特集 2023年6月29日

ユーカリが丘線は外側と内側の景色が全然違う

ユーカリが丘線の外側は新興住宅街なのに内側は自然豊か、そのギャップに迫ります

千葉県佐倉市に「ユーカリが丘」という町が存在する。1980年代に不動産会社の山万(やままん)によって開発されたニュータウンで、町を一周するように「山万ユーカリが丘線」という新交通システム(タイヤで走る電車のようなもの)が通っている。

なかなかに珍しい路線なので乗ってみたのだが、環状線の外側と内側の景色が全然違っていて驚いた。

ユーカリが丘地区は、環状線の内側でなく外側が開発されているのが特徴です。

1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。(動画インタビュー)

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ニュータウンをぐるっと巡る「ユーカリが丘線」

ユーカリが丘の玄関口は、京成本線の「ユーカリが丘駅」である。京成本線が開通した当初は存在しなかった駅であるが、ユーカリが丘の開発にあたり昭和57年(1982年)に新設された。

このユーカリが丘駅を起点とする「山万ユーカリが丘線」は、ユーカリが丘の開発を手掛ける山万が運営している路線である。民間として日本で初めて実用化された新交通システムであるという。

ラケットのような形状の路線が特徴的な「山万ユーカリが丘線」

駅は全部で6箇所あり、路線距離は約4.1km。14分で一周する、まさに町の足といった路線である。「公園駅」「女子大駅」「中学校駅」など極めてシンプルな駅名もユニークで、当サイトでも過去に二度、ユーカリが丘線についての記事が掲載されている(著者名敬称略)。

路線図の変な〇(ヨシダプロ)

駅の数が一番少ない一日乗車券って?(大坪ケムタ)

私もその独特な路線に興味を持ってユーカリが丘線に乗ってみたのだが、そこでラケットの輪の部分の景色が外側と内側で大きく違うことに気付かされた。

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ユーカリが丘駅を訪れた人はまず写真を撮るであろうコアラ像
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駅には巨大なホテルが直結しており、かなり発展した町という印象だ
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ユーカリが丘線の駅舎はその横につつましくたたずんでいる
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やや小ぶりのかわいらしい車両で3両編成だ
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ユーカリが丘駅から高架橋で町中を北上する

なお、ユーカリが丘線は車両が小型であるため、車内に冷房が存在しない。 なので夏場は冷たいおしぼりとうちわが用意されている。

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座席の端にこのようなクーラーボックスが置かれており――
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中には冷えた紙おしぼりが

冷房がない車内で少しでも快適に過ごせるようにという、なんとも粋な心遣いのサービスではないか。

さて、ユーカリが丘駅を出発した列車は、まずはラケットの柄の部分を走ることになる。高層ビルが連なる商業エリアを進み、「地区センター駅」を過ぎたあたりからは戸建てが並ぶ住宅街となる。

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ザ・ニュータウンというような、戸建てが整然と連なる町である
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「公園駅」からは環状線(ラケットの輪の部分)を反時計回りに進んでいく
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進行方向の右手、すわなち環状線の外側は相変わらず住宅街が続いているが――
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進行方向の左手、環状線の内側は一面に緑が広がりだした
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線路は緑地と住宅街の境をぐるっと周り――
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右手(外側)にはやはり住宅街を見つつ、公園駅を経てユーカリが丘駅へと戻る

このようにユーカリが丘線は環状線の外側にニュータウンが広がるものの、内側は一面の緑。そのあまりに極端な景色のギャップに驚き、なぜこうもハッキリと違うのか不思議に思った次第である。

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