以前、ネッシーあやこさんが、東京駅から品川駅まで新幹線に乗る記事を書いていた。2019年に書かれたものだ。
そしてこの記事は、乙幡啓子さんが2003年に書いた記事のカバー企画として書かれたものである。
私はそれを読んで、カバーのカバーをしてみたいと思った。お二人とも東京駅-品川駅間を旅されているので、その関西バージョンに挑戦してみよう。新大阪駅から新神戸駅まで新幹線に乗っていく「新」だらけの旅である。
私は大阪に住んでいるのだが、実家は東京にあって、帰省する時など、たまに新幹線に乗る。
決して安くないお金を出して乗るから、少しでも満喫してやろうと思う。駅弁かサンドイッチかなんかを選んで、朝早くても缶ビールか缶チューハイかを必ず買って乗り込み、スマホで写真を撮ってSNSで自慢して、あとは時間いっぱい、できるだけ楽しむ。
車内販売でお酒を買い足したり、パソコンを開いてフリーWi-Fiに接続してみたり、窓からの富士山も決して見逃したくない。ああ快適、ああなんて楽しい新幹線。
新大阪駅から新神戸駅までの短距離であっても、新幹線に乗れるという高揚感に変わりはない。まず、新大阪駅を「これから新幹線に乗るんだ」と思って歩くだけで喜びが込み上げてくるのである。
新幹線に乗るからには、何か食べて、缶ビールも飲みたい。食べるものを選ぶ時間がもう楽しい。新幹線改札内の駅弁売り場にも色々あるのはわかっているのだが、新大阪駅って改札外にも色々あるのよなー!
しかし、新大阪駅の改札外には「象印銀白弁当」という、あの魔法瓶や炊飯器で有名な象印マホービンがやっている弁当屋があって、私はそこが好きなのである。
この店で売られている「小銀弁当」というコンパクトなサイズの弁当が素晴らしいバランスで、何度か新幹線に乗る前に買ったことがある。しかし、取材時は残念ながら売り切れてしまっていた(一日に少数しか入荷しないんだそう)。
気持ちを切り替え、「おにぎり弁当」というのを選ぶことにした。これも美味しそうじゃないか。
お弁当を買っただけでかなりの達成感を味わっていたが、まだ肝心のきっぷを手に入れていなかった。券売機で新大阪から新神戸までの新幹線自由席の乗車券を買う。
これでいよいよ、新幹線に乗れる。本当にいいんだろうか。計画を立てて旅行に出かけるわけでもなく、さっき買ったばかりのこのきっぷで……。
当然だが、改札を通ることができた。新幹線に乗って新神戸駅まで行く権利が、今の私には確かにあるのだ!直近の新幹線の出発時刻が表示されているのを見上げ、「このどれにでも乗っていいんだな」と思うと改めて不思議だ。
気が済んだところでエスカレーターに乗り、新幹線のホームまでやってきた。
キオスクで缶ビールを購入し、次に来る新幹線に乗ろうと思った。そこでふと「新神戸駅まで何分ぐらいで着くのかな」と思う。調べてみると12分間だという。
あっという間だなと思うが、東京駅から品川駅まで新幹線に乗ったネッシーあやこさんは、たった7分間で生ビールとお寿司を味わっていた。「7分ってそんなに短くない」と書いていらして、それに励まされる。
スマホで改めてネッシーあやこさんの記事を読んで顔を上げると、博多行きの新幹線が目の前にすでに来ていた。
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