特集 2022年9月27日

酒税法に触れないアルコール発酵、それが自家製酵母パン

麦を挽いた粉と、水を混ぜ合わせただけのスターターで培養する酵母「サワードウ」というものがある。

仕組みは日本酒の発酵と同じようなものだが、サワードウで作るパンは酒税法的にも問題ないらしい。

古代のパン発明を追体験するような、苦難と困惑のパン作りが始まる。

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋。花を売った金で酒を買っている。

前の記事:朝が苦手な人へ、カルディのちょっと甘いレトルトスープがおすすめ

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サワードウブレッド、という言葉を聞いたことがあるだろうか。

要は「自家製酵母パン」だ。たまに個人経営のパン屋さんで売られているのを目にするが、パン作りに使う「イースト」がつまり「酵母菌」であり、自家培養したイーストを使ったパンを指す。

Sour(酸っぱい)dough(パン生地)の名前の通り、よくある市販のパンと比べて酸味のあるパンが焼きあがる。

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海外のフリー画像サイトで「Sourdoughbread」と検索して出てきたイメージ。そうそう、こんな見た目のパンが多い。

酸味があることで唾液がより多く分泌され、消化によいという説があるが、特筆すべきこととして単純に、ものすごく、おいしい。

以前、知人が手製のサワードウブレッドを贈ってくれたことがある。麦の香ばしい香りと豊かな酸味、独特のしっとりした食感で、ぜひまたいただきたいものだと思った。

自分も挑戦してみようと調べ始めたところで、1つ疑問が湧いた。

「酵母菌」とは、主に糖をアルコールと二酸化炭素に変化させる生き物だ。パンが膨らむ過程でアルコール発酵が起こっているはず。
家庭のパン作りはドライイーストを使うことで簡略化されているが、自宅で酵母を培養するとして、仕組みは酒の醸造と同じこと。厳格に自家醸造を禁止する酒税法に、抵触しないのだろうか。

(この疑問について、以前酒造で働いていたときに周囲のスタッフに訊いてみたことがある。「酒母を仕込んでるのと同じようなことでしょ……?」「アルコール発酵してるし、ダメじゃない?」という反応だった。)

こういうのは専門家に訊くのが一番いい。iPhoneを手に取り、税務署に電話した。

 

 

結論から言うと、自家製酵母パンは飲食店やパン屋さんが作ろうが、個人が作ろうが酒税法に抵触しないとのことだった。

税務署の酒類指導官さんは「パンづくりの酵母については特に規定はありません」と丁寧に教えてくれた。これは筆者の想像だが、結果として得られるものが酒(アルコール1度以上の液体)でないため、酒税法では制限しようがないのではないだろうか。

 

合法だとわかれば安心して作るのみ。さっそく富澤商店に足を運び、材料を買ってきた。

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用意するものはタッパー、食品添加物指定の除菌アルコール、ライ麦粉、シリコンスパチュラ、量り、水。

水とライ麦粉を混ぜたペーストを自然発酵させてサワードウを作る。サワードウの発酵も、パン作りについても完全な初心者であるため、分量は手法は下記の書籍を参考にした。

『粉と水だけの自家製酵母で作る はじめてのサワードゥブレッド』真藤舞衣子著、文化出版局

 

(書籍が出てるなら当然合法であろうと思われた方へ:「自家醸造 書籍」や「どぶろく造り 書籍」などのワードで検索したのち、酒税法を参照してみてほしい)

 

あまりに不安すぎる仕込み

サワードウ、初日の手順はこうだ。

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熱湯とアルコールで消毒したタッパーに、ライ麦50gを量り入れる。海外の方はこれをfeeding(エサやり)と言っていた。酵母にエサをやる行為。
なお、今後出てくる器具はすべてアルコールで消毒ののち使用している。
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浄水50gを注ぎ入れ……
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スパチュラで混ぜたら初日の仕込み完了。

完了!?

不安でしかない。

ここに空気中の野生酵母を取り入れたり、ライ麦に元からついている酵母に頑張ってもらったりしてアルコール発酵をうながすわけだが、今ここに入っているのはデンプンやタンパク質などであり、まだ糖はほとんどないはず。

酵母に必要なのは糖だ。そしてデンプンを糖にするには、まず理科の実験でお馴染みの酵素・アミラーゼに働いてもらわなければならない。

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図にするとこういうことだ。ライ麦のデンプンからは直接アルコール発酵は起こらず、まず麦自身に糖を作ってもらう必要がある。

ブドウでもリンゴでも、フルーツを潰して放っておくと、運がよければおいしい酒になる。それはそこに水と糖があり、そして空気中に酵母がいるからだ。

しかし日本酒の原料になる米や、ビールの原料になる麦は、いちどデンプンを糖にしてもらわなければならない。米を甘酒にして、甘酒が清酒になる様を想像してもらうといいだろう。

 

ややこしい話をしてしまって申し訳ない。

つまり筆者が何を不安に思っているかというと、「材料に水を加えて放置しただけで、望んだ菌だけがやすやすと増えてくれるものか」ということだ。

今やっている仕込みは、たとえば「ブドウジュースをコップに入れて放置することで、おいしいワインにする」みたいなことだ。いわゆる白カビや黒カビ、雑菌のみなさんも入り放題のこの環境で。

不安。不安だが、どこかに光明を見出すとしたら歴史である。

人類は数千年前からパンを焼いて食べていたが、そこに人工的に増やされたドライイーストなんてものはなかった。筆者がいまやっているのは人類が数千年続けてきた文化で、つまり「うまくいく技法」として生き残ったものだといえる。

先人を信じて、粉と水を混ぜるしかないのだ。

 

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過保護なバージョンを作ってみた

2日目以降の作業も単調で、1日1回ライ麦粉50gと、浄水50gを入れて混ぜるだけ。

「こんなシンプルな仕組みで発酵が順調にいくのだろうか」という疑問と、それを上回る好奇心があり、今回はタッパーにもう1つ、オリジナル技法のサワードウを仕込んでみることにした。

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まず登場するのは米こうじである。

麹というのは、「デンプンを糖に変えてくれる菌」だ。その麹がたっぷりと繁殖した米。

通常は甘酒づくりに使われるが、サワードウに仕込んだらデンプンの糖化が早まるのではないだろうか。

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米麹をそのまま混ぜると仕上がりの食感がゴリゴリしそうなので、ティーバッグに詰めてから入れることにした。

もう一つのアイテムが、超硬水。

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灘が日本酒の名産地になった理由に、水の硬度があげられている。硬度の高い水の中で、麹や酵母などの微生物は活発になるという。

新しく仕込んだ過保護サワードウでは、これから毎日の仕込みに硬水を使用する。

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2つのサワードウ、仕上がりにちがいは出るだろうか。

過保護なバージョンの作り方はもちろん本には載っていないし、余計な操作をしたために望まない菌が繁殖し、お腹を壊したり、最悪死に至ったりするかもしれない。

皆さんが試される際は、どうか本の通りに作ってほしいし、万が一筆者が死んだら笑ってほしいと思う。
人類はそうやって発展してきたのだ。

 

ちょっと様子がおかしい(そして感傷的な気分になってきた)

ライ麦と水を入れて混ぜる、を繰り返して4日ほど経った頃。サワードウに異変があった。

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お分かりいただけただろうか。表面が白く、粉っぽい。

最初は白カビを疑ったが、なんだか生え方が少し違う気がする。嗅いでみてもカビ臭くはなく、熟したリンゴや除光液のような、アルコールっぽいいい香りがする。

もう一つのタッパーを開けてみたら、まったく同じ状態だった。こちらも変な臭いはしない。

調べてみたところ、成長してきたサワードウが白くなるのは通常の反応だそうだ。これを「産膜酵母だ」と言う人もいた。

産膜酵母といえば、ワインのシェリー酒を造るときに生えるといわれる酵母で、糠床や味噌なんかにも生えることがあるらしい。
これが本当に産膜酵母で、人間にとって悪い「腐敗」なのか望んだ「発酵」なのかすら、今の筆者に判別することはできない。

とりあえず表面に軽くアルコールをスプレーしてみた。
産膜酵母(?)は多少死んだかもしれないが、底の方の酵母が無事であればいい。すまない。私は微生物すら選択して、生かし殺す罪を負うことにした。

 

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仕込み5日目、混ぜると気泡が出てくる。酵母がここにいて、活動している証拠だ。

ポケモンgoがリリースされた時、ARで道端にたたずむポケモンたちを見て「見えてなかっただけで、ずっとみんないたのかな……」と思ったが、全く同じ気分である。

『もやしもん』という有名漫画の主人公は菌が肉眼で見える特異体質だが、筆者には何も見えない。ただ、彼らが作る空洞で、彼らの存在を知るばかりだ。

毎日酵母たちに「エサ」をやっていると、なんだか本当にペットを飼っているような気分になってくる。

タッパーにそっと蓋を乗せながら、食と農業のジャーナリストであるマイケル・ポーラン氏の言葉を思い出した。

 

(ジャーやかめで発酵食品を作るようになってから)
"夜、寝静まった家の中で、気持ちよさそうに発酵が進んでいるのが聞こえる。その音を聞くと、とても心が安らぐようになった。微生物たちが幸せであることを意味しているからだ。"

『発酵の技法 世界の発酵食品と発酵文化の探究』 Sandor Ellix Kats著 水原文訳 オライリー・ジャパン 2019年3月18日第5刷、pⅫ より

 

今、その気持ちがとてもわかる。我が家の微生物たちは幸せだろうか。
 

いよいよパンを焼いてみよう

さて、1週間ほど経って、もう追加のライ麦粉がタッパーに入らないほどに増えたサワードウの様子がこれだ。

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泡立ってる!

半透明なタッパーの、どこから見ても大小さまざまな気泡がある。見たところ通常盤と過保護で違いが見受けられないが、開けて香りを嗅いでみると、過保護版の方がやや強い香りがする。リンゴやブドウに近い。

どちらにせよ酵母が元気そうなのが何より嬉しい。

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しかし表面はこう。白い。もうこの産膜酵母(?)については、何度取り除いても出てくるので諦めることにした。

発酵力はじゅうぶんなはずだ。いよいよパンを焼いてみよう。

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掬い取ったサワードウに砂糖、塩、水を加えてよく溶かす(最もシンプルなパンは砂糖すら使わないそうだが、本のレシピに従って作る)。
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強力粉をふるい入れて、スパチュラで1まとまりになるまで混ぜる。
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清潔なタッパーに入れたら、蓋をして冷蔵庫の野菜室へ。このまま7〜24時間寝かせるそうだ。

ずいぶん長いことかかるが、培養されたドライイーストにパワーでかなうはずがない。パン作りとは元来こういうものなのだろう。

 

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一晩寝かせた、翌朝の生地がこちらである。ほんの少し大きくなった気がする。
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折りたたんでまとめたら……
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打粉をした布巾に載せて、蓋をして4時間強待つ。なかなか辛抱強く待つ必要がある。

 

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4時間後。いけた……のか……?

全体的に膨らんだ様子はあるが、以前作ったことのあるドライイーストのパンと比べてやはり鈍い。
もう1時間と少し放置してみたが大して変わりなかったため、通常盤から取り出すことにした。

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そして取り出すのを失敗した。思ったよりも生地の水分が多く、布巾からきれいに剥がれなかった。 ​​​​​動揺して粉を打ちすぎた様子がこちらである。
(後世の人へ:クープナイフがないからといって、包丁を使うくらいなら未使用のカミソリを洗面台から発掘してくる方がいい)
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不安でしかない。膨らむビジョンが想像できない。

オーブンに入れて10分ほど経つと、アップルパイを焼くような甘酢っぱい匂いが漂ってきた。香りは抜群にいいが、焼き上がりはどうか。

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やや膨らんだが、平たい。あまりにも見た目が悪い。これは果たしてパンと呼べるのだろうか。

筆者の困惑と裏腹に、顔を近づけたら香ばしくて豊かな、心満たされる香りがした。いままで他のパンでは感じたことのないような香りで、これが感じられただけで満足だと思った。

膨らまなかった原因として、以下の3つを想像する。

①ライ麦の比率が多い
このレシピは強力粉150gに大して、ライ麦のサワードウ100gを使う。『発酵の技法』を読むとサワードウの比率は25%程度とあり、3:2はけっこう多いように感じる(もちろん本のレシピに問題はなく、筆者の想像と異なったというだけである)。
また、ライ麦はグルテンが少ないらしく、他の種類の麦と比べて気泡の形成が難しい可能性がある。

②予熱時間が足りていない
ネットで調べると「予熱時間は最低1時間」という説が出てくる。オーブン内の温度が低すぎたため、焼成に問題があったのかもしれない。

③単純に発酵力が足りない
サワードウがもっと活発になってから使うべきだったのかもしれない。しかし、サワードウブレッドを作る人の中には「サワードウの仕込みは2日間で十分」という意見もあり、過発酵させてもうまく焼けないため調整が難しい点である。

 

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1時間ほど落ち着かせて切ってみた断面。気泡のでき方をみる限り、③が大きな原因のような気がする。
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失敗したかと思い落ち込んでいたが、一口食べてみて驚いた。おいしい。

爽やかな酸味と、濃い旨味がある。食感も見た目ほど悪くないし、しっとりとしていて、パン単体だけで満足できる味だ。

これは古代の人が希望を見出す気持ちもわかる。もしかすると、失敗してもある程度はおいしく焼きあがる食べ物なのかもしれない。

 

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しかし問題発生

思いのほか懐が広いなと安堵した束の間、過保護版の生地を取り出そうとしたらこれだ。

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布巾に張り付いて剥がせない。
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通常盤と比べ物にならない粘りがある。ナイフでこそぎ取ったが、これは焼くのが憚られる見た目だ。

もう半分ヤケである。強力粉を多めに加えて、再度発酵を促すことにした。
筆者の背後では1時間しっかり予熱したオーブンが音を立てているが仕方がない。いっそのことしばらく放置してみる。

 

パン作り開始から何時間経っただろう。間違いなく20時間は経過している。サワードウの仕込みから考えたら1週間以上だ。それほどの時間をかけて、たった2つのパンを焼いている。もはやパン作りというより祈りに近い。

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約2時間後、膨らんだ様子があったのでオーブンを再度予熱して取り出した。今は深夜2時である。
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オーブンに入れたら少し膨らみ始めた!いいぞ!頑張れ!
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などと油断していたら焦げた。

オーブンの庫内温度が高く、かつ膨らんで熱源に近くなると表面が焦げるらしい。これは酵母でなく完全に人間側の落ち度である。

とはいえ、庫内下段にはお湯を張った天板があるためこれ以上高さを下げるわけにはいかない。次回焼く際は途中でアルミホイルを被せよう。

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でも切ったらいい感じ!

さっきよりも気泡の入り方が綺麗だ。表面の焦げなんてこの際どうでもいい。多少なりと膨らんでくれたことが、何よりも嬉しい。

 

丸一週間半かかって、パンが2つ焼けた。その成果をあらためてご覧いただこう。

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こうして並べてみるといいパンじゃないか。
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過保護パン(焦げ)も、しっとりしていておいしい。通常パンよりも酸味が強い。

多くのトラブルがあったが、今こうしてふくよかな香りを嗅ぎ、できたてのパンを味わっている。まるで古代の人たちの苦悩と喜びを追体験しているようだ。

 

サワードウはまだ生きている

筆者のタッパーにはそれぞれ300g近いサワードウが仕込まれ、今回のパン作りで約半分を使った。残りのサワードウはどうなったか。まだ冷蔵庫の中で生きている。

このまま「餌やり」をし続ければ、何十年だって維持することができるという。

パンを焼くという行為は生活そのものだ。毎日のように続けなければならない。

何より、思ったように焼けなかったのが悔しいため、うまく焼けるレシピが見つかったらまたどこかに書き記そうと思う。

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