同じ道を歩きたくない人むけ
かかりつけの医者に行くのにも毎回通ったことのない道を通ろうとするので毎回迷う。そして結局同じ道に出てしまう。
このアプリがあれば通ったことのない道を通れる!
毎回違う道を通りたい癖の人にはうってつけだと思う。どれぐらいいるんですかね。
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去年、渋谷で決められたルートを歩くイベントに参加した。
なんども来ている街だが、そのルートは通ったことがない道が多く、渋谷にこんなに知らない場所があったのかとしみじみ思った。知っていると思い上がっていました。
もっとこういう経験をしたい。
道を決めてくれるちょうどいいアプリがあった。
道を決めてくれるアプリとはジョギングのルートを作ってくれるアプリだ。
何種類かあったが、TrailRouterというアプリが無料でシンプルだった。出発地を決めて、歩きたい距離、坂道を避けるかどうかなどのパラメータを設定するとルートを作ってくれる。
あくまでアルゴリズムが作ったルートなので、ビルの隙間を選んだり、有料の公園のなかの道を選んでいたりする。知らない道を歩きたいだけなのでそういう勘のなさもちょうどいい(ジョギングには向いてない)。
むかしの機械のような無骨さで「しょうがないな、おまえは(嬉しい)」といった気分になる。
ふだんはまったく歩かない場所である。ルートを見ているだけで興奮する。このルートを1時間かけて3キロ歩き、おもしろかったので別方向のルートでもう3キロ歩いてみた。
散歩を順番通りに説明すると新宿の裏通りばかり出てきてなにがなにやらなので、アルゴリズムさんぽの興奮ポイントをかいつまんで紹介したい。
歩いてみて気づいたが、このアプリの地図には歩道が示されている。
地図にきちんと歩行者が歩く道が表示されている。親切だ。ただ、たまにおかしくなっている場所があった。
このアプリが使っている地図は歩行者の位置情報を元にデータを作成しているらしいので、2列に歩く人のデータを見て歩道が2本あると思ってしまったのだろう。かわいいやつだ。
アルゴリズムではじき出されたルートは思いもしない道を指定する。
南新宿駅の下が通りぬけられるようになっているなんて知らなかった。しかもここは暗渠らしくてまた最高。(代々木川という川らしい)
角を曲がるたびに「どこだここ?」が味わえるし、大通りに出るたびに「ここに出るのか!」という驚きがある。
謎解きラリーのようなイベントがあるが、あれの謎をとっぱらったのがこれだ。もしくはスタンプのないスタンプラリー。
知っているはずの新宿も指示通りに歩くと観光気分になる。見るものがいちいち珍しくて写真を撮ってしまう。
2回目のルートで新宿御苑のなかの道が出てきた。ここお金かかるんじゃなかったっけ。
しかも交通系ICカードで払えて自動改札みたいになっていた。10年以上ぶりの新宿御苑、アプリに引かれての入場となった。(牛に引かれて善光寺参り的な)。
新宿御苑をシュッシュと歩いて通過するのは新鮮だった。「ちょっと急いでるんで」みたいな雰囲気で颯爽と歩ける。だったら公園に来るなやという話だが。
ちなみに皇居のなかを通るルートも出てしまうのではないかと思ったが、皇居の立ち入り禁止エリアには歩道のデータがないので出なかった。
2回歩いたうち、1回のコースはスタート地点をいちど通り過ぎてから戻るルートになっていた。
ほら、アルゴリズムってのは機転が利かないからさ!と思いながらもなぜか意気に感じてしまう。やろう。
かかりつけの医者に行くのにも毎回通ったことのない道を通ろうとするので毎回迷う。そして結局同じ道に出てしまう。
このアプリがあれば通ったことのない道を通れる!
毎回違う道を通りたい癖の人にはうってつけだと思う。どれぐらいいるんですかね。
いまさらですが、TrailRouterはウェブ版もありました。
TrailRouter
でも外で使うときはアプリが便利です。
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