ミラーエフェクト
ミラーエフェクトというスプレーも試してみていた。
ガラスや透明なアクリルに裏から塗布すると鏡のようになるらしい。試している動画を見たら表から塗ってもそこそこ鏡っぽくなっていたのでやってみた。
研磨剤できれいにした面に吹きかけてみる。
確かに滑らかできれいにはなったけど、塗らない方がこちらを映している。
スーパードライに自分を映したいと思ったら、やすり、そしてアルミニウムポリッシュがいい。
スーパードライの缶はシルバーでツヤツヤしていてこちらが映る。映るのは大抵ビールを飲んで酔っ払った自分の顔である。見たくない。
しかし見たくないものを敢えて見せてくれる、この姿勢こそがスーパードライなりの誠実さなのではないだろうか。
考えてみると確かに誠実だと思う。だからもっと映るように磨いた。
家でスーパードライを飲んでいたら、缶に自分の顔が映った。
「楽しく飲めているか? 気持ちよく笑えているか?」「量はどうだ? 飲みすぎていないか?」とこちらの顔を映して常に問いかけてくるスーパードライ。
自分と、缶に映る自分とのコミュニケーションが発生する唯一のビール。これは嗜好品として誠実だと思った。
その誠実さに敬意を表して、もっとくっきり映るように缶を磨こう。
ビールを飲んだ俺の顔を、もっとクリアに見せてくれ!
まずは缶の用意だ。中のビールに悪い影響があったら嫌なので、ビールを飲んで空き缶を作る。
「自分へのご褒美」「忘年会」「打ち上げ」など、酒を飲む理由はたくさんあるが「磨きたいから」という理由もあるのだ。
自分のタイミングじゃない飲酒は、少し味わいが違った。会社の飲み会みたいな味がしたけど嫌いじゃないなと思った。
ビールを飲み、頭をグラグラさせながら紙やすりで磨いていく。
良い感じだ。酒を飲んだ余韻を感じながらの研磨作業は気持ちが良かった。
マット調の加工の部分も削りたいので、枠の中に満遍なくやすりをかけた。
粗いやすりなのでデコボコしていて自分の顔が映らない。ここから目の細かいやすりで、表面を滑らかにしていく。
写真では分かりづらいがかなりピカピカになってきた。最後にこちらである。
アルミニウムポリッシュという金属研磨剤。
これを布に付けて缶をこすり、別の布で拭き取る。
かなりピカピカになった。顔が映っているぞ!
映さなくていい僕の顔を映してくれたスーパードライ、もっと映るように磨いたらこうなった。
嬉しくて同じような写真を何枚も撮った。他のものも映してみたいが、真正面のものを真正面から見ないと(そして撮らないと)スーパードライにはきれいに映らないので難しい。
人間関係と同じだ。真正面から向き合わないと望んだものは返ってこない。
やらなくてもいいことをやる姿はミステリアスで魅力的だ。スーパードライにはこれからも、酔った僕たちを映し続けて欲しい。
ミラーエフェクトというスプレーも試してみていた。
ガラスや透明なアクリルに裏から塗布すると鏡のようになるらしい。試している動画を見たら表から塗ってもそこそこ鏡っぽくなっていたのでやってみた。
研磨剤できれいにした面に吹きかけてみる。
確かに滑らかできれいにはなったけど、塗らない方がこちらを映している。
スーパードライに自分を映したいと思ったら、やすり、そしてアルミニウムポリッシュがいい。
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