ういろうはちょといいおやつ
独自の食文化を育んできた愛知県において、ちょっといいおやつといえば「ういろう」ではないだろうか。
おにまんもしるこサンドも美味しいが、あとなごやんもいいよね。
でもやっぱり、ちょっといいおやつといって多くの人が思い浮かべるのはういろうだと思う。ういろうはデザートでもスイーツでもなく、ちょっといいおやつなのである。
そんなういろうにも近年、新しい風が吹き始めた。
僕の父はういろうが好きで、長いまま魚肉ソーセージみたいに剥いて食べていたのを覚えている。子ども心にやべえなと思っていたが、いま思いだしてもやばい。今度やってみようか。
ういろうワッサン登場
先日名古屋駅にて。そんなういろうに新しいラインナップを見つけてしまったのだ。
それがういろうワッサンである。
名古屋はいよいよクロワッサンにういろう挟んできた。
正直「ういろうワッサン」は語呂がいいとは言いにくいが、口に出して三回くらい唱えると好きになってくるから試してみてほしい。
ういろうワッサンはいわゆるミニクロワッサンのサイズである。
店頭には「しろ」「くろ」「さくら」「抹茶」四種類のういろうワッサンが置かれていた。
幼少期を愛知で過ごした身としては「さくら、まっちゃ、しろニッキ。あおやぎういろう~」でひとまとまりなので(そういうCMソングがあったんです)、ニッキはないのかと探してみたがなかった。青柳ういろうのサイトを見てもいまニッキってないんですね。
愛知以外にはどうでもいい話をしてしまって申し訳ないが、ここでまたういろうワッサンに戻る。ういろうワッサン、持つと小ぶりなのにしっかりとした質量を感じるのだ。これはきっと挟まってるういろうの密度が高いからだろう。
食べてみた。
クロワッサンのサクッとした食感の芯にもちっとしたういろうが挟まっていて、その食感のギャップに戸惑う。
食べたことある人にはわかってもらえると思うが、ういろうってどちらかというとぼんやりとした甘さが売りなので、おなじくふんわりとバター香るクロワッサンに挟まれると、味がしないんじゃないかと思っていた。
なのにしっかり甘いのだ。なんだこのういろう。しかもどこか懐かしい甘さである。
これはもしや
クロワッサンとういろうの間に薄くあんこが挟んであるのだ。
これがあるとないとでは大違いだろう。あんこがあることでクロワッサンとういろうとが名実ともに一体化しているのだ。すごい。ういろう好きの父にも食べさせたかった。
おやつからスイーツへ
最初はおもしろ食べ物かと思って買ってみたういろうワッサンだったが、食べてみると完成度が高く、開発段階での試行錯誤が見えるようだった。
ちょっといいおやつであったはずのういろうが、ちょっといいスイーツに変わったのだ。
いいだろう、この先の進化も楽しみにしている。