お吸い物にはワサビ
日本二大チューブである「ワサビ」。一般にお刺身を食べる時に大活躍する一品だ。しかし、その他での使い道があまり浮かばない。パンに塗るわけでもないし、隠し味に入れることもない。存在感があるようでないのがワサビだと思う。
日本二大チューブである「ワサビ」(もうひとつはカラシである)
そんなワサビがお刺身以外で輝く瞬間を見つけた。ワサビのおかげで世界三大スープが世界四大スープになったのだ。それはインスタントのお吸い物にワサビを入れたもの。それだけなのに洗練された極上の汁物になるのだ。
美味い!これに、
ワサビを入れるだけで世界一の汁物に!
秘伝の出汁を使うわけでもなく、長年の経験も必要とせず、よく法事の時に飲むインスタントのお吸い物にチューブのワサビを入れるだけ。それなのに、和の清々しい味わいが口の中に広がり、由緒正しい味の汁物となるのだ。年賀の挨拶をしに行くのではなく、しに来られる味だ。
美味い!
お吸い物の優しい味わいにワサビの鼻抜けのよい香りがよく合う。カップルならお似合いだし、兄弟なら仲良しだし、ジャンプなら巻頭カラーだ。映画化してもおかしくない味がする。私はこのお吸い物に出会い人生が少し明るくなった気すらする。
幸せの味!
みそ汁にワサビも美味しかった!
みそ汁にワサビは田舎の歴史ある家のような深みのある味わいになる。緑が濃く、田んぼがあり、水が綺麗、そんな風景が浮かぶのだ。今まで飲んできたみそ汁よりも美味しく感じる。ワサビは味に深みを出すのだ。an・anでみそ汁特集があればアイドルがこれを飲むと思う。
美味しいのです!
コンソメスープにワサビ
日本の汁物だけでなく、海外の汁物にも目を向けようとコンソメスープにワサビを入れた。最近では和食にも海外のテーストを入れることも少なくないと聞く。カリフォルニアロールという成功者もいるように海外のものと和は相性がいいのだ。
コンソメスープにもワサビ!
飲んだとたんにヨーロッパの田園風景が浮かび、目尻には涙が浮かぶ。懐かしいのだ。私はヨーロッパの田舎の方に行ったことはないけれど、私の心のどこかにあるヨーロピアンな部分に訴えてくるのだ。また味にパンチが出現し、コンソメパンチスープとなる。コンソメの持つ美味しさをより引き出すのだ。ワサビは名脇役である。
心のヨーロピアンに訴えてくる味!
コーンポタージュにワサビ
海外の汁物とワサビの相性は良かったので、冬の朝に飲みたい汁物第一位に君臨していたコーンポタージュにもワサビを入れた。やはりこれも美味しかった。コーンポタージュ界の革命である。
コーンポタージュにもワサビという光を!
世の中には対局なものが同列に並ぶことがある。「痛がゆい」「ブサカワイイ」などがそうである。それと同じようにこれも「あまわさびい」な味がする。それぞれが独立する味わいなのだが、ブサカワイイがそうであるように、成立しているのである。むしろ美味しい。それぞれのよいところが際立つ汁物だ。
よく飲みます!
そうでもないものもある
先に紹介した汁物にワサビは成功したものである。もちろん失敗もある。たとえば、ミネストローネにワサビを入れたら、味はよかったのだけれど、匂いが若干ではあるが、三角コーナーのようだった。またお湯にワサビだけを入れたら、薄いワサビ味の液体で美味しくはなかった。
味はすごくよかったが、匂いがダメ
そんな失敗作を味わった時の口直しはお吸い物にワサビである。汁物界の革命児。カンブリア宮殿あたりで特集されてもおかしくない。豚肉を食べて牛肉と思った私の舌にも美味しいとわかるのだ。
お湯にワサビも分かりやすく美味しくなかった
世界四大スープの誕生です!
全体的に汁物にワサビを入れると、その汁物にパンチが出て、飲まずにはいられない一品になった。その中でも特に「お吸い物にワサビ」が美味しかった。これを初めて味わった時の感動は、初めて上京してきた時の東京の街並のように忘れられない。彼はいま汁物界の東京に上京してきたのだ。