定型パターンがあるんですよ
食べ物の味について文章を書く場合、大体はパターンがある。それに従って書けばいいので慣れちゃうと難しい作業ではない。では、とんこつラーメンを例にして1つ書いてみよう。
しばらく日本橋店の『だぶるらーめん』、720円。
日本橋しばらくのだぶるらーめん720円
(起)まだまだ寒い日が続く今日の頃。お昼に入ったのは、水天宮の近くにある博多ラーメンの『しばらく』。鉄で出来た重い引き戸を開けて店内へ。
2階にテーブル席、1階はカウンター席である。カウンターには紅ショウガ、スリゴマ、柚子胡椒、スープのタレなどが常備されている。
(承)食券で注文したのは『だぶるらーめん』720円。名前の通り麺が2玉入っている。途中で替え玉を頼む面倒がないし、なぜか替え玉を頼む場合より10円安い。
(転)3分ほどでカウンター越しに到着、まずはスープをすする。白く濁った豚骨スープは脂少なめ、豚骨臭はしっかりしてあるがアッサリしている。飲み干したいスープである。
麺を引き上げた写真は麺類の定番構図。斜め上から撮る。
麺は細めでストレート。とんこつラーメンはこうでなくちゃ。ザクザクした食感が心地良く、スープとの相性も良い。
博多ラーメンは替え玉前提でボリューム抑えめなのが普通だが、替え玉をするとどうしてもスープの味が薄くなる。その点、最後まで一定の味で食べられるだぶるらーめんは素晴らしい。
具をアップにする構図も良い。
具はチャーシュー、キクラゲ、青ネギ。チャーシューは脂身少なめだがよく煮込まれて柔らかい。キクラゲはコリコリして食感にアクセントを与えてくれる。
スープ、麺、具、全てが僕好みの博多ラーメンである。どんぶりの端に柚子胡椒を乗せておいて、後半は柚子胡椒とすりごまで味を変化させながら食べるのが好きだ。
(結)昨今、旨味レベルが上がりすぎているラーメン業界からしたら普通の豚骨ラーメンと捉えられるかもしれない。が、このアッサリしたとんこつラーメンこそ食べ続けられる味なのだ。ランチタイムに通いたくなる名店である。
要は起承転結である
今更起承転結かよ!というくらい文章の基本中の基本だが、やっぱり基本は大事である。全体の構造は起承転結としたい。
1.店やメニューの情報(起)
2.何を注文したか(承)
3.味など食べた物の情報(転)
4.まとめ(結)
転の部分が核心なので長くなってしまうのは仕方ないところだろう。だが、fecebookに投稿するのはよくてもTwitterには載せられない。その場合は大胆に短くしちゃえばいいのだ。
右上の添えているのが柚子胡椒。本来は餃子用みたいだが、僕はラーメンにも使っている。
Twitter用に短くするとこんな具合
『豚骨ラーメンなら水天宮前の『しばらく』が好き。豚骨臭のわりにアッサリした白濁スープにストレートの細麺が最高だ!だぶるらーめんならザクザク食感の麺を通常の2倍楽しめちゃって720円。具はチャーシューとキクラゲ、あと青ネギ。今日のお昼に食べたけどまた行きたい!』
これで130文字である。起承転結を分解するとこうなる。
(起)
豚骨ラーメンなら水天宮前の『しばらく』が好き。
(承)
豚骨臭のわりにアッサリした白濁スープにストレートの細麺が最高だ!
(転)
だぶるらーめんならザクザク食感の麺を通常の2倍楽しめちゃって720円。具はチャーシューとキクラゲ、あと青ネギ。
(結)
今日のお昼に食べたけどまた行きたい!
短い文章にまとめる場合は、理路整然と論理的に書くのではなく感情的に書いた方が良い。その方が短くまとまる。
ラーメンのパターン
大枠の構造は起承転結だが、転の部分で味について書く文章にもパターンがある。書くべき事は大体決まっているのだ。
例えばラーメンの場合は、スープ、麺、具、トッピング、カウンター調味料について書けば、大体全ての要素を網羅できる。
下の写真は、らあめん花月嵐の『嵐げんこつらあめん』620円である。
これを題材にして、ラーメンのパターンを説明してみよう。
嵐げんこつらあめんに半熟味玉をトッピングして720円。
ラーメンのパターン
まずスープだが、『あっさりかこってりか』を書けばいい。あとは旨味が濃いか薄いか、透明度、温度、何か浮いてないか、脂の量辺りを観察して書く。
嵐げんこつらあめんの場合だと、『背脂が浮いたこってり味。豚骨と野菜のスープは旨味が深く、見た目のわりにまろやかである。』って感じだろうか。
最近のラーメンスープは大体旨味が強いので、旨味に関しては強いとか濃いとか深いとか書いておけばいい。味が薄いと感じた場合は『ぼんやりした味』とすればいい。不味いと書くよりはマシだ。
脂については白い粒なら背脂、透明な場合はごま油だったりするので匂いで判断する。熊本ラーメンなどに入っている黒い油の場合は『マー油が香りとコクを深めている』とでも書いておけばいいだろう。
麺とスープの相性は悪い場合がほとんど無いので『麺とスープの相性も良い』とか書けば大体外さない。相性ほど抽象的なものはない。
温度については、熱すぎたりぬるすぎたりしたら書けばいいが、普通に食べやすい場合は書く必要はないだろう。
ラーメンの写真は、全体、アップ、麺を引き上げたとこの3枚を素早く撮って伸びないうちに食べるのが鉄則。
麺は太さと縮れ方、噛んだ時の感触について書けばいいだろう。極細麺、細麺、中細麺、中太麺、太麺、極太麺の6種類。中細麺、中太麺については正直違いが判らない事もあるが、なんとなくで分ければいい。
縮れ方は、ストレート、縮れ、超縮れの3種類くらいで良いと思う。『ストレート細麺』とか、『縮れ中細麺』とか書けばいい。嵐げんこつらあめんの場合は多分『縮れ中細麺』である。
食感については、ザクザク、モチモチ、パツパツ、ツルツル、シコシコなど擬音を上手く使えば綺麗にまとまる。
麺を引き上げた写真はラーメンの場合定番。
カウンター調味料の激辛壺ニラ。カウンター調味料についてもどう使うかなどを書くと広がる。
具は、『チャーシュー、メンマ、海苔、ゆで玉子』と種類を列挙してから『チャーシューは薄いがトロリとしていて好みだ』なんて書けば良い。脂身の具合、厚さ(あるいは薄さ)、柔らかさなんかを書けば良い。他の具は特徴があれば書くが、無い場合は書かなくてもいい。『普通』と書くのは意味がない。
基本的には、食感(触覚)、味(味覚)、歯ごたえ(触覚と聴覚)、匂い(嗅覚)、見た目(視覚)について書くと大体描写できる。味覚だけに頼らず五感を使うのがコツである。
途中でカウンター調味料などを使う場合は周辺情報として書いておくと親切だ。前述のとんこつラーメンなら柚子胡椒とすりごま、花月嵐なら『注文時に頼めば生ニンニクをもらえる。にんにく潰し器で潰してラーメンに入れればスタミナが付きそうな味に変身。また、終盤は酢と激辛壺ニラで味変すれば最後まで飽きずに食べられる』とでも書けばいいと思う。
あと大事なのは『美味い』と安易に書かないことだ。『美味い』は主観であり、好みの問題なので書いてもあんまり意味がない。また、『美味い』と書くとそれで文章が終わってしまう。
絶対にダメではないが、出来るだけ少ない回数で留めたい。ただし、文字数制限が厳しい場合は使ってもOKとする(『美味い』を別の言葉で書くのは文字数を要するので)。
ラーメン花月の冷やし中華。味の言語化が苦手な人でも言語化出来る派手さである。
ラーメンの味を書く方法についてまとめるとこんな具合だろうか。
メニューの名前、値段を書いたら各パーツについて書く。
麺の種類と食感
ザクザク、シコシコ、モチモチなど。擬音を使うと伝わりやすい。
スープの種類と味
色、透明度、ダシの種類、アッサリ、こってり、旨味の濃さは濃いとしておけば外さない。
具について
載っている具を列挙、チャーシューは厚さ、柔らかさ、味などを書く。判れば肉の部位も。
大体パターンの組み合わせなので、ラーメンの味を言語化するジェネレータとか簡単に作れそうな気がする。
言語化しやすい味の店に行けばいい
余談をダラダラと書く。
らあめん花月嵐のラーメンは味がハッキリしており、味の文章化が苦手な人でも書きやすいと思う。最近の人気ラーメン店はどこもそうだが、どんな味音痴の人が食べても味の違いが判るようなクッキリした味付けになっている。
要するにSNSなどで口コミを生む人気店とは、『言語化しやすい味の店』である。うどんかよ!みたいな極太麺とか魚粉とか、本来隠し味に使うような素材をもっさり盛るロックさが口コミを生むのだ。
つけ麺なんかは麺がやたら太くて、スープはつけ汁だけあって濃い旨味の塊だ。非常に言語化しやすく、口コミを生みやすい。だから東京では流行ってるんだと思う。適度にぬるくなるのも味が判りやすくなって良いのだろう(個人的にはあんまり好きじゃないけど)。
他のメニューにも広げよう
判りやすいかと思ってラーメンを題材に説明してきた。次のページでは他のメニューについても書いていきたい。
麺つながりでうどんなどどうでしょう
1ページ目でラーメンの書き方について書いたので、次は讃岐うどんについて書く事にしよう。
かけうどん並に、カレイと鶏の天ぷら。
麺類なので、基本はラーメンと同じである。麺とスープ、具について書く。ただ、これはかけうどんなので具がない。その場合は天ぷらについて書けば良い。
では例文を書いてみよう。
ネギ、天かす、おろし生姜は入れ放題。ご飯120円と組み合わせると天かす丼を食べられる。
かけうどん並+カレイの天ぷら+かしわ天で520円
揚げたての天ぷらとつるつるのうどんでお馴染みの丸亀製麺。私の定番はかけうどん並にカレイと鶏肉の天ぷらである。
カウンターに並んで注文、うどんを待っている間に天ぷらを皿に取る。うどんが280円に天ぷらがそれぞれ120円、しめて520円だ。
スープは透き通った魚介系。昆布と数種の削り節をブレンドしているという。クリアな旨味と塩気がモチモチのうどんと相性バッチリだ。天かすやおろし生姜はお好みで自由にトッピング出来るのも嬉しい。
カレイの天ぷら、衣はカリッと揚がっており身はふっくらとした白身。これが120円とはお得だろう。かしわ天はモモ肉を使用。しっかりと味がついているので塩も醤油もなしでそのままガブリと食べたい。
このレベルのうどんと天ぷらが低価格で食べられるなら文句はない。人気があるのも納得のうどんチェーンである。
角が綺麗な讃岐うどん。これが280円とは。
やっぱり起承転結とパターンだ
起承転結を基本として、つゆ、麺、具(天ぷら)について書いてまとめれば良いのだ。Twitter用に短く書いた場合も載せておこう。
『今日のお昼は丸亀製麺。かけうどん並にカレイ天とかしわ天で520円だった。透き通ったつゆと讃岐うどんが美味しい!モチモチ食感にサッパリしたつゆがたまらんで す。カレイの天ぷらは白身がふっくら、かしわ天はジューシーなモモ肉!また行こ!(´∀`)』
これで119文字。小さく起承転結が入っている。『讃岐うどんが美味しい!』で『美味しい』を使っているので、『モチモチ食感にサッパリしたつゆがたまらん。』の部 分では『たまらん』を使った。同じ単語を連続して使うとバカみたいな文章になるので、違う表現にしたほうがいい。
丸亀製麺はうどんも美味いが天ぷらもハイレベルだ。
次はカレーです
麺類の次はご飯もの。松屋のカレーについて書いてみたい。下の写真はオリジナルカレーに牛丼の具が乗った『オリジナルカレギュウ』である。530円。牛丼が280円って事を考えると、ちょっとした高級メニューである。
カレーライスにも絶対にみそ汁を付けてくるのが松屋の意地。
カレーの場合は、まずルウの種類と味。具の内容、ご飯の硬さや味、トッピングやスープ、カウンター調味料など周辺情報を書けば良い。
麺類などと仕組みは一緒である。
カレーとしてか、牛丼としてか、ご飯の食べ方に迷うメニューである。
ルウについては『野菜も牛肉もトロトロに煮込まれ、苦味と酸味、辛味と甘味が複雑に絡まり合っている。牛丼屋のカレーとバカに出来ない本格欧風カレーだ』とでも書けば良いと思う。
周辺情報として『辛さが足らない場合は、カウンターにある辛味スパイスを掛ければいい』とか『カレギュウは牛丼のつもりで食べるとご飯が足らなくなりルウが余る。ここは男らしく大盛を頼みたい』なんて事を書けば良いだろう。
まとめに『みそ汁を飲むタイミングに悩むが、デザート感覚で最後に一気飲みしてください』とオチに持ってくるのも一興である。
ご飯ものとして、かつやのかつ丼
ご飯もの繋がりでかつ丼についても書いてみたい。かつ丼と言えば、個人的にはかつやである。世の中にはたくさんのかつ丼があるが、総合的にかつやのかつ丼を越えてくるかつ丼はない(個人の感想です)。
対象を言語化するには愛が必要である。ここでは愛が生み出す言語化について見ていただきたい。
かつやのかつ丼は514円。多分4月から530円か529円になるだろうけど。
丼物の場合は、やはりまず乗っている物について書く事になるだろう。
『514円と、かつ丼としては低価格ながら肉に厚みがあり食べ応え十分。衣の一部にサクサク感が残っており香ばしい。安いかつ丼が省きがちな三つ葉がしっかり乗っているのも嬉しい。玉子はふわふわ、甘辛いタレも期待通りの味である。』
カツについてはこんな感じになるだろうか。肉感、衣、玉子とじ、三つ葉について書くと要素を網羅できる。『期待通りの味』と書いたのは『美味い』と書かないためのテクニックである。
丼物の場合は米についても書いておきたい。
『ご飯の味も及第点。甘味があり、粒がしっかりしていてカツに負けていない』
米の場合は意識して食べないと『普通に美味しい』で終わりがちなので、味わって食べてた方がいい。が、よく判らなければ『甘くて美味しい』とか『カツに負けていない』とか、大抵当てはまることや抽象的な事を書けばいいだろう。
ただし、不味い場合は除く。不味いなと思ったら『べちゃべちゃ』とか『ボソボソ』とか『割れ米が多く食感が悪い』とでも書けばいい。
かつ丼には三つ葉が欲しい派です。富士そばのかつ丼には三つ葉がないので、かつやは偉い。
また、かつやの場合はお茶や漬け物、接客なども良いので是非書いていきたい。ここで愛の出番である。愛情を持って口コミを生みたい。
『かつやで嬉しいのはお茶の美味しさである。濃いめのほうじ茶は揚げ物のくどさをサッパリさせてくれる。お茶が美味しい飲食店は料理が美味しいものだが、その法則はかつやにも当てはまっている。
テーブルには大根の漬け物が入った壺が置いてあり、注文してからの待ち時間や食べ終わってからの食休みにポリポリ出来る。店内は明るく清潔で、たいていの場合接客も良い。通いたいトンカツチェーンである』
とか書くといいんじゃないかと思う。低価格のお店で接客や清潔感を云々するのもなんだが、良い場合は積極的に評価していきたい。
この漬け物が良いんだよ。絶対に直箸では食べないこと!トングでどんぶりなどに取って食べましょう。
以上を踏まえて、次のページでは食べ比べを書いてみたいと思う。柿の種の食べ比べをするのだ。
柿の種食べ比べ
さて、味の書き方が判ったら食べ比べをしてみよう。味の言語化が目指すのはやはり食べ比べ、何がどういう味で、それとこれを比べてこの味はどうだ、みたいな事を書けると情報としての価値が上がる。
どれも一緒だろ!みたいなメニューとして柿の種を選んでみた。
柿の種は辛さ、食感、香り、味が争点となる。特に煎餅系では食感が重要となる。硬さと結晶感が大事なのだ。結晶感とは噛んだ時の割れ方で決まる。パリンと割れるのは結晶感高め。サクッと歯が入るのは結晶感低め。
僕は硬くて結晶感が高い煎餅が好きだ。
定番の柿の種。小分けなので山などに持っていくのも適している。実売価格は大体168円~198円ほど。
亀田製菓 亀田の柿の種6袋詰
定番であり評価の基準となり得る安定感がある。お馴染みのパッケージに入った『亀田の柿の種』だ。小袋の裏には『けなげ組』という世の中の健気を集めたコーナーが印刷されている。是非チェックしていただきたい。
全体的なバランス感はピカイチ。さすがのトップブランドだ。
ピーナッツと柿の種のバランスはちょうど良く、どちらも飽きずに食べられる。柿の種を噛んだ時に鼻に抜ける匂いにはクセがない。パリンと砕ける結晶感も好みである。誰が食べても美味しいと感じる完璧なチューニング。柿の種界の浅田真央と呼ぶべき存在だ。
辛さは控えめで、ビール、日本酒、なんなら赤ワインにだって合うオールマイティーさも嬉しい。
実売価格は200円弱の事が多いが、まれに168円で売られている事もあり。そんな時は間違いなく買いであろう。
結晶感 4 辛さ 3 硬さ 3
大容量で安いのが特徴。ペットボトルに入れて山に持っていってます。行動食にいい。
トップバリュ ピーナッツ入り柿の種
イオン系スーパーで売られているプライベートブランドがトップバリュ。たいていの場合、量が多くて値段が安い。
6パック入りのバージョンもあるが、今回は大袋入りを選んでみた。より多く、より安いものをという判断である。
亀田よりちょっと硬いトップバリュ。
もしや亀田のOEM製品?むしろ同じ物?と思えるほど同じに見える。が、食べてみると、わずかに食感が違う。
亀田より硬く、ザクザクした食感だ。硬い煎餅が好きな人はこの歯ごたえにハマると思う。系統としては浪速屋製菓の元祖柿の種に近い。ピーナッツの比率や味は亀田の物とほぼ変わらない。
辛さは亀田と同程度。口の中がほんのり温かくなる感じだ。
特筆すべきはその値段で、300g入りで158円である。亀田の6パック入りは合計210gで168円~198円なので、ぶっちぎりの安さといえよう。
結晶感 4 辛さ 3 硬さ 4
今やどこのスーパーでもお手軽に買えます。
浪速屋製菓 元祖柿の種
僕が子供の頃は大きな缶入りのしか見たことなくて、いただきものなど特別な時しか食べられなかった元祖柿の種。今や袋入りがコンビニやスーパーで手軽に買える。いい時代である。
米の甘味を堪能できる逸品。
食べた時にもっとも米の味を感じるのは、この柿の種だろう。亀田の柿の種を上回る結晶感はガリパリと言うべき食感を残し、噛むほどに米らしい粘りが出てくる。喉に残る米の甘味が素晴らしい。
ピーナッツが入っていないのは好みが分かれるところだろうが、僕はそんなとこも結構好きだ。なんならピーナッツ入りも売られているのでそっちを選んで欲しい。
154g入りで207円はやや高いが、値段に見合うだけのプレミアム感は感じられる。
結晶感 5 辛さ 3 硬さ 3
三幸製菓と言えばマツケンである。思うに、ターゲットはお年寄りである。
サクサク食感の軽い柿の種。
さて、柿の種だ。
他の柿の種とは見た目からして違う。マットな表面とずんぐりしたフォルム。唐辛子の粒が表面に散らされている。
食感はサクサク系。他の品種と比べるとソフトな感じである。歯で軽く噛むとジワっと崩れ、やや重めの煎餅臭が鼻に抜けていく。これまでの3種類は、硬めのパリパリ食感で煎餅のクセは弱めという点で似ていた。だが、これは明らかに毛色が違う。
ソフトサラダやハッピーターンの食感が好きな方には合っていると思う。ただ、個人的には好みではない。6パックで合計154g。少なめだが値段も安く138円だった。ポテチより安い。気軽に間食するのにいいサイズと言えよう。
結晶感 1 辛さ 4 硬さ 2
次のページであと5種類食べ比べます。
セブンプレミアムは大体外れがない。
セブンプレミアム こだわりの柿ピー
セブンイレブンのプライベートブランドであるセブンプレミアムの柿の種だ。90g入りで118円。ちょっとつまみが欲しい時に気軽に買える量と値段である。
ピーナッツがとにかく多い。大粒で形もいい。主役はピーナッツだ。
なんだか柿の種よりもピーナッツが多いなぁと思っていたら、袋の裏に答えがあった。『3つのこだわり』というのが書いてあるのだが、1は大粒の落花生を使用、2は香ばしくて風味豊かなバタピー。3でようやく柿の種について書かれていた。そう、この柿ピーにおいて主役はピーナッツなのだった。加工元は『まーめはでんろく』でお馴染みのでん六である。納得。
柿の種自体は亀田の柿の種に似た食感と味だ。誰もが美味しいと思うレベルに仕上がっている。
僕は煎餅が好きなので、柿の種においてピーナッツは添物としか思っていなかった。が、ここまで大粒で強い味のバタピーを食べさせられると、バタピー主体の柿ピーもありだなと思ってしまうのだった。
結晶感 4 辛さ 3 硬さ 3
柿の種界の至宝である。
越後製菓 味の追求 大柿
越後製菓の『味の追求』シリーズは工場直送、鮮度にこだわった逸品だ。大柿はその名の通り大きめの柿の種。
口に入れてまず感じるのが、醤油の豊かな香りと旨味。少し遅れて辛味がやってくるが、決して辛すぎない。
歯ごたえは硬く、僕好みの結晶感である。ただ、後味に煎餅の苦味が若干残るのが残念だ。些細な点なのだが、浪速屋の柿の種を比べると、柿の種としての純度が低く感じられる。
結晶感 5 辛さ 3 硬さ 5
全体としては美味しいのだが、後味が少しだけ残念。
越後製菓 味の追求 大辛柿乃種
前述の大柿に一味唐辛子をたっぷりまぶしたのが大辛柿乃種である。
僕は実は辛い物を食べると覿面にお腹を壊すのだが、この大辛柿乃種を食べるとやはりお腹を壊す。次の日に出かける予定が入っている場合は食べない様にしている。
ものすごく辛くて、ものすごく美味しい。
味の方はと言うと、激辛激旨である。たっぷり掛かった一味唐辛子が後味の苦味を消し去り、そこに残っているのは硬く、大きく、ひたすらに辛い柿の種だ。
お腹を壊すのが判っていても、次から次へと手が伸び口に放り込んでしまう。カプサイシンにはなにか麻薬的な効果があるんじゃないかと思うほどだ。
危険な美味しさの柿の種である。
結晶感 5 辛さ 10 硬さ 5
(5段階評価だが、辛さについては限界を越えてきたので10としました)
ハバネロを越える辛さの唐辛子だそうだ。
なとり 激辛柿の種&ピーナッツ
おつまみでお馴染みのなとりの柿の種である。激辛と言うからハバネロでも使ってるのかと思ったら、ハバネロの3.4倍のカプサイシンを含む超激辛とうがらし『アカハチ』を使っているという。なとりが酒飲みを殺しに来た。
一見普通の見た目だが、実は激辛である。
なとり 激辛柿の種&ピーナッツ
匂いは普通に柿の種。食べてみると、最初はなんともないのだが5秒ほどして辛味がやってくる。頭皮がむずむず、目の前クラクラ。大辛柿乃種とはまた違ったパンチ力である。
柿の種の食感はトップバリュに似たガリガリ系。噛む振動がカプサイシンにやられた頭に響いて更なるクラクラをもたらした。
60g入りで100円ちょい。これ以上は一気に食べたらお腹がヤバイのでちょうど良い量と言えましょう。
結晶感 5 辛さ 8 硬さ 5
変化球の最高峰と言える。
亀田製菓 亀田の柿の種6袋詰 ぶどう山椒
亀田はたまに変化球柿の種を繰り出してくる。わさびとか梅とか柚子胡椒とか。
現在期間限定で発売されているのがぶどう山椒である。僕はスパイスの中では山椒が一番好きなので、やはりこれもマストバイであろう。
ノーマルよりもちょっと硬め、ガリガリ系柿の種に濃厚な山椒味がコーティングされている。噛むと口から鼻全体に広がる山椒風味は鮮烈だ。木の芽を直接食べた時のような爽やかさにはやられた。もはや虜といって良いぞっこんラヴである。
見た目は普通、食べると山椒!お気に入りに登録しました。
是非定番化してほしい商品である。もしも発売が終わるような事があるとしたら箱で買うので連絡ください。山椒好きは今すぐスーパーでお買い求めを。ただし、葛西周辺のスーパーで買い占められると僕が困るので、葛西の人は買い占めしないでください。
さぁ、口コミを生むのだ!
食べ物の味を言語化する方法は大体判っていただけたと思う。味覚だけでなく五感を駆使して、感じた事を素直に書けば良いのだ。難しい事はない。
『美味しい』や『不味い』、『普通』など安直な言葉を避ければ、おのずと他の言葉が出てくるでしょう。
みんなどんどん口コミしようぜ!