特集 2025年2月5日

そういえば五平餅ってなんだっけ?愛知、岐阜で五平餅を食べて理解しました

岐阜で五平餅を食べる

次は本場、岐阜で五平餅を食べた。

IMG_4336.jpg
岐阜にきた

岐阜駅の近くに、僕の子どもの頃の記憶にかなり近いだんご屋さんを見つけたのだ。それがこちら。

IMG_4342.jpg
だんご1本30円
IMG_4346.jpg
五平餅は80円

いま令和7年である。値段もお店のたたずまいも、僕が小学生だったころと変わっていない気がするけどいいんだろうか。

お店をのぞくと店主が黙々とだんごを焼いていた。

IMG_4345.jpg
完全なる手作業
IMG_4352.jpg
「2本で60円ね」

だんごは本当に1本30円だった。

焼きたてのだんごを頬張ると、一瞬で頭の中が少年時代にタイムスリップする。

うちの家はたいして信心深い方ではなかったのだけれど、休みにはちょっと遠くの神社に参拝に行ったりしていた。子どもだった僕は、神社の参道で帰りに買ってもらえるみたらし団子を目当てに、よく両親についていったものだ。

五平餅も注文させてもらったのだが、焼き上がるまでに30分くらいかかるぞ、とのことだった。なぜならいま手一杯だから。

「いま焼いてるのはぜんぶ電話予約分なの。五平餅は注文分ぜんぶ焼いたあとになるからしばらくかかるよ」

僕にいいながら、耳では新しい注文の電話を受けていた。

IMG_4360.jpg
それでも注文の合間にすごい手際の良さで五平餅も焼いてくれました
IMG_4362.jpg
ここの五平餅は小判型ではなく円盤型だった
いったん広告です

大将とだんご

だんご屋の大将は郵便局での仕事を辞めたあとにここでお店を始めたのだという。そのキャリアパス、非常に興味があります。

ーーさっきから注文がひっきりなしですが、もしかして郵便局時代よりも儲かってたりします?

「そんなわけないだろう。どうやったら儲かるんだよこれで」

ーーそうですよね、すみません

「おにいちゃん前も来たよな(初めて来ました)、この辺の人?あ、違うの?ならどこから来た?東京?何しに?」

IMG_4367.jpg
焼きたての五平餅を大将と会話しながら食べる良さ

僕はこの日たまたま岐阜の大学で講義みたいなものをすることになっていたので「今日は学校で教える仕事があって」と答えると「体育か?」とすぐに返された。

この遠慮なく懐に投げ込んでくる力任せのキャッチボールが心地よくて、みんなここにだんごを買いに来ているのかもしれない。大将に「また来ます」と言ったら「次は電話してからな」と言われた。

五王 加納店

岐阜県岐阜市加納桜田町2丁目1

いったん広告です

五平餅はコミュニケーションの場

五平餅は餅みたいにねばねばしていないので片手で食べながら話をすることができる。それから名古屋の章でも書いたが、道端で五平餅を食べている人がいたら、その人の周りにはなんだか平和な空気を感じるのではと思うのだ。

五平餅は東海地方で生まれたコミュニケーションツールなのである。平和利用のため、全国にもっと広まった欲しいような気もするし、知ってる人だけで味わっておきたいような気もしてます。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
福岡グルメシリーズから間髪入れずに始まった安藤さんの岐阜(&愛知)グルメシリーズ。
なんといっても今回の見どころは2ページ目の『「体育か?」とすぐに返された。』でしょう。吹き出しました。
安藤さん、物理専攻で元エンジニアでとちゃんとした理系人材なのですが、そういわれると「わかる~」と思ってしまいます。(石川)

ここから

デイリーポータルZをはげます会

会員特典コンテンツです

この先は「デイリーポータルZをはげます会」会員向けの有料コンテンツです。会員になるとごらんいただけます。

 

<もどる ▽デイリーポータルZトップへ

store_20250112.jpg

> デイリーポータルZからのお願い  買って良かったものを教えてください
> デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ