完訳への道
さて、さっき「情熱を枯らさない」とか書いたけど、正直なところずっと継続して取り組んできたわけではない。ちょっとやっては数か月離れて、またちょっとやっては数か月離れて、みたいなペースだった。
単に飽きて離れていた時もあるし、熱意はあっても自分が知らない部分の翻訳はできないから、ゲーム後半の翻訳は自分のプレイが進むまで手を出せなかったというのもある。
そうして僕が離れている間にもブラウザ版経由で訳がポツポツ入ってくる。くわえてたまに熱意のある人が来てくれて数十個の訳を入れて、それを数か月後に僕が査読する。そんなゆっくりした進捗だった。
そしてつい先日、自分のプレイが最終盤に差し掛かりゲームの全体像が見えたところで、未翻訳の訳語を全部入れた!
こうしてKittens Gameの日本語翻訳は(いったん)完了したのだ。
ただこれは翻訳作業が終わったというだけであって、まだ実際にゲームに反映されてはいない。(今回は翻訳は有志だけど、公式が用意したプラットフォームなのでパッチではなく直接ゲーム本体に反映される)
ここで僕は初めて作者にコンタクトを取って「日本語全部終わったよ。モバイル版でプレイしてるんだけどいつ更新される?」と聞いた。「モバイル版は準備が大変だからそのうち出すよ」という返事だった。まだしばらく先の話かもしれない。
ブラウザ版もモバイル版よりは新しいバージョンになっているけど、まだ古い日本語訳が入っていて、いろいろおかしいところがある。
達成感から早く反映してほしい気持ちもあるが、とはいえ僕も誰かが入力してくれた訳に気づかず数カ月寝かせたりしたのである。何か月後になろうと全然待てる。
最後の謎
ところで最後に一つ、不思議なことがある。「プレイが最終盤に差し掛かった」と書いたとおり、実は僕はこのゲームをまだクリアしていない。
しかし少なくとも、日本で一番Kittens Gameのテキストを知り尽くしているのは僕だという自負もある。でも、ゲームの最終目的を果たした後に起きることを僕は知らない。翻訳作業中、見かけなかったのだ。
テキストがなかったということは、タイトル画面以外はすべてテキストベースのこのゲームで、初めてテキスト以外の演出が登場するのだろうか。あるいは、単に最終目的を達成しても何も起きないのだろうか。もしかしたら、単に僕が参加する前にすでに翻訳されていたからスルーしていただけ、ということかもしれない。
それを見届けられることを楽しみにしている。