まずはかに鍋から
会場内には当然ながら数々の出店が出ていて、地元産のカニやエビの料理が手ごろな価格で楽しめる。まずは漁協のご婦人方達による500円のかに鍋からいってみよう。


かに鍋が一椀500円というのは、こういった祭りでは普通の値段かもしれないが、カニの盛りがいい。でもさっきカニの直売所で五杯500円とかの価格を見てしまったので、興奮の度合いはちょっと低い。
いくつになっても正しい食べ方のわからないカニを割りばしでほじってみると、しっかりと身が詰まっていた。これはいいカニだ。世の中にはいいカニと、どうでもいいカニがある。
この祭りはあれだ、カニ用のハサミとおしぼりが必要だ。


カニの浜茹では200円
気がつくと、会場の一部にすごい行列ができていた。なんの列かはよくわからないが、とりあえず並んでみる。このシチュエーションならば、きっとなにかいいことがあるはずだ。我ながらサザエさんみたいな行動である。浮かれすぎだ。

ふと振り返れば、今回の取材に撮影係として一緒にきてもらった妻が、赤い帽子をかぶった会場係のおばちゃんと、いつの間にか仲良くなっていた。なにを話しているのやら。

行列がしばらく進んで、ようやくその正体が判明した。茹でたてのカニの販売だ。そのお値段なんと一杯200円。
大鍋から引き上げられる大量のカニ。イメージよりも鮮烈な赤さ。さすがベニズワイガニである。


さっそくカニを一杯購入。ちょっと、いやかなり小ぶりなカニだったが、見た目よりは全然身が多かった。カニは大きさではない。大切なのは身の詰まりだ。


足の太さがワタリガニくらいだったので、味もそれほど期待していなかったのだが、これが今まで食べたカニの中で最高峰の味だった。200円なのに。
カニを茹でると、その旨みがお湯に溶けだしてしまうイメージがあるが、あれだけ大量のカニを一度に茹でると、逆にカニのエキスがたっぷりと溶けたスープを吸収したようになる。カニの味が濃い。やっぱり行列に並んでよかった。

唐突に遊覧船に乗ることになった
カニ味噌をすすりつつ、さっき妻が初対面のおばちゃんとどんなことを話したのかを聞いてみたら、なんと遊覧船のチケットをもらったそうだ。

この祭りで遊覧船が無料乗船できることは知っていたのだが、チケットに並んでいるとカニが食べられないので諦めていたのに。


チケットをくれた理由は、妻が子供を連れていたので、「子供は日本の宝だから!」ということらしい。
よくわからないが、ありがたく遊覧船に乗らせていただきました。ありがとう、おばちゃん。