メープルシロップは、カエデの木から集めた樹液を煮詰めて作る、カナダが誇る名産品だ。
ホットケーキやデザートはもちろん、コーヒーにちょっと垂らしたりしてもおいしい。他にも、メープルシロップと唐辛子のオイルがかかったピザなど、甘いもの以外でも色々と活用できる。
活用範囲の広いこのメープルシロップを、今回は雪国だからできる方法で食べてみることにした。
雪国だから作れるお菓子「メープルタフィー」
なんで雪国かと言うと、先月2年ぶりにドイツから北海道にある実家に帰ったからである。
実家と言っても私自身は北海道で暮らしたことがないので、私にとって雪国で過ごす時間は特別感に溢れていて、雪が降る度にいちいちはしゃいでしまう。
せっかく冬の北海道に来ているのだから、何か雪を使って楽しいことをしたい。色々考えていたら、メープルタフィーという食べ物のことを思い出したのである。
メープルタフィーとは、メープルシロップを鍋に入れて煮詰め、それを雪の上にかけて固めて作るキャンディのことだ。(タフィーとは、一般的に砂糖のシロップを煮詰めて固めて作るキャンディのことを言うそう。)
学生の頃カナダに住んでいたことがあるのだが、カナダ人の友人家族にメープルシロップファームに連れて行ってもらった時に、一度だけメープルタフィーを食べたことがある。
産地で食べたメープルタフィーはあっさりとした甘さで、飴と液体の中間のようなトロッとした食感でとても美味しかった。もう15年以上前のことだが、よっぽど印象深かったのか今でも鮮明に覚えている。
あのメープルタフィーの感動を、北海道の雪で再現してみようじゃないか。
雪で土台を作る
メープルタフィーの作り方は至って簡単。メープルシロップを火にかけて沸騰させ、雪の上に流して固まらせるだけだ。
まず、メープルシロップを流す土台となるきれいな雪を準備する。雪をあらかじめギュッと固めておくと良いそうなので、適当に手で固めてみた。
メープルシロップの温度が肝心
次に、メープルシロップを鍋で沸騰させる。
ネットで調べてみると沸騰加減が肝心らしく、メープルシロップの温度が115度ぐらいまで上がらないとちゃんと固まらないそうだ。温度計がないので、様子を見ながら試してみることにした。
少しするとシロップが沸騰してきたが、115度がどんな感じなのかいまいち分からない。焦げてしまうのが怖いので、とりあえずこの状態で一度試してみることにした。
やはり温度が低かったようで、メープルシロップが固まらず、雪に染み込んでしまった。
気を取り直して鍋を再度火にかける。今度は、大きな泡がたくさんできるまでグツグツと沸騰させてみた。
やはりさっきは温度が足りなかったようだ。グツグツとシロップが豪快に泡立つまで火にかけるのがポイントみたいだ。
このポイントさえ抑えれば、めちゃくちゃ簡単だ。あとは、メープルシロップが熱いうちに雪にかけて、棒でくるくる回しつけていくだけである。
感触は固めの水飴みたいだけど、味はメープルシロップ。あっさりとした甘さでコクがあり、ものすごくおいしい。見た目のわりにさっぱりしているので、いくらでも食べれる。ほぼ一本分のメープルシロップが、一瞬にしてなくなった。
メープルタフィーは、雪が降った日の定番になりそうなぐらいおいしかった。まだ雪がある地域の人は、春になる前にぜひメープルタフィーを作ってみてください!(雪がない場合はかき氷の氷や、氷の塊とかでもできるみたいです。)