スイートブールを使うスポーツのユニフォーム
このスポーツのユニフォーム、一生懸命考えた結果、上のようになった。シャツに襟が付いているところがポイントです。
「もう半球じゃないか」というぐらい大きなパンがある。そこまでいったのだから球にするべきだ。
始まりはメロンパンだった。メロンパンは、なぜいつも大きいのか。
どのコンビニで買ってもどのパン屋さんで買っても、こちらの想定より大きい。食べ終わる頃には「もうしばらくメロンパンはいいかな」と思うほどに食べさせてくれる(そしてすぐにまた食べたくなる)。
申し合わせたようにどのメロンパンも大きい。大学の近くの定食屋さんのご飯がどこも山盛りだったのを思い出した。
でもさ、食べたら大きいだろう。クッキー生地の食べ応えとかバターの香りとかが大きく感じさせるんだろう。
大きくて丸くてゴツゴツしているので月だなと思う。メロンパンを球にして夜空に浮かべたい。
メロンパンを月にすることで、メロンパンが大きいと思った僕の気持ちを表現できる。あんぱんと並べるだけじゃダメだったんだ。月、つまり球にしないと。
うまくいきそうだ。理由はないがそう思った。
スーパーやコンビニを回って、大きくて球になりそうなメロンパンを買ってきた。
直径と高さを測ってみるが、どれもだいたい同じだった。直径12cmぐらい、高さは5cmぐらい。
以前にもメロンパンを集めて大きさを測っていたこともあって、そのデータも参考になった。
球への適性はどのメロンパンも同じくらいある。ならば、網目がはっきりあった方がサッカーボールみたいで愉快だろうと思って、網目がはっきりしているファミマ・ザ・メロンパンを選んだ。
いよいよ球にしよう。月が満ちる瞬間である。4枚切りの食パンを丸く切って挟んでみる。
「マリトッツォってあったよな」と思った。形はまあまあ球になのに球に見えない。マリトッツォやヨーヨーに見える。
さっきよりヨーヨーに近づいた。
間に挟むものが大事だったみたいだ。もっとメロンパンに近い質感と色で、絶妙な厚みがあって、側面は少し丸みがあるものがいい。
何だろうな、それは。
そんな都合のいいものはなかなか見つからない。そして、最後に寄ったスーパーで、これを見つけてしまい、気が付いたら両手に一つずつ持ってレジへ向かっていた。
メロンパンよりもさらに三回りほど大きな丸いパン。コンビニやスーパーで見かけるパンの中では最大だと思う。
メロンパンが大きくて球になりそうなことに変わりはない。しかし完成度をあげなければいけなくなった今、より球っぽいパンがあったら躊躇なく手を出すべきだろう。パン最初の月はスイートブールだ。
サイズを測る。直径15cm、高さ9cm。二つ重ねると高さ方向が大きすぎてしまうことになるが、くっつけるために高さ方向に少しギュッとするので、これぐらいでちょうどいい。
何も挟まずに球を達成した。「ブール」はフランス語でボールという意味らしい。そもそも球として作られたパンなのだ。
サッカーやバレー、バスケなど、馴染みのあるスポーツのボールはどれも直径20cmを超えている。直径15cmのスイートブールボールに近いのが、18cm/19cmのハンドボール、13.5cm/14cmのセパタクローだった。
15cmぴったりの球を使うスポーツもあった。カナダ発祥のブルームボールというスポーツである。アイスホッケーとほぼ同じルールで、パックの代わりにゴムボールを使う。
だが、スイートブールを使うスポーツは、ボールを投げたり叩いたりせず、所作の美しさに点数をつけるようなものであって欲しい。
今、何点なのだろう。なあスイートブールよ、今何点なのだろうな。
最後は食べた。
顔をスイートブールに埋めて、むしゃむしゃ食べる。甘い香りとパンの感触に包まれて寒さを忘れた。これ、スイートブールの一番良い食べ方かもしれない。
こういうスポーツなんだ。演技した後ボールを食べる。
球にしたパンはうまかった。
いつかきっと、メロンパンも球にしよう。
このスポーツのユニフォーム、一生懸命考えた結果、上のようになった。シャツに襟が付いているところがポイントです。
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