特集 2024年9月16日

大分でお気に入りのとり天をたらふく食べる

九州に鶏料理は数あれど、大分県でよく食べられている「とり天」がいちばん好きだ。

丁寧に下ごしらえされた本物のとり天は、外の衣がサクサクで中の鶏肉はふわっふわ。はじめて食べたときは鶏を食べていると信じられなかったくらいだ。

ちょうど大分に出かける用事があったので、そんな「とり天」をたらふく食べてきた。

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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とり天とはレストランリボンのとり天のことです

とり天というと、どういうものをイメージするだろうか。うどん屋のトッピング、味の薄い唐揚げ、鶏料理の苦し紛れのバリエーション、様々あることだろう。

僕のいう「とり天」とは、大分県の別府にあるレストランリボンという店のとり天のみを指す。数年前に退勤途中に拾ったヒッチハイカーを別府港まで送ったとき、名物のとり天でも食べようとふたりで入ったのがその店だった。

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退勤途中で拾って家に持って帰ったヒッチハイカー
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そのときのとり天

とり天なんてありふれたものを名物にするなんてどういう了見なのかしらん。そう思って一口食べてみた。噛む。あれ、おかしいな。口に入れ損なったのかと思うほど鶏肉が柔らかい。想像を遥かに超えたレベルのうまさだった。

すぐさまヒッチハイカーの彼と顔を見合わせて喜びを共有し、おかげで別れのときまで楽しい気分で過ごせた。土台、僕は他人と長い時間過ごしてポジティブな感情を抱くことが多くない。そんな思い出も乗っかってとり天には並々ならぬ思いがある。

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出港
いったん広告です

それからは暇さえあればとり天を想う日々が続き、1年ほど経ったころに大分に行く用事ができた。巡ってきたとり天のチャンス!

ただ、別府までは行かなかったので、思い出のレストランリボンとはちがう店でとり天を食べることにした。

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そしたら、思っていたのとまったく違うとり天が出てきたときの顔です。
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1週間くらい引きずりました

したらば、注文したとり天が完全に塩唐揚げのような品で大ショックを受けた。

ソウルフードの旗のもとに集う「とり天」は玉石混交なのだ。僕はとり天の過激派となり、「とり天=レストランリボンのとり天」と定義を狭めて自分を守ることにした。

今日はそのとり天を食べにいく。楽しみだ。

別府の老舗・レストランリボン

レストランリボンは創業65年以上の老舗洋食店であり、とり天の名店としても知られている。

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来ました!うれしい!
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味のある外観
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味のある注意書き

今回は平日に来たこともあって並ばずに入店することができた。かなり待つこともあるそうなので、とてもいい兆しである。

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メニュー表には「伝統の味を守るため、味にバラつきがでないよう2人のシェフで調理をしている(だから提供に時間がかかる)」旨が書いてある。
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一応メニューに目を通したが、とり天定食一択

席に案内されてから、すぐさま「とり天定食」と「とり天(単品)」を注文した。とり天を二皿分注文する。この記事にかろうじてあるささやかな企画性だ。

今日はたらふく食べる日である。とり天の提供は時間差でお願いしてもよかったかもしれないが、お店の回転のことも考えるとここは一撃で頼んでおいたほうがいいだろう。敬意ゆえの気遣いである。

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サンプルのとおり、一皿でたくさんのとり天が食べられる
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演出じゃないレトロ感を楽しみながら待ちましょうね

これこそがとり天だ!

注文してから20分くらい経ってとり天が運ばれてきた。これこそが、とり天である。

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うひょ~~~~
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小ぶりなとり天が10個以上盛られている
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たらふくだ!

最高だ!定食の分と単品で注文した分を合わせると20個以上はゆうにある。

こうなると実質食べ放題のようなものである。さあ、御託は抜きにしてさっそく食べてやろう。特製の酢醤油にちょいとつけて。

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イメージ通りのものでありますようにと祈りながら
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サクサクッ ふわっ
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うまいんかーーーーーい!!

サクサクふわふわでうまい。常識外れのやわらかさである。ここのとり天に使われているのは胸肉らしいのだが、もはやどこの部位かまったく想像が付かないほどふわっふわ。

流石によく煮込まれた豚の角煮ほど柔らかくはないが、それを引き合いに出せるほどには柔らかい。あの鶏むね肉がですよ?

⏩ 箸で楽に切れる柔らかさ

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