取材を終えて
横浜・川崎市内から東海道新幹線を眺めることができる場所は意外と多い。今回のように武蔵小杉駅や西谷駅の近くから新幹線の疾走する姿を目に留められるが、駅からもっと歩けば、駅近くとは違う自分だけの新幹線スポットを見つけられるかもしれない。鉄道仲間や家族・親子で一緒に、マナーを守って安全に新幹線ウォッチングを楽しもう!
わたしの特にお気に入りの場所は丸子橋。再度立ち寄って、新幹線と一緒に東横線も眺めていたいなぁ。
ーおわりー
「姪っ子は新幹線が大好き。高速で疾走する新幹線を、目前で見せてあげたいのですが、安全に見られる場所って、横浜・川崎市にあるんでしょうか?」という投稿が、オオバさんからはまれぽ.com編集部へとどいた。
JR横須賀線・武蔵小杉駅近くの跨線橋や、相鉄線・西谷駅の近くがおすすめ。東急東横線・新丸子駅最寄りの丸子橋や、大倉山駅にある樽町のトンネル付近からもよく見えることがわかった。
(はまれぽ.com:若林健矢)
新幹線は子どもたちが憧れるものの一つ!新幹線に乗って旅行するだけではなく、走る姿を見ただけで、うれしくなる子ども・・・いや、大人も多いだろう。私もそのひとりだ。
オオバさんの投稿にある横浜・川崎市内で、安全に高速で疾走する新幹線を見られるスポットはどれくらいあるのだろうか?はまれぽ鉄道ライター若林が独自に調べて現地から観察してみた。
まずは川崎市内から。同市内で新幹線に最も近い鉄道路線とその駅は、JR横須賀線の武蔵小杉(むさしこすぎ)駅だ。ここから横浜方面に向かって最初の踏切「御幸踏切(みゆきふみきり)」に跨線橋(こせんきょう)が設けられており、新幹線と横須賀線を同時に見ることができる。
グーグルマップで示した場所はこの地点。
武蔵小杉駅から南へ、さほど遠くはない
分かりやすく歩くために、大通りを通ってみよう。まず武蔵小杉駅の新南口(横須賀線側)を出て、駅前ロータリーを左へ。「武蔵小杉駅横須賀線口」の交差点をそのまま直進し、「中原生活環境事業所前」交差点の、一つ手前の横断歩道を左に曲がろう。
そのまま道なりに進めば、御幸踏切と跨線橋がある。武蔵小杉駅の新南口(横須賀線口)からここまで約10分。親子で散歩するにもちょうどいい距離ではないだろうか。
新幹線は高架線を走るので地上からは見えない。わたしも跨線橋に上がって見てみよう。この跨線橋にはガラスの欄干が設けられているため、電車をしっかり眺められると同時に安全も確保されている。新幹線を間近に見るには最高の場所!
2019(平成31)年2月現在、東海道新幹線で活躍中の車両は、先頭車両の形状が左右が少しくぼみ、鳥の羽を思わせる「エアロダブルウィング」でおなじみの「N700A」と、先頭車両の形状がまるでカモノハシのくちばしのようになっている「700系」の2種類。エアロダブルウィングのN700Aは「こだま」「ひかり」「のぞみ」の各列車に充当されるので、少し待っていれば何本でも見ることができる。一方カモノハシの700系は2019年2月現在、ほとんどが「こだま」での運用に縮小され、出会える数も少ないが、まだまだ東海道新幹線で疾走する姿を見せてくれる。
新幹線の時刻表はJR東海のホームページで公開されている。東海道新幹線は東京駅~新大阪駅間が正式区間だが、この区間を走る「こだま」に[N700]のマークが無ければ、その列車はカモノハシの700系で運転される可能性が高い。新幹線に乗るだけでなく、新幹線を見に行くという場合も時刻表をチェックしておくといいかも。なおこちらは2019年3月15日までの時刻表。3月16日以降のダイヤについてはJR東海の発表を待とう。
また、この跨線橋からは横須賀線・湘南新宿ラインも見ることができる。運が良ければ新幹線と在来線が一緒に走るところも見られるはずだ。
川崎市内にはもう一つ、新幹線を見るのにうってつけだとにらんだ場所がある。それが神奈川県と東京都の県境、多摩川にかかる丸子橋だ。
平面上では新幹線と距離があるが果たして・・・?
この橋に最も近いのは東急東横線と目黒線の新丸子(しんまるこ)駅だ。その行き方だが、まず新丸子駅改札を出たら東口に出て、商店街を直進すれば綱島街道の「新丸子」交差点に抜けられる。
綱島街道に出たら次に左に曲がり、「丸子橋」交差点をさらに大通り沿いに直進。やがて青いアーチ型の橋が見える。これが丸子橋だ。新丸子駅からここまでは約10分。こちらも散歩にちょうどいい距離。
新幹線が多摩川を渡る際、線路周りにはコンクリートの柵が設けられているため、車両の窓から上しか見られない場所が多い。その分丸子橋はJR線の線路とは離れているが、橋りょうの真ん中を走る電車の雄姿を、窓から下の部分まできれいに見える。新幹線が橋を渡る音も、きちんと聞こえるぞ。
しかし丸子橋は新幹線だけではない。横断歩道を渡ると、東急東横線や目黒線もバッチリ見えるのだ!しかも同線はみなとみらい線(横浜高速鉄道)、東京メトロ、東武鉄道、西武鉄道、都営地下鉄三田線、埼玉高速鉄道と乗り入れ先が豊富なので、多種多様な車両が行き交う様が楽しめる。電車好きの子どもはきっと大喜びだろう。
さらに、橋を渡りきって東京都内に入ってすぐの地点では、多摩川河川敷沿いの切り通しを行く東急多摩川線も見える。3両編成の短い電車が行き交う姿はどこか癒される。新幹線だけでなく沢山の電車を見ることができるこの丸子橋は、新幹線だけではない鉄道ウォッチングに欠かせない場所だ。
凄い迫力の新幹線が見られるとっておきの場所は次ページ。
さて、続いては横浜市内の新幹線スポットだ。JR横須賀線と離れた新幹線は、しばらく在来線と並走せずに住宅街の中を疾走するようだ。その上で新幹線を見やすい場所が、東急東横線大倉山(おおくらやま)駅から歩いた場所にある。
グーグルマップではこの地点。マップによると、どうやら樽町(たるまち)の住宅街の中も新幹線は通っているようだ。
新幹線の線路横に細い道があるようだ
ここへ行くにはまず大倉山駅からレモンロード商店街を抜けて綱島街道へ出よう。商店街をまっすぐ歩いて「大倉山」交差点に出たら、進行方向を左へ。
「熊野神社入口」を通り、「大倉山記念病院前」の横断歩道で右に曲がり、細い坂道を登っていこう。
大倉山記念病院を左に見ながら直進し、突き当りを左に曲がると・・・?
あった!ここがグーグルマップで見たポイントだ!大倉山駅からこの場所までは約15分。住宅街の中で、途中の坂道を歩くのに体力が要りそうだが、ぜひここからも新幹線を見ておきたい。
基本的に新幹線の線路は高架になっているが、この坂のすぐ隣にはトンネルがあり、道路が線路より高い位置になるため、猛スピードで走る新幹線をここから眺めることができる。さあ、この坂道の途中に立ってカメラを向けて撮ってみよう。
見る位置をちょっと変えてみるとこんな構図になる。新幹線の走る音や風を、これまでとは違った視点で感じることができるぞ。
最後に、相鉄線の西谷(にしや)駅にやって来た。この駅は相鉄線と新幹線の線路が交差する地点なので、新幹線ウォッチングには外せない!
マップを見ると西谷駅で相鉄線と新幹線が交差しているのがわかる
わたしがオススメしたいポイントはここ!
西谷駅南口から約3分、新幹線の高架下をくぐった先の道路だ。跨線橋を渡らずとも道がちょっと高い位置にあって、なおかつ景色を遮るものが何もない。新幹線の走る姿がしっかりと見えるぞ。新幹線は少し遠くに見えるが、それでも「コォォォォ」という走行音が聞こえ、迫力満点だ。
毎度のことではあるが、鉄道を観察する時は身の回りの安全や、他の方への配慮など、安全とマナーを守ることも忘れずに!特に新幹線は高電圧を取り入れて高速で走るため、線路周りの安全管理も厳重だ。新幹線の線路内に勝手に入ったり、物を投げ入れるなど危険なことは絶対にしてはいけない。親子で新幹線を見に行くときは、親は子どもから目を離さず、一緒に行動しよう。
また今回紹介した場所の中には、住宅地の中にあたるところもある。近隣住民の生活圏内でもあるので、通行の邪魔や、騒ぐことのないように。
横浜・川崎市内から東海道新幹線を眺めることができる場所は意外と多い。今回のように武蔵小杉駅や西谷駅の近くから新幹線の疾走する姿を目に留められるが、駅からもっと歩けば、駅近くとは違う自分だけの新幹線スポットを見つけられるかもしれない。鉄道仲間や家族・親子で一緒に、マナーを守って安全に新幹線ウォッチングを楽しもう!
わたしの特にお気に入りの場所は丸子橋。再度立ち寄って、新幹線と一緒に東横線も眺めていたいなぁ。
ーおわりー
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