デジタルリマスター 2022年1月20日

ぐるぐる回ってバターになっちゃえ!(デジタルリマスター)

絵本では虎で出来たバターでパンケーキを焼いてたべるのですよ。

虎は同じところをぐるぐる回り続けるとバターになる。もちろん現実にはそんなことはありえません。子供の頃に読んだ絵本にそんなシーンがありました。

けど、上手くやれば虎がぐるぐると回ってバターを作ることができるのではなかろうか?出来るに違いない。

やってみます。

2009年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1972年生まれ。元機械設計屋の工業製造業系ライター。普段は工業、製造業関係、テクノロジー全般の記事を多く書いています。元プロボクサーでウルトラマラソンを走ります。日本酒利き酒師の資格があり、ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しているので、体力実践系、各種料理、日本酒関係の記事も多く書いています。(動画インタビュー

前の記事:蕎麦は味噌で食べても美味しい(デジタルリマスター)

> 個人サイト 酒と醸し料理 BY 工業製造業系ライター 馬場吉成 website

子供の頃読んだ方も多いはず

虎がぐるぐる回ってバターになる。この話は「ちびくろさんぼ」で知られる絵本の中に出てくる話。年代によっては「トラのバターのパンケーキ」などのタイトルかもしれません。

主人公の男の子が新しい服と傘で出かけると乱暴者の数匹の虎に次々とそれを盗られる。やがて虎たちは他の虎が盗った物が欲しくなり取り合いをはじめる。取り合いをしていて木の周りをぐるぐると物凄い勢いで走り出すとやがて虎はバターになってしまう。男の子は服と傘を取り戻し、そのバターでパンケーキを焼いてもらって美味しく食べましたとさ。そんな感じのお話です。

しかし、子供の頃に読んだきりなので細かい所までは思い出せず。友人が「近所の本屋にオリジナル版が売っている」というので買ってきてもらいました。

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こんなポップな絵だったか?ディレクターズカット版?

オリジナル版ということで買ってきてもらったものの、あまり記憶にない感じの絵。ひとまず読んでみる。

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そうそう、こんな感じで木の周り回っていたな。
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ぐるぐるー!
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で、バターになったんだ。そうそう、そうだった。

虎はまんまとバターになっていた。そうだ、虎はグルグル回るとバターになるんだ。よし!虎をぐるぐる回してバターにしてみよう!

虎をぐるぐる回してみます。

というわけで虎をぐるぐると同じところを走らせてバターを作りたいと思います。バターになるということは虎は乳製品。生クリームで出来ているようです。バター原料となる虎をスーパーで入手してきました。

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47%が虎の素。北海道産。

北海道産の虎を入手しました。虎成分は47%。バターにするには問題ないレベルの虎でしょう。けど、虎をこのままの状態で走らすのは困難。こいつに登場してもらいます。

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虎をしっかり密封。どんな振動にも対応!

虎を密封する袋を用意しました。これでどんな環境でも虎をぐるぐる回すことが出来ます。

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冷やした方が虎はバターになりやすいらしい。

調査の結果、虎は低温の方がバターになりやすい。割と暑い所にいるくせに意外な答え。保冷剤を用意します。

ということで虎バターの材料は揃いました。虎を外の世界へ放しぐるぐると走り回らせバターにします。

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いざ!外の世界へ!

 

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虎は荒川沿いでぐるぐる回るらしい

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晴天の荒川。虎はここでバターになります。

ということで、家を出た虎は走って荒川沿いまでやってきました。実は虎を走らせたのは昨年末のこと。慌しい師走のさなか、虎は荒川沿いを走っていました。すべてはバターになるため。虎、走ります。
以前、当サイトで雨が降る中ジェットコースターを使ってバター作りが試みられていますがこの日は晴天。ぐるぐると走るには丁度いい。

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土手沿いを進み・・・
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やってきました!ぐるぐるバターポイント!

走る場所は荒川沿いの1周400mの陸上トラック。ここを何回走ると虎がバターになるか確認したいと思います。この日は午前中区内の学校の競技会が開催されていた模様。虎が走る前は本気でランナーが走っていたようです。そんな競技者の熱が残るトラックで虎・・・走ります。

ここでぐるぐる回る

走る前にまずは仕込み

まずは虎をバターにするための最良の環境にします。保存袋に虎を入れたら更に大きな袋に入れ周りを保冷剤で固める。

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虎を保存袋に入れます。
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虎を流し込んで・・・
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ガムテープで密封。
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大きな袋に入れて。
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保冷剤を入れたら。
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タオルに包んで・・・
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ザックに入れて走り出します。

ザックに入れられた虎はトラックをぐるぐる回る間に攪拌されてやがてバターとなるはず。さて、虎は何周する間にバターになるのか!

撮影を妻に任せ虎は走り続けます。最終的には虎バターでパンケーキ。絵本の世界を現実にしましょう。いざ、虎バターランニング!

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撮影隊の妻にこのCDを渡す。ちびくろサンボだけにね。軽く引かれる。

 

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虎、走ります!

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♪ガオー!ガオー!虎走るー!

ということで、虎をバターにするため走ります。同じところをぐるぐる。ぐるぐるバターでサンボと同じくパンケーキを食べましょう。

とりあえず、1周400mのコースを5周走る毎に状況を確認しつつ進んでみたいと思います。スタートです。

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第1コーナーを入り
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第2コーナーを回って
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直線を抜けて第3コーナーを回る
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第4コーナーを回ったらホームストレートへ
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ホームストレートを通過すると
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再び第1コーナーを回る。

 

この繰り返し。何も考えずぐるぐると回り続ける。全ては虎をバターにするため。そして5周走ったところで1回目のチェック。距離にして2km走行。

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ホワイトタイガー?

袋全体が真っ白。小さい泡が出ているので攪拌はされているようです。それ以外これといった変化無し。更に走り続けましょう。

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もう5周いくぜ!

 

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ぐるぐる、ぐるぐる・・・

 

もう5周走行。トータル10周。距離にして4km。2回目のチェックです。さあ虎はどうなっているか。

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虎はバターになったか?
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あまり変わらず・・・

先ほどよりかは気泡が増えているもののあまり変化は無し。まだ生クリームのままの虎。これは長期戦になりそうな予感。さらに5周追加です。

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長くなりそうだ・・・
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ちゃっちゃと回っていきますか。

 

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ぐるぐる、ぐるぐる・・・

 

 ついでに虎に与える刺激を強める為に飛び跳ねてみました。

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飛び跳ねる虎!

 

こうして更に5周。トータル15周回る。距離にして6km。さて虎はどうなったか!

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外見上変化無し
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気泡は確実に増えている

気泡が増えて確実に変化はしてきているもののバターにはまだ程遠い感じ。もっと回らなくては虎はバターになりそうもない。続けて回っていきましょう。同じところをぐるぐると・・・

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同じところをぐるぐる。うーん・・・

 

飽きた

同じところを回るのって景色が同じで飽きる。ハムスターはカラカラと同じところを回り続けるが、虎はそうはいかない。トラックを回り続けるのは飽きる。音楽聴きながら走ってますが飽きるのです。

というわけで、どうせぐるぐる回るならもっと大きく回りましょう。ここは川沿い。両岸にはサイクリングコースがあり橋でつながっている。2本の橋の間を渡りぐるっと1周すればおよそ8kmぐらいの距離。一気にトラック20周分ぐらい稼げてしまう。虎、大きな世界を走ります。

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大きくぐるぐるだ!

 

中山道にかかる戸田橋と新大宮バイパスにかかる笹目橋の間を走ります。

大きくぐるっと!

妻から撮影用カメラを受け取りここからはぐるっと一人旅。まずは東京都側を下流へ向けて走る。

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走るぞ、ガオー!

東京都側は河口まで続く広いサイクリングロードがあります。災害時に救援物資などを運ぶ目的で作られているらしい。走るのにはちょうどいいです。

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やがて戸田橋が見えてくる。
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戸田橋を渡ると埼玉県突入。
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土手の上のサイクリングロードを走行。
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走り続けると対岸に先ほどのぐるぐるバターポイントが見えてくる。
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戸田競艇場の横を通り。
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しばらく行くと笹目橋。
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橋を渡ると一旦埼玉県和光市に入るが・・・
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100mも進まないうちに再び東京都板橋区に突入。
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東京側は高島平の団地群の近く。遠くに夕日に照らされた団地が見え隠れ。
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そして再びぐるぐるバターポイントへ戻る。

 

再びトラックまで戻ってくるとかなり日が傾いてきました。走行中はなるべく攪拌できるようにザックを固定するための腰のところのベルトは装着せず。更にムダに飛び跳ねてみたりしながら走行。手にザックをもって振り回してみたりもしています。トラックに降りて虎の状況を確認しましょう。

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帰ってきたよ!さて、虎はどうなった?
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あれ?なんかフニャっとしている。もっ!もしや!

えーっとですね。虎を取り出してみると柔らかい何かが中で出来ていまして、振ってもあまり動きません。こいつはぐるぐる回って虎がバターになったか!ヤッター!と夕日にガッツポーズしかけたのですよ。

しかし、よく見るとやや水っぽく所々に気泡が残る。バターではなくクリームです。そう、攪拌されてホイップクリームになってしまいました。クリームなので振ってもあまり動かず。これではいくら走ってぐるぐる回ってもバターになりそうもありません。距離にして約14km。トラックで35周ほど走ったところで虎はホイップクリームになってしまいました。

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ホイップになっちまったよ・・・

日が暮れてしまったので、しかたなくこれをまたザックに詰めて家まで走って帰る。家に帰り別の方法で虎にはぐるぐる回ってもらいます。

バターだ!お前はバターになるのだ!ガオー!

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というわけで家に戻る

家に帰って袋の口を開けてみました。中を見るとそこには白いホイップクリームが入っていました。

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これはこれで使えるけどね。目指した物とは違う。

この虎にバターになってもらうため別の虎を投入しましょう。それに高速でぐるぐる回ってもらいます。ということでこちら。

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何の変哲も無い紙を・・・
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赤いこいつに貼り付けると・・・
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虎現る!
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さあ、ホイップされた虎とともにぐるぐる回ってもらいましょうか。

ホイップされた虎を袋から出してボールに移し替える。ホイップ虎へ赤い虎を投入して激しくぐるぐる回ってもらうことにします。さあ、回転開始!

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ぐるぐる!ぐるぐる!

2分とたたないうちに虎がボソボソしてきました。

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虎がバターに変身開始

さらに回転を続けると虎から水が出てきます。水分が分離しはじめてきたら完成はすぐそこ。

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水分分離。液体の部分はバターミルクと呼ばれるものでこれも色々使える。
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水分が完全に分離。
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軽く水洗いして容器に詰める。虎バター完成!

とうとう虎がバターに変化しました。回転開始から3分ほど。あっという間の出来事。今までぐるぐる走って回っていたのはなんだったのかとちょっと疑問に思う。まあ、いいでしょう。バターが出来たらパンケーキを焼きます。

家にある本に「ちびくろさんぼ」のパンケーキのレシピが出ていたのそれを参考に調理。

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グリとグラの黄色いカステラやハイジの白いパンなんかも載っています。

 

そして出来上がったものがこちらです。

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虎のバターのパンケーキ完成!よく見るホットケーキよりかなり薄い。

早速食べてみます。虎バターの味はどんな味か?

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一切れ切って。
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パクッとな!
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おお、旨い!虎旨い!

出来立てのバターは旨いです。

どうやら生クリームを振ってバターにするような場合、ノンホモジナイズの牛乳(ノンホモ牛乳。牛乳に含まれる脂肪球へ圧力をかけて均質化することにより脂肪球の層が出来てくるのを防ぐ処理をしていない牛乳。通常売られている牛乳は大体ホモジナイズされている。)を置いておくことで上部にたまる純度の高いクリーム(乳脂肪分)を使う必要があるようです。

スーパーなどで売られている普通の動物性の生クリームもよく冷やして泡だて器で混ぜているとホイップクリームとなって、やがてバターにすることが出来ます。10分か15分か、そのぐらいあれば出来るでしょう。

自分で作る場合、生クリーム200mlから100gぐらいしかバターはできません。バターとして売られている物の倍ほどの値段になります。しかし、出来立てのバターはバニラのような甘さと香りがあり、パンなどにつけて食べるととても美味しいです。興味のある方は是非一度やってみてください。

ちなみに、「ちびくろさんぼ」で出てくるバターは実際には「ギー」と言って、牛、水牛、ヤギなどの乳を加熱殺菌した後に乳酸発酵させ、 凝固したものを撹拌してバター状にしたら更に加熱ろ過してホエー(乳清)を除去して作られるものです。日本で売られているバターとは違う物。作者がインドにいたときに書かれた為のようです。

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絵の中にも「GHI(ギー)」とかかれてました。
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