はじめに
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「無人島には持っていかない、大切にしまっておく自慢の品」と題して、はげます会の会員だけ読めるコラムがあります。
編集部安藤さんの「自慢の品」を紹介します。
南部鉄器の鉄瓶(安藤昌教)
岩鋳という会社の南部鉄器の鉄瓶です。コーヒーでもお茶でもカップラーメンでも、お湯を沸かすときにはいつもこれで沸かしています。
朝起きてまずこれになみなみ水道水を入れて、コンロにかけてお湯を沸かすのが日課です。コンロにかけるときには蓋をちょっとずらしておきます。蓋をずらさずに火にかけると沸騰したときに熱々のお湯が注ぎ口から噴き出して火山みたいになって、それはそれでウケるけど危険です。
お湯はいいお湯が沸きます。正直味の違いはよくわからないんですが、鉄分が取れているような気がします。夏でも冬でも一年中これでお湯を沸かしてウーロン茶を入れて飲んでいます。ウーロン茶は横浜の中華街で大量に買ってきた鉄観音というやつです。いま気づきましたがおれは鉄瓶で鉄観音を沸かしているわけですね。かっこいい。
この鉄瓶はたしか3年くらい前にメルカリで買いました。なんで買ったのかは忘れましたが、たぶんリコメンドに素直に乗ったんだと思います。この前はそれで昭和の記念コインのセットを買いました。もうどうしたらいいのかわかりません。
買ったときは中の錆がひどくて、お湯を沸かすと鉄棒から落ちて鼻血が出た時みたいな味がしました。やばいことになったなと思いいったん放置したんですが、妻に邪魔だから捨てろと言われて腹が立ち、意地で磨いたり、お茶を沸かして乾かしてを繰り返したりして(お茶の中の成分がさびを落ち着かせるらしいです)、今では鼻血っぽさもなくなりました。
黒くて表面がぼつぼつしている姿もかっこいいので、新しいカメラを買うたびに被写体になってもらっています。これをいいカメラで撮ると「わし、鉄ですけんのう。不器用ですけんのう。」といった感じの重厚な写りになるのでたまりません。猫と南部鉄器を撮るとカメラの性能がたいていわかるようになりました。
鍋敷きにしているのは木です。何年か前にデイリーの新人賞の授賞式で行った宮ケ瀬ダムで、伐採して輪切りにされた木が「ご自由にお持ちください」と書かれていたのでもらってきました。もともと鍋敷きではないのでちょっと斜めですが、これも気に入っています。
終わってふたたび解説です
奥さんに邪魔だから捨てろを言われたところがいいですね。自分でも邪魔かなと思っていても、人から言われると必死になって捨てさせない努力をしますよね。南部鉄器の鉄瓶、無事に使えるように復活して良かったですね。
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