ハードコア子猫ちゃん放置ゲーム、Kittens Game
僕が翻訳しているのはKittens Game(子猫ゲーム)というブラウザ&スマホゲームだ。
タイトルからかわいい子猫ちゃんがたくさん登場する「ねこあつめ」みたいなゲームを想像したかもしれないが、実際はびっくりするほど地味な画面である。
アプリアイコンとタイトル画面の絵をのぞけば、子猫の画像は毛の1本も出てこない。テキストベースで想像力を駆使して楽しむタイプのゲームだ。
Kittens Gameは、子猫の村を発展させるゲームだ。
これを押すとキャットニップ(マタタビの一種で、ゲーム中では食糧)の在庫が1ふえる。
連打していくつか溜めると、それを消費して畑を作るボタンや、木材を精製するボタンがでてくる。
畑を作ると自動でキャットニップを増やしてくれるので、もう連打しなくてよくなる。木材は小屋の材料になり、小屋を作ると子猫が住みつく。子猫は畑の収穫量を増やしたり木材を切ってきたり、別の資源を採掘したりする。
そうやっていろんな建物や資源に手を広げ、未知のテクノロジーを研究し、異種族と交易し、宗教を生み出し…と文明を発展させていくゲームだ。
最初は小さな村を少ないボタンでちまちま管理するだけだが、そのうちボタンは数百個になり、子猫たちはロケットで宇宙に飛び出しSF的発展を遂げたかと思えば、そこで恐ろしい存在と出会いクトゥルフ神話のようなコズミックホラーに発展していく。僕は年単位でプレイしているがまだすべてのコンテンツを体験していない。ボリュームがすごい。
ここでは簡単な紹介にとどめるが、気になった人はぜひプレイしてみてほしい。ブラウザ版なら無料だけど、放置ゲーム(※)という特性上、隙間時間にパッと子猫の管理ができるモバイル版(Android / iPhone)が圧倒的におすすめだ。
※ずっとプレイしていなくても、ほっとくとゲーム内時間が進んで進行していくタイプのゲーム。
有志翻訳ってなに?
ゲームのことはわかった。じゃあ有志翻訳ってなんだろうか。
Kittens Gameは大手メーカーが作ったゲームではなく、個人が開発した、いわゆるインディーゲームだ。
インディー作品は多言語化まで開発資金が回らないことも多く、そういった作品が人気作になると、ファンによる翻訳プロジェクトが立ち上がる。作品への愛を原動力に、有志が無償で翻訳を行うのだ。だからPC用ゲームには、公式には日本語化されてないけどパッチを当てれば日本語でプレイできるものがけっこうある。
ときにはその成果が公式日本語版としてゲームに取り込まれることもある。それがゲーム機に移植されたりもするので、あなたがSwitchで遊んでいるゲームにももしかしたら有志翻訳のものがあるかもしれない。
翻訳プロジェクトの規模は様々だが、Kittens Gameの場合はすごく小規模だ。僕が参加する前に翻訳率7割ほどの状態で休止状態になっていて、そこを僕が拾って翻訳の管理・整理を進めた。そのあいだずっといたのは僕だけで、たまに別の人がやってきて数十個の訳文を置いて去っていく、という感じ。
Discordとかで集まってワイワイ進めるプロジェクトもあるのだろうけど、今回の場合はほとんど人と直接やり取りすることはなくて、僕にとっては気楽だった。