ベトコンラーメンは夜のラーメン
岐阜タンメンを食べてからほくほくと岐阜の町を歩いていて思い出したことがある。
岐阜、というか東海地方にはベトコンラーメンがあるではないか。
先日、ライター江ノ島さんが紹介していたのでまずはそちらを読んでもらいたいが、ベトコンラーメンというのは主に愛知や岐阜で愛されているラーメンで、愛知県出身の僕にとっては岐阜タンメンよりもベトコンラーメンの方がなじみ深いのである。
定休日かなと残念に思っていると、なんと21時開店なのだとか。割り切った夜営業だが、たしかにベトコンラーメンは夜食べるイメージがある。愛知では夜中に屋台で提供されていた。
どうしても食べたかったので夜に再来した。
ベトコンラーメンの由来はベトナム戦争由来という勇ましい説もあるが、このお店は平和に「ベストコンディション」説を打ち出していた。美味しければ解釈なんてそれぞれでいいと思う。
しばらくして「これぞベトコンラーメン」といった見た目のラーメンがやってきた。
ベトコンラーメンは名古屋で人気の台湾ラーメンに近いものがあるが、あそこまで赤くはなく、ピリ辛の肉みそともやし、ニラ、そしてなんといってもニンニクを最前線に押し出している。
ベトコンラーメンといえば生たまごが欠かせないわけだけれど、このお店は玉子のおかわりが自由だった。
たまごを溶いて、すき焼きみたいにして小皿の中で絡めて食べる。
ベトコンラーメンは愛知に住んでいた頃に何度か食べたことがあった。
当時はラーメンといえばスガキヤくらいしか知らなかったので、ベトコンラーメンの強烈なインパクトにはちょっとついていけなかった記憶がある。僕にはだんぜんスガキヤだったのだ。
大人になり、岐阜でベトコンラーメンを再び食べてみて思ったことは、(おれも大人になったんだな)という感慨だった。もちろんスガキヤは今でも好きだけど、ベトコンラーメンには今だからこそわかる美味さがあった。
もちろん岐阜にも岐阜タンメンやベトコンラーメンだけじゃなく一般的なラーメンもあるのだけれど、せっかく岐阜に来たら、ぜひここでしか食べられないラーメンを食べて欲しいなと思う。また来ます。
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