特集 2024年2月29日

熊本で太平燕をわかりたい

太平燕と呼ばれる食べ物がある。読み方は「タイピーエン」だ。熊本のご当地グルメなのだが、なんか春雨みたいなやつだということは知っている。

本物に会いに行きたい、なので熊本で食べてきました。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

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太平燕発祥のお店で食べる

まずは太平燕の発祥のお店で食べたい。ネットで「太平燕 発祥」で調べたら出てきた会楽園というお店だ。

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お昼に行ったら大行列だった。

並んでいる。待ち時間が1時間らしい。でも、太平燕を食べるために来たので待つ。おれ、3時間ぐらいなら待てます。

待っている間に太平燕について調べてみる。

もともと、太平燕は中国で生まれたもので、ワンタン、アヒルの卵、燕の巣が入ったスープでおめでたい日に食べる料理だったそうだ。太平が平和、燕は燕の巣を使っているために名付けられた料理である。

そんな高級料理である太平燕は、日本に伝わった際、日本独自の料理に生まれ変わったそうだ。

調べていたら中へと通された。入る瞬間、店の前で「ダメだ!並んでいる!」と言って去っていったおじさんがいたが、おじさんの分まで食べるよ。

店内は撮影禁止で、料理と自分の記念撮影だけが大丈夫とのこと。頼んだのは太平燕&鶏の香り揚げ&阿蘇高菜飯のセットだ。

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ぼんやりしているのは夢だからです。食いしん坊が見た夢。

来た瞬間(おいしそう!早く食べたい!)と思い、写真を撮ったらぶれた。食い意地がカメラのピントを狂わせる。

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そして、これが太平燕。

大きなエビに揚げたたまご、そして、野菜がたっぷり入っている。そして、注目すべきは麺だ。麺が春雨なのだ。

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春雨。一般的なめんよりもヘルシー。

お昼ご飯におにぎり1個ではもの足りないときにコンビニの春雨スープを飲むときがある。お腹が5分目ぐらいになるのでちょうどいいのだ。

いま、よくやっているみたいに書いたが、ダイエットをしているときに少しやっただけである。夜にバクバク食べてしまうのでやせなかった。

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そしてこれも熊本の名物「高菜めし」だ。

熊本の家庭で出されていたのを、阿蘇にある「あそ路」というお店が提供し、熊本の名物になったのがこちらの高菜めし。

炒めた高菜の漬物をごはんと混ぜたものだ。そぼくながらも高菜の風味豊かな味がおいしい。

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そんなことよりも唐揚げを食べる。八角の香りがおいしい。
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そして、太平燕。
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あ、想像していたよりもおいしい。

白濁したスープはうまみとコクが抜群に感じられる。ただガツンとした味ではなく「うまいな…」としみじみと感じられるスープ。

そして、春雨がもちもちしている。春雨って簡単に歯でかみ切れるイメージだったが、こちらの春雨は歯ごたえがあり、それがスープと絡み合ってさすが名物である。おいしい。

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高菜めしを食べて、
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太平燕を食べつくして、
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満足したので帰ります。

お店が混雑していたのもあり、早く出なければと急いで写真を撮り、汗をかきながら外へと出た。急ぎすぎていろいろと写真を撮るのを忘れたな。なので、もう1軒行きます。

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発祥のお店その2がある

別の撮影をしたあとにアーケード通りを歩いていると、大きく「太平燕」と書かれたのぼりが立っているお店を見つけた。

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大きく「太平燕」と書かれたのぼりが足を止めた。そのお店の名前は、
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紅蘭亭。古(いにしえ)のアニメオタクだとわかるたとえだが、サクラ大戦にこんな名前のキャラいたよな。

調べるとここも発祥と出てくる。先ほどの会楽園も発祥とでてくるし、中華園というお店も発祥と出てくるが、中華園は閉店してしまったようだ。

中華園の店主の甥であった方が別の場所で味を守っている。時間の関係で行けなかったが、いつか行きたい。

どこが発祥なのだろうか。でも、太平燕が中国から日本へと伝わってきて、当時の熊本の人たちが「どこが発祥とかよりもこの味を後世に伝えていこう」と思い、歴史をつないできたものだと思うと、いい話になると思うのでそういうことにしてください。あと、本当にそういう説もあるっぽいです。諸説あります。

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メニュー表にも熊本名物と書かれている太平燕。

落ち着いた雰囲気のお店で、高級感がある。町中華にないおしゃれさがあって緊張しながらメニュー表を開くと太平燕があった。

お店ごとの味の違いを楽しむとするかと思いながら、メニュー表の間に期間限定のメニューがあるのを見つけた。

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牡蠣の太平燕だ。このメニューを見た瞬間、牡蠣を食べたい気持ちがあふれてきた。

せっかく来たのだからなにか特別なメニューを食べたい。期間限定という言葉に弱いのだ。あと、ほらおれカキフライ好きじゃん。タルタルソースをたっぷりつけて食べるカキフライ、おいしいよね。

よし、牡蠣の太平燕を食べよう。

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決めたので頼むか、と思ったら
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チャーハンがあるのを見つけてしまった。ほら、おれ生まれながらのチャーハン好きじゃん。産声もチャーハンだったし。

チャーハンが好きだ。チャーハンを食べたい。でもなー、チャーハンを食べちゃうと多い気がするなー。

今回はチャーハンは我慢して、太平燕を食べます。おれ、太平燕を食べます!

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そう思って注文したが、遠くの席にあるチャーハンを食べるお客さんをずっと見ていた。そんなに見ないで。
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これが紅蘭亭の太平燕だ。

先ほどよりも少し色が薄い気がする。そして、牡蠣が入っているのをみると、なにか豪華な食べ物をいただいている気持ちになる。

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揚げたまごが入っている。熊本の太平燕には揚げたまごが入っているのだ。

1軒目でも書いたが、熊本の太平燕には揚げたまごが入っている。これが本場中国のアヒルの卵代わりに入っている。

揚げたまご、他の料理で入っているのを見ない珍しい料理だ。卵に歯ごたえのある食感が生まれる。味わったことがない感覚で面白い。

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そして、春雨ももちもちしている。
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じゃあ食べてみます。
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上品…。

先ほどのお店よりも上品な味だ。スープのうまみもあるが、野菜のうまみもあって、全体的にやさしい味がする。

飲み会のしめで食べたい味。飲み会のあとに何か食べるっておいしいけど翌日に後悔するだろう。それが春雨だったらそんなに罪悪感を感じない。

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ちょっと待って!もうひと口食べるから!
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おいしい…

チャーハンも少し食べる

何度も食べたくなる味だ。いやーおいしい。今回、撮影に付き合ってくれたオモコロライターのナ月さんの頼んだチャーハンもやってきた。

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チャーハン。
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暗闇からチャーハンをうらやましそうに見ている。夜のサバンナで獲物を狙うハイエナぐらい見ている。

あまりにもうらやましそうに見ていたのだろう、チャーハンをくれた。本当は「チャーハン少しだけでいいんでください」と言った。相手の目を見て。しっかりと自分の意見を言った。意見を言うことで社会を動かすし、チャーハンも食べられる。食べようチャーハン!

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チャーハンだ!!
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チャーハンおいしい!!!

このあと、本当は太平燕が入ったパンを食べに行こうとしたが「かなり遠いですよ」と言われて、「かなり遠いのか…」と言って、ホテルでサウナに入ったり、テレビを見たりして過ごした。

でも、太平燕はおいしいのでおすすめです。そこまでお腹もふくれないのでお腹いっぱいでも食べられると思う(個人差はあります)


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