ベビーパーシモンは皮ごと食べて問題はない柿なのだが、ちょっとした硬さが気にならないこともないので、試しに皮を剥いてみたところ、サイズに比例して薄く剥くというのが無理なため、結果として過食部分が少なくなってしまった。
しかも皮が無くなったことで食べやすくはなったが、食べられる薄い皮という個性を失い、普通の甘い柿を食べているのとそんなに変わらない印象となってしまった。個性って大事。皮ごと食べるのがオススメです。
十月に佐渡島を訪れたとき、スーパーの果物売り場で不思議なものを見つけた。
すごくすごく小さな柿(かき)である。海産物じゃなくて猿蟹合戦のほうの柿だ。
「ちいさいか~き~み~つけた~」って歌いたかったので買ってみた。
佐渡島にあるエーコープ金井店(マンタを買った店)は地元の食材に力を入れていて、魚介類だけでなく野菜や果物の品揃えも素晴らしい。
この日もなにか変わったものはないかなと探索していたら、すごく違和感を感じる商品が並んでいた。
ピンポン玉よりも一回り小さく、オレンジ色のつるっとしている。一瞬小型のミカンかミニトマトなと思ったが、よく見たら超小型の柿だった。こんなのあるのか。
商品名は「ベビーパーシモン」。どこで区切るか迷ったが、「ベビー:パーシモン(カキの英語)」ということなのだろう。
「平核無」をミニチュアにしたようなミニ柿と書かれている。例えの意味が分からないので検索したら、「ひらたねなし」と読むそうで、佐渡の「おけさ柿」としても有名な品種のことだった。
一パックで税別1500円となかなかの高級品だが、二十個くらい入っているので一個当たりの値段で考えれば普通の柿よりもだいぶ安い。
いやでもグラム当たりで考えると高いよなと迷ったのだが、よくみたらお得な少量パックが一つだけあったのでこっちを購入してみた。
佐渡での宿泊先に戻り、この時期に出回っている刀根早生(とねわせ)という品種の柿と比べてみる。
普通のトマトとミニトマトのように、サイズ感がまったく違うのだが、ヘタのサイズはそれほど変わらないようだ。
動物の赤ちゃんは、顔の大きさに対して目や鼻などのパーツが小さいから、幼く、かわいく見えるという話を聞いたことがある。
ベビーパーシモンはヘタが大きいからこそかわいいのか。
この柿はシャインマスカットみたいに皮ごと食べられると書かれていたので、洗ってそのまま齧ってみたところ、皮の薄さは大きさに比例しているのか、パリッとした存在感はあるものの気にならなかった。シャウエッセンくらいの噛み応えだろうか。
果肉はちゃんと渋が抜けていて、ジューシーでおいしかった。小さい分だけ味が濃いように感じる。
佐渡島で買ったベビーパーシモンは、確かに皮ごと食べらえる小さくて甘い柿だった。お土産に最適。
家で食べるにはちょっと高いが、もし私がスウィーツ屋さんだったら、秋限定のパフェに乗せてインスタにアップしたい柿である。
ベビーパーシモンは皮ごと食べて問題はない柿なのだが、ちょっとした硬さが気にならないこともないので、試しに皮を剥いてみたところ、サイズに比例して薄く剥くというのが無理なため、結果として過食部分が少なくなってしまった。
しかも皮が無くなったことで食べやすくはなったが、食べられる薄い皮という個性を失い、普通の甘い柿を食べているのとそんなに変わらない印象となってしまった。個性って大事。皮ごと食べるのがオススメです。
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