが、可視化することで少し解像度が上がった気がした。

このあたりは高級住宅街で、戸建てが中心だ。今回、マンション名やビル名などの建物名でプロットしているので、戸建て住宅は可視化されないのである。真にお金持ちな街は、可視化することさえかなわない。

東京の建物名を可視化したところ、浮かび上がるのは道だった。いまのところ、これが結論。
街の境目は道