永遠はある!
夏に北海道に行くとよく麦稈ロールを見かけた。あれを解体することは自分にはないと思っていたので、貴重な機会だった。そして絶望した。全然減らないのだ。剥いでも剥いでも麦稈ロール。永遠を知ることができた瞬間だ。よって永遠の愛はあると思います。
そもそも畑で解体すればと思うけれど、今回は3つの畑で使うので、ここで解体してそれぞれの畑に運ぶことになっていた。一つの畑に100キロ。ただ圧から解き放たれた麦わらがこんなにも嵩張るとは思っていなかった。いや思っていたけれど、考えないことにしていたのかもしれない。
完全に解体することはあきらめた。2つの畑で使う分の麦わらを箱やビニール袋に詰めて、3つ目の畑には若干小さくなった麦稈ロールのまま運ぶことにした。だって無理なのだ、この量の麦わらを袋などに詰めるのは。無理だからそもそも麦稈ロールにしているのだ。
それでも数えられないほどの麦わらの袋が完成した。それらは2つの畑に運んだけれど、十分な量になった。そして、身体中がなんか痒かった。麦わらが痒いのだ。その日の夜に耳を綿棒で掃除したら、黒かった。すごく黒かった。
数日経って、麦わらを使う場面が生まれた。畑にオクラを植えるので、マルチとして使う。私はオクラが好きなので植えたのだ。植えさせてもらったのだ。ちなみにこれは5月のお話で、8月の今はもう立派に育っている。
いつもならビニールのマルチシートを使うのだけれど、同じような効果が麦わらにも期待できる。雑草が生えにくくなるのだ。
農業は雑草との戦いだ。たとえば水田のアイガモ農法は駆虫も期待されるが、アイガモが土を攪拌して光を遮り雑草が生えるのを抑制することもポイントとなる。
そんなに長い畝(うね)でないこともあり、全然麦わらは減らなかった。麦稈ロールを作る時はすごい圧であの大きさにしているのだろう。解き放った瞬間に嵩張ったから。
ただ楽しかった。初めて解体したから。
夏に北海道に行くとよく麦稈ロールを見かけた。あれを解体することは自分にはないと思っていたので、貴重な機会だった。そして絶望した。全然減らないのだ。剥いでも剥いでも麦稈ロール。永遠を知ることができた瞬間だ。よって永遠の愛はあると思います。
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