特集 2011年8月17日

ここがポッキーの大トロだ!

本当に食べたい部分、そこだけをピンポイントで喰らいたいのです
本当に食べたい部分、そこだけをピンポイントで喰らいたいのです
ひとつの食べ物の中にも、すごく美味しい部分、普通な部分、あまり美味しくない部分ってありますよね。

普段はもったいないから全部ひっくるめて食べてるわけですが、その「すごく美味しい部分」だけ抽出して食べたら、とてつもない味覚体験ができるのではないでしょうか。
1975年群馬生まれ。ライター&イラストレーター。
犯罪者からアイドルちゃんまで興味の幅は広範囲。仕事のジャンルも幅が広過ぎて、他人に何の仕事をしている人なのか説明するのが非常に苦痛です。変なスポット、変なおっちゃんなど、どーしてこんなことに……というようなものに関する記事をよく書きます。(動画インタビュー)

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美味しい中でもグレード分けがあると思う

美味しい食べ物は美味しい!

……いきなり酔っぱらって書いてるのかというような書き出しからのスタートですが、まあ美味しい食べ物って美味しいじゃないですか。

ただ、同じ「美味しい」の中にも「ものすごく美味しい」から「そこそこ美味しい」まで、様々なグレードの美味しいがあると思うのです。
テスト販売時は「チョコテック」って名前だったそうな
テスト販売時は「チョコテック」って名前だったそうな
たとえばチョコレート菓子の超定番「ポッキー」。

ボクの中では美味しいスコア78点くらいには達する、かなり美味しい部類に入るお菓子なのですが、一本のポッキーのすべての部位が均一に美味しいスコア78点というわけではないんじゃないでしょうか。
一本のポッキーの中でグレード分けするならば……
一本のポッキーの中でグレード分けするならば……
こんな感じじゃない?
こんな感じじゃない?
やはり、棒部分にチョコレートがかかっていてこそのポッキーでしょう。特に先端部分のココ!
たっぷりとチョコレートの液だまりができているこの部分こそ、ポッキー・オブ・ザ・ポッキー! まさにポッキーの中のポッキーと呼ぶにふさわしい、濃厚なチョコレートの味わいを誇る稀少部位といっていいのではないでしょうか。

それに比べて根本の棒丸出しになってる部分ね……。
異論は認めます
異論は認めます
もちろん、あの棒自体も美味しいとは思いますよ。

思うんですけど、そもそもの成り立ちからしてあの根本部分って、味うんぬんよりも「食べる時にチョコが手につかないように」という意味合いの方が大きいと思うのです。
異論は認めます……
異論は認めます……
ポッキーにおいてなくてはならない部位ではあるものの、味覚的な貢献度は低いという……。いや、この言い方は語弊があるかな。

それじゃ、それじゃ、ポッキーをマグロに見立ててみましょう。
中トロの異常に多いマグロですが
中トロの異常に多いマグロですが
赤身が好きな人もいる、中トロが好きな人もいる、もちろん大トロが好きな人もいる。んで、マグロづくしを食べるならば、そのどれもが揃ってなきゃ困る。

でも、時にはアホみたいに大トロばっかり食べまくりたいこともあるじゃない! ……と。

この例えもかなり間違っているんじゃないかと思いつつ、
最近よくある、生クリームばっか異常に多いロールケーキとか、
タケノコの穂先の柔らかーい部分だけ集めてメンマにした桃屋の「穂先メンマやわらぎ」なんかを食べていると、「やっぱり食べ物の、特に美味しい部分だけを集めて食べるとホントに美味しいなぁ……」と思うのです。

ということで今回は、いろいろな食べ物の「大トロ」部分を集めて食べてみたいと思います。
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ポッキーの大トロを喰らう

それでは早速、ポッキーの「大トロ」を採取したいと思います。
あ……ぐちゃぐちゃ
あ……ぐちゃぐちゃ
やはりこの時期、チョコレート菓子をいじくるのは危険ですね。チョコレートがゆるゆるになっちゃってるから。
冷凍庫で冷やしましょうね
冷凍庫で冷やしましょうね
最近は冷房事情も良くなってるので「夏場はチョコレート販売しない」的なことは少なくなってますが、今年の節電ムードでちょいと暑くなっちゃってるスーパーなんかで買うとテロテロになってることがよくあります。

……さてさて、そろそろ冷えたかな。
ほい、大トロ・ゲット!
ほい、大トロ・ゲット!
冷やしたおかげで、このようにキレイ……とまではちょっと言い難いものの、一応切断することができました。
そんなこんなで、とりあえず一袋分のポッキーから大トロを採取いたしましたよ。
それにしても、まな板の上でお菓子をいじくり回すこの作業、昔懐かしのリトルグルメ漫画『OH! MYコンブ』を思い出してしまいますなな(主な食材がお菓子というすごい料理漫画でした……)。
さあ、ポッキーの大トロ部分を一気食い!

見た目はエサ、もしくは未来のナゾ食品っぽいですが、ボクの心の中だけではものすごくゴージャス! ちょっとコーフンしてきました!
さすが、美味しいポッキーのオイシー部分のみを抽出した大トロ・ポッキー(いちごポッキー的な響きで)! 濃厚なチョコ味の中にアクセントとして入ってくる棒のショリショリ感。ああ、美味しい美味しい。

でもこの味、すでに食べたことがあるなー……。
あ、コレか
あ、コレか
数本のポッキーを大胆に一気食いした時のひとくち目の味ですね。
さて、美味しく大トロ部分を頂きましたが、まだポッキーは大量に残っております。

大富豪だったら大トロをかじっては投げ……的な食い方もアリかもしれませんが、そこはザ・庶民。残った部分もちゃんと食べなくちゃ、もったいないオバケが出ちゃいますよ。
まずは、ルックス的にはあまりそそられない棒部分オンリーというパターン。
荒廃した大地が脳裏に浮かびました
荒廃した大地が脳裏に浮かびました
もちろん不味くはないんですけど、 ものすごく味気ないというか……。やっぱポッキーにとってチョコは超・重要ですね。

そして、歯の間につまるつまる。
さてさて最後に残ったのは、チョコ&棒がほどよく合わさった中トロ部分。まあ、ここは通常の食べ方をするにあたって、ポッキーのメインコンテンツにあたる部位。フツーに美味しいにきまってますよね。……ただ、持つ棒を失ったことによってすさまじく食べづらそうですが。

ポッキーの開発当初はこういう形にしようとしていたみたいですけど、あまりに食べづらいため、現在のように持つ部分にはチョコレートをつけないというスタイルが確立されたらしいですし。
うわぁー
うわぁー
確かに、その判断は大正解。手ェべったべたになっちゃった……。
ポッキーを部位ごとに食べ比べてきて、まあ確かに大トロ部分は美味しいんですが、一箱食べると考えるとトータルではやはりフツーに食べるのが一番バランスがいいんじゃないかなと……元も子もないですな。

それじゃポッキー編の最後に、とりあえずトータルでのバランスとかいいから、これぞ究極という大トロ・ポッキーを作ってみたいと思います。
新種のキノコっぽいこのルックス
新種のキノコっぽいこのルックス
ポッキーのハンドリングの良さは残しつつ、食べても食べても大トロ部分の濃厚な味わいを楽しめるという、アルティメットなポッキー! こんなのはどーでしょ!?
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コロンも大トロ食品だ

つづいて大トロを抽出してみたい食べ物はお菓子の「コロン」。
コレもかなり昔から存在する定番お菓子ですが、パッケージに「ふわふわクリームのコロン」と書かれているように、周りのクッキー部分はオマケで、中心部のクリームこそがメインであると思うのです。
周りのクッキー部分がまた、むきたくなる構造なんだ
周りのクッキー部分がまた、むきたくなる構造なんだ
ポッキーと同様、中身のクリームむき出しじゃあ食べにくいことこの上ないのでこの形になってるんでしょうが、このコロンもまた、特に美味しい部位だけを抽出して食べてみたい大トロ食品といえましょう。
早速、周りの殻(?)をむいて大トロを捕りだしていきます。……が、なんか汚らしいですね。
殻を全部むいていく……というよりは、ある程度、殻をむいたらナイフかなんかでこそげ取った方がキレイに取り出せそうです。

これ、コロンの殻むきライフハックね。
ほい、だいぶ収穫できました。

なんかこの作業ずっとやってると、トゲトゲの殻からウニを取り出す的な、クルミの実を割ってる的な気持ちになってきます。

そういう気持ちで見ると、コロンの中身は珍味っぽく見えてきますね。
さて、スプーンの上に乗っけると、ますますなんだかよく分からない物体ですが、このコロンの大トロ部分、一気食いさせて頂きましょう。
おおおっ、脳がしびれるくらいアマーイ!

生クリームとは明らかに違う、ざらざらとした粉感が残る妙にチープな甘さ。でも美味しい! あとを引いちゃう甘さです。
このクリーム、こういうパッケージで売り出されたら買っちゃうと思いますよ。ものすごく胃にもたれそうだけど。

スイカの貴族な食べ方

さてさて、ここまではなかなか美味しい大トロを堪能してきましたが、ちょっと甘ったるい大トロばかりだったので、続いては爽やかな果物の大トロを食べてみたいと思います。
今の時期、無性に食べたくなるスイカ!
このスイカも、正直なことをいえば本当に美味しいのってこの辺くらいまでじゃないですか?

あとは段々、皮の味に近くなっていくというか……。カブトムシの気分になってくるような味に変貌しちゃいますよね。
さあ、スイカの大トロ部分だけを贅沢にくり抜いて食べてみましょう。

子供の頃、こんな贅沢な食い方してたら農家をやってたじいちゃんにぶん殴られてたと思いますが……。
スイカ1/4玉から採取できたのはこんなもん。まさに稀少部位!

でもこの段階ですでにツヤツヤのジュックジュクで、すさまじく美味しそうですわ。
ザーッと一気に行かせていただきます
ザーッと一気に行かせていただきます
これは! 1/4玉299円で買ってきたとは思えない甘さ、みずみずしさよ。おおおおっ。

今年、初・スイカというゲタを考慮しても、これは美味いスイカ!
一方、スイカの赤身部分(全体的に赤いからややこしい表現ですが)はというと……うーん、「スイカってやっぱ野菜なんだな」と思わせる味。

水気たっぷりで不味くはないものの、大トロ部分のような甘さを期待していると、少々残念感があります。

でも、やっぱり量が多いだけにスイカの味というとこの赤身部分のイメージが強いんですよね。ただ、あの大トロの味を覚えてしまった今となっては……。

「私はこの皮に近いところの方が好きだから、ヂンくんは大トロ食べて」的なことをいって、毎回スイカの大トロ部分ばっかり食べさせてくれる女の子がいたら即・結婚したいですな。

ハンバーガーのココが食べたいんでしょ

つづいての「ここだけ食いたい!」食品はコレ。ハンバーガー!
ハンバーガーって、要はハンバーグ部分を食べたいんでしょ? でもハンバーグむき出しじゃ手に持って食べづらいからバンズではさんでるんじゃないの? ……と前々から思っていました。

いや「だったらハンバーグ屋に行け」とかそういうハナシじゃなくてですね……。
そもそもが「ハンバーガー」って名前自体、ハンバーグにウエイト置き過ぎてるじゃないですか。

だって、こういうことでしょ?
「ハンバーガー」という名前を部位ごとに分解すれば、自ずとこうなるわけで。

「ハンバー」部分と「ガー」部分、どちらがメインか誰の目にも明らかでしょう。
というわけで、ハンバーガーの大トロ、「ハンバー」部分だけを取り出して食べてみましょう。
他ではなかなかお目にかかれないくらい薄いハンバーグの味は……!?
あら、しょーじき見くびってましたが、なかなか美味しいですよ、こりゃ。

いわゆるハンバーグ屋で食べるようなハンバーグと比べると肉のパサパサ感はあるものの、バンズと一緒に食べることを想定しているためか肉自体の味が濃くて、噛めば噛むほど味が出てくるタイプのザ・肉味!
濃い味付けだし、コレはご飯に合いそうな味だな、と思って試してみたところ……イケますわ! こりゃあ、ハンバーガーの新しい楽しみ方を発見してしまったんじゃないですか!? ……全然流行りそうにないけど。
さて、残されてしまったこの「ガー」部分。バンズ+ピクルス+ケチャップのみという、非常に哀愁漂う姿となっております。
巨大なマカロンみたい
巨大なマカロンみたい
コイツももったいないので食べてみたら、バンズの甘みとケチャップ、ピクルスの酸味がいい案配で組み合わさって、コレはコレでなかなか美味しかったです。

まあ店内で分解食いしてたら、ものすごく貧乏臭いでしょうけどね。

色々気にせず大トロばっか食える大人になりたい

普段、食事をするに当たっては、食べ物トータルとしてバランスの取れた味、というのももちろん重要なんですが、たまには旨みを濃縮させた大トロ部分をガッツリ食べたい!

今回、そんなドリームをカム・トゥルーしてみたわけですが、おおむね予想通り、トータルで食べた時よりも数段美味しくなりました。

まあ、今回は一口分くらいづつだったからよかったものの、この大トロ部分を腹一杯になるくらいまで食べたら相当もたれそうですけどね。
正直、甘い物が多かったんで、口休め的に食べてた「穂先メンマやわらぎ」が一番美味しく感じました
正直、甘い物が多かったんで、口休め的に食べてた「穂先メンマやわらぎ」が一番美味しく感じました
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