わりと奔放な小枝の歴史
と、いきなり小枝の46年の歴史に茶々をいれてごめんなさい。これはたぶん、買った小枝の種類によるところが大きいのだ。
こちらです。抹茶味の小枝は薄緑色
「名前以外、枝っぽくないぞ……」という感想を抱きながら、「久しぶりに食べるとうまいなぁ」とぽりぽりした。
そして、この出来事を忘れたり思い出したりしているうちに季節は秋になり、不意に小枝の
ホームページを開いてみた時に驚愕したのである。
「小枝ボール」という丸い小枝が発明されたり
その活動はいたって奔放で、枝という概念にまったくとらわれていない。
かっこいい。
肩書きにとらわれない生き方ってこういうことなのだろうか。
だが、わたしはもうちょっと枝っぽい小枝の姿も見てみたい気がする……のだった。これはもう、自分の手作業に頼るしかないんじゃないだろうか。
わたしとクッキー作りの歴史
と、意気込んだはいいが。
よくよく考えてみると、わたしのお菓子作りの履歴は、焦げたクッキー写真(下記)を最後に更新が途絶えている。たしか5年くらい前の出来事だ。
なんともわかりやすく失敗していることに、自画自賛したくなってしまう写真を見つけた
だが、さらに昔をほじくりかえしたところ成功事例も発掘された。どうやらわたしは、高校を卒業するときに部活の後輩たちにクッキーをつくってプレゼントしたらしい。自分のことなのに、他人事のように書いてしまうくらい現実感がないのだけど。
ちなみに、理由を思い返してみたところ、「家にあるものでプレゼントをつくれば、予算が浮く」という非常にせこいものだった。後輩ごめん。
というわけで、最終履歴の失敗要因はきっと自宅のオーブンである、と特定することができた。わたしの手腕の問題じゃないぞ……!(たぶん)
というわけで外のオーブンを借りて作業しました
つくるにあたっては、本物の枝を眺めながらやることにした。見本がないとうまくつくれない気がしたので、拾ってきたのだ。
こちらです
当初、街中にはあんまり枝が落ちていないものなのだな……、と落胆しかけていたのだが、太い街路樹の下に限っては、ぼろぼろと落ちていることがわかった。
枝の落ちている場所には蚊が多く発生していることもよくわかった
きのこも生えていた
そして、もう一種類大事な見本も用意している。
本物の小枝だ。
小枝ってどこでも手に入るものだと思っていたのだが、まったくそんなことはなかったのでびっくりした。
カカオの様々なパーセンテージが大充実しているのに小枝は置いてなかった
きのことたけのこは充実しているけど小枝は置いてなかった
5軒くらいまわって、やっと見つけた小枝
枝っぽくないというより、短いのか
ちなみにこちらが小枝づくりの構想です
さっそくつくりはじめる。自分がボールにぶっこんだバターと砂糖の総量に自分でびびる。(お菓子作りあるあるだろうか)
つい凝視してしまうカロリーがむきだしになった姿。なるべく見なかったことにしたいのだが、見てしまった以上はそうもいかない。
きっと、こういう戸惑いを緩和するためにカロリー3分の1のバターとかスリムアップシュガーが存在してくれているのだなぁとぼんやり思った。
生地に異物を混入したほうが、枝っぽくなるんじゃないか
とりあえず入れてみておこう
どうせ食べるのは自分だし、と素手で伸ばす。粘土みたいでたのしい
おお、なかなかに枝っぽくないか!?!
お菓子作りが久しぶりすぎて、形を形成しただけで既に誇らしい気持ちになってきている。
ひとつ不安があるとすると、壊れないかどうかということにつきるだろう。なんせ、細くて長いクッキーだ。衝撃に弱そうな予感しかしない。
事前にクッキーづくりが上手な知人に相談を持ちかけてみたところ「焼く時間を長めにしたほうががよいですよ」とのことだった。
わかりました。長めに設定してみます
焼きあがった。溶かしたチョコレートで色づけをほどこしていく
高まりたまえ、木っぽさ……!(と念じながら塗ってたらポキッと折れた)
乾かす
ちなみに。この日借りた施設が広すぎたので、誰か一緒に使わないかしらと人を募ったところ、来たいと言ってくれた人がその場でパンをつくってくれた。さらには、いっぱい食べていいよと言ってくれたのである。
すごい。この秋の分の幸せを1日で全部使い切ってしまっているのではないだろうか。
その場で3個食べて、4個お持ち帰りをして帰りその日のうちに食べた。おいしかった
というわけで、わたし的にはこれでもうすべて大成功したような気持ちになりかけてしまっている。だが、ちょっと待ってくれ。枝の実食をまだしていない。
せっかくなのでパッケージもつくってみよう。まず、1本1本撮影したクッキーをデータ化して
てきとうに並べる
枝の文字は現物を透かして、ペンタブでトレース
縦長になった
大きさの比率が、お土産屋さんに時々売っているご当地プリッツみたい
内側
食べると音がすごい。ぽりぽりと響き渡る
そして手が汚れていく
切々と汚れていく
しまった。正規品の小枝のサイズ感は、手が汚れる前に食べきることができる絶妙なサイズ感だったことが判明してしまった。
そして帰り道、一気に摂取した糖分が一気に脳内に巡ってくるのを感じたのは、ふだん甘いものを食べ慣れてないからだろうか。脳周辺の血の巡りが、普段とまったく異なるのだ。これが血糖値というものなのだろうか。
そんなわけで、このクッキーはチョコの溶けにくい涼しい場所ちょっとずつ、ちびちびと消費していきたいと思う。
何か作るたびに何かを思い出す
ところで、今回の企画に使うのにちょうど良い箱はないものかと部屋の中を探していた時に見つけたのが「最強まんが描き方BOX」の箱だった。
で、使っている。角度によっては正体が露骨にばれる仕組み
買ったことすらすっかり忘れていた。せっかくなので、これを期に使いたい。というか、そもそも自分がクッキーをつくれるということ自体、これを期に思い出したようなもんだ。いろんなことを忘れがちだが、時々こうやって思い出すのもアリなのかもしれない気がしている。