短い記事 2022年3月15日

カナダのおやつ「メープルタフィー」を北海道の雪で作ってみた

カナダには、メープルシロップを煮詰めて雪で固めるお菓子「メープルタフィー」がある。それを北海道の雪で作ってみたら、めちゃめちゃ簡単でおいしかった。

1986年東京生まれ。ベルリン在住のイラストレーター兼日英翻訳者。サウジアラビアに住んでいたことがある。好きなものは米と言語。

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メープルシロップは、カエデの木から集めた樹液を煮詰めて作る、カナダが誇る名産品だ。

ホットケーキやデザートはもちろん、コーヒーにちょっと垂らしたりしてもおいしい。他にも、メープルシロップと唐辛子のオイルがかかったピザなど、甘いもの以外でも色々と活用できる。 

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活用範囲の広いこのメープルシロップを、今回は雪国だからできる方法で食べてみることにした。

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雪国だから作れるお菓子「メープルタフィー」

なんで雪国かと言うと、先月2年ぶりにドイツから北海道にある実家に帰ったからである。

実家と言っても私自身は北海道で暮らしたことがないので、私にとって雪国で過ごす時間は特別感に溢れていて、雪が降る度にいちいちはしゃいでしまう。

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せっかく冬の北海道に来ているのだから、何か雪を使って楽しいことをしたい。色々考えていたら、メープルタフィーという食べ物のことを思い出したのである。

メープルタフィーとは、メープルシロップを鍋に入れて煮詰め、それを雪の上にかけて固めて作るキャンディのことだ。(タフィーとは、一般的に砂糖のシロップを煮詰めて固めて作るキャンディのことを言うそう。)

学生の頃カナダに住んでいたことがあるのだが、カナダ人の友人家族にメープルシロップファームに連れて行ってもらった時に、一度だけメープルタフィーを食べたことがある。

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産地で食べたメープルタフィーはあっさりとした甘さで、飴と液体の中間のようなトロッとした食感でとても美味しかった。もう15年以上前のことだが、よっぽど印象深かったのか今でも鮮明に覚えている。

あのメープルタフィーの感動を、北海道の雪で再現してみようじゃないか。

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雪で土台を作る

メープルタフィーの作り方は至って簡単。メープルシロップを火にかけて沸騰させ、雪の上に流して固まらせるだけだ。

まず、メープルシロップを流す土台となるきれいな雪を準備する。雪をあらかじめギュッと固めておくと良いそうなので、適当に手で固めてみた。

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その日はちょうど雪が降っていたので新鮮な雪がたっぷりあるぞ。
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土台のようなものを作ってみる。
我ながら適当な出来栄えだ。
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メープルシロップの温度が肝心 

次に、メープルシロップを鍋で沸騰させる。

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北海道で買ったカナダ産のメープルシロップ。
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これを鍋に入れていく。
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気がついたら一本使い切ってしまうところだった。こんな豪快な使い方は初めてだ。

ネットで調べてみると沸騰加減が肝心らしく、メープルシロップの温度が115度ぐらいまで上がらないとちゃんと固まらないそうだ。温度計がないので、様子を見ながら試してみることにした。

boiling1.JPG
シロップを火にかける。少しするとメープルシロップが沸騰してきた。
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こんな感じだろうか?

少しするとシロップが沸騰してきたが、115度がどんな感じなのかいまいち分からない。焦げてしまうのが怖いので、とりあえずこの状態で一度試してみることにした。

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鍋を持って急いで庭に出る。
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沸騰したメープルシロップを雪にかける。おっ、いい感じかも?
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あれ?

やはり温度が低かったようで、メープルシロップが固まらず、雪に染み込んでしまった。

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かき氷としてはおいしそうだけど、これじゃない。

気を取り直して鍋を再度火にかける。今度は、大きな泡がたくさんできるまでグツグツと沸騰させてみた。

kondokosoha.JPG
さっきより全体的に泡が多い。
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今度はちゃんと雪の上に乗っかっている!

やはりさっきは温度が足りなかったようだ。グツグツとシロップが豪快に泡立つまで火にかけるのがポイントみたいだ。

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さっきのと比べると違いが一目瞭然。液体感がなくなった状態が良いようだ。

このポイントさえ抑えれば、めちゃくちゃ簡単だ。あとは、メープルシロップが熱いうちに雪にかけて、棒でくるくる回しつけていくだけである。 

メープルシロップが雪の上で完全に固まる前に棒で回しつけていく。
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残りのシロップをどんどん雪の上にかけて、棒に絡めていく。メープルタフィー屋を始めたくなる気分だ。
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みるみるうちに固くなっていくので、手早く棒につけていく。
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こんな感じに棒にまとまった。琥珀色でとてもきれいだ。
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宝石のようでずっと眺めていられる。
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すぐ食べるけどね。
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当たり前だけど、めちゃくちゃうまい。

感触は固めの水飴みたいだけど、味はメープルシロップ。あっさりとした甘さでコクがあり、ものすごくおいしい。見た目のわりにさっぱりしているので、いくらでも食べれる。ほぼ一本分のメープルシロップが、一瞬にしてなくなった。

dad 01.jpg

メープルタフィーは、雪が降った日の定番になりそうなぐらいおいしかった。まだ雪がある地域の人は、春になる前にぜひメープルタフィーを作ってみてください!(雪がない場合はかき氷の氷や、氷の塊とかでもできるみたいです。)

with snow.JPG
雪と一緒に食べたらアイスっぽくておいしかった。
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