ベトナム吉野家のオリジナルメニューはこれだ!
ベトナムにもいろんな飲食チェーンが展開している。以前
丸亀製麺のパクチー盛り放題について書いたように、現地のひとびとの舌に合わせてメニューを変える「ローカライズ」は必須で、それが鍵と言ってもいいと思う。
で、いきなりなんだけど、
こちらがベトナム吉野家のオリジナルメニューです!
左上から時計回りに、ガリバタ丼、唐揚げうどん、クリームチーズ牛丼、唐揚げクリームチーズ添え。
何だか、大学の食堂っぽい。
さぁ、詳細は後述、この写真に至るまでもいろいろあるのだ。
実は、ベトナムの吉野家はイオンにあって、このイオンそのものがライター泣かせ?のネタ地獄。ひとつひとつ拾っていくとキリが無く、今回の主役はあくまで吉野家なので、サササーッと紹介してまいりたいと思います。
イオン・ダイジェスト
イオンへはシャトルバスが走っている。郊外型であるという点は日本と同じで、市内中心地のおもにサービスアパート(いわゆる高級マンション)を巡って行きます。
以前紹介したファミリーマートの前が停留所のひとつ。時間通りに来るシャトルバス、これ地味にすごいこと。
50分かけて巡回しつつイオンへ向かいます。
ちなみに、イオン(AEON)はベトナム人の発音だと「エーヨン」となる。facebookも「フェイボッ」だし、クリスマスも田舎の人や上の世代で英語に慣れていなければ「チーマス」となる。そんな訳で、ベトナムイングリッシュはたびたび聞き取りづらいと言われるが、彼らからするとジャパニーズイングリッシュも聞き取りづらい。
で、到着。外観は日本とまるで同じ。
ただやはり、バイクの数がすごかった!
デパート内に入ると、週末ということもあってお客さんで賑わっていた。日本も戦後間もなくは「家族でデパートへ行く」ということ自体が休日のイベントだったらしいが、ベトナムはまだその雰囲気があり、オープン当初にはオシャレをしてあちこちで撮影する人で賑わった。
左の二人は部活帰りかと思ったけどペアルックかな。
謎のひとだかり…。
Sushi-Yaだ!
ベトナムではここ5年前頃から寿司が大人気。そもそも生食以前に海水魚を食べる文化があまりなかったが、寿司という食べ方が持ち込まれてから大ヒット!考えてみれば、寿司はほぼ料理そのもののローカライズなしにウケた珍しい前例かもしれない(ワサビは少ないけど)。
それにしても、
なんというか…!
サーモン率高いな!!
なお、さきほどの看板、オープン当初は何故か「さ」の部分がたびたび奪われていたらしい。ひらがなの「さ」、一体どこに需要があるのか謎すぎる。
これはカフェで見たインテリアだけど、こういうものに使われている可能性もある。
そんな寿司と並んで抹茶も人気。食パンとの緑の相性!
相変わらず、素肌が見えてるなー。
着ぐるみは「MADE IN JAPAN」じゃないよね多分
日本において着ぐるみは「中の人などいない」っていうお約束があるけど、ベトナムはそのあたりがどうでもよく、なんなら堂々と被り物を脱いで休んでいたりする。
フードコート、すごいところでアーンしてる。
よく見るとあっちこっちで鍋を食べています。タイもそうだけど、みんな鍋が好きなんですよね。回転寿司ならぬ、具材が回転している回転鍋なんてものもあります。
お待たせ、ベトナム吉野家!
ダイジェストと言いながら、どうしても長くなってしまった。そう、イオンはネタ地獄なんだ。で、目の前!
吉野家~!
店頭にはベトナム語で牛丼の解説。
モニターでは吉野家の歴史が流れていた。
店構えや内装からして、日本と違う。
・ドアがない(まぁこれはイオンだからか)
・店頭では写真や映像で牛丼を解説
・カウンター席ではなくファミリー向けのテーブル席
とくに2つ目が気になった。ベトナムの日本食といえば、寿司やラーメンが浸透している、デザート系だが抹茶もそうだ。そこで牛丼となると、今この国でこれらに並ぶほどの知名度はないのかもしれない。すでに吉野家が展開しているタイやインドネシアも、草の根活動的に広がっていったのだろう。
すっごい今更ですが、友人と来ています。
オリジナルメニューはあるだけ食べよ、という編集・古賀さんの命令により、どんぶりかっ込み要員として三人の友人たちにも来てもらった。どうして今の今まで登場しなかったかというと、全員女性だったから。ネットコンテンツ的に、ハーレム感を打ち消すことに今俺必死。
で、ここで改めて、吉野家のオリジナルメニュー。
ガリバタ丼。まんまガーリックとバターの味付け。260円くらい。
唐揚げうどん。コロッケそばは聞いたことがあるが…というかうどんあるんだ!430円くらい。
クリームチーズ牛丼。一見するとマヨネーズだが、あくまでクリームチーズ。その上に七味。430円くらい。
サイドメニューとして、唐揚げクリームチーズ添え…クリームチーズ、好っきゃな!260円くらい。
日本の味との比較、という意図で牛丼(温玉のせ)も頼んだ。360円くらい。
一人鍋もあったが、これっぽいものは日本もあるのでパス。
みんな食べられるように小鉢に少しずつ詰める。遠足で弁当を忘れたけど、友人に恵まれたパターン。
いただきまーす!
モグモグーとな!
普通に美味しいですね、学食ぽくって普通に美味しい
普通に美味しいな、と思った。
それぞれ、こんな感じ。
・ガリバタ丼→唐揚げ、いんげん、人参、ネギを、ガーリックとバターの芳しい香り。ご飯がすすむ。
・唐揚げうどん→見たままを想像してくれていいかも。うどんはベトナムに合わせて柔らかめ、関西だし風。
・クリームチーズ牛丼→牛丼にクリームチーズと七味が振られてある。見た目はマヨネーズっぽいが確かにクリームチーズ。あれだ、キリクリームチーズ。
・牛丼→日本の吉野家の牛丼をちょっと薄味にした印象。日本は塩分が多いので、予想通り。
丸亀製麺のようにパクチー盛り放題といったベトナム感全開のローカライズではない。日本にいる人がこのメニューを見たときに、「クリームチーズや唐揚げってベトナムで人気なの?」と思うかもしれないが、そうでもないと思う。でもそんなことは私の素人考えなので、ここにベトナム人の味覚を射止めるものがあるのだろう。
じゃ、日本人にとってはどうなの?というと、冒頭でも書いた通り、大学の食堂っぽい。
正確に言えば、私の大学の食堂を思い出した。
唐揚げにマヨネーズをたんまり振りかけた丼メシや、コロッケをずっぷり浸したうどんなど、いかにも男子大学生が好みそうなメニューがあったのだ(実際学生の9割は男だった)。これこそが「普通に美味しい」という感想が湧き出た思い出の源泉だと知る。そりゃそうさ、だって四年間いつも食べてたんだから。
学食ローカライズはベトナムで成功なるか
まさかベトナムの吉野家に行って、10年前に味覚が時を遡るとは思っていなかった。
もちろんベトナムでは学食扱いでも何でもないけど、今後吉野家のメニューとして受け入れられるとするならば、ベトナム人にとって逆に日本の学食が「吉野家っぽい」というおもしろい構図になるのかもしれない。
ちなみに私は学食で「鶏肉のトマトソースがけ」が好きでした、よろしくお願いします吉野家さん。大阪工業大学の枚方キャンパスにありました、今はもうメニューにないと思うけど。
全然関係ないけど、帽子に「バランス」と書かれていたお客さん。流行ってるみたいです。