ショクダイオオコンニャクの匂いはだいぶ薄くなってしまったが、その尊大なお姿はまだしばらく拝観できると思うので、気になる方は園長のツイッターなどで確認してください。
神代植物公園はコンニャクの花以外にも見どころがたくさんあるようなので、今度はゆっくり見て回ろうと思います。
世界で一番大きな花(正確には花序)と言われているショクダイオオコンニャクの花は、肉や漬物が腐ったような匂いらしい。大きくて臭い花、とても気になる。
2021年6月24日の夜に神代植物公園で開花したとの情報を確認したので、翌日さっそく見学してきた。果たして臭いはするのだろうか。
なんでも載っている当サイトには、「あの臭い花って今どうなってるの? 」という記事もあるのであわせてどうぞ。
※神代植物公園は感染症拡大防止のため、入園には事前の予約が必要です。詳しくは公式サイトをご確認ください。
今年の春、畑で育てているコンニャクに花が咲いて以来(こちらの記事)、コンニャクの親分であるショクダイオオコンニャクの花を見てみたいなと思っていたら、東京都調布市深大寺の神代植物公園でそろそろ咲くらしいという情報をツイッターで見つけた。
確か何年かに一度しか咲かない貴重な花だったはず。これは開花したらすぐに見に行かなくては。普通のコンニャクの花とどう違うのか確認したい。
【スタッフより(園芸係)】
— 神代植物公園 ニュース (@ParksJindai) June 24, 2021
大温室熱帯スイレン室のショクダイオオコンニャク。
今日の計測では、高さ249㎝、幅35㎝になりました。
昨日(6月23日)に比べて、高さが4㎝大きくなりました。横幅に変化はありません。付属体が全体的に白くなってきました。今週中に開花の見込みです。
(続く…) pic.twitter.com/GB5iCKwTeB
今か今かと毎日ツイッターをチェックしていると、とうとう6月24日の夜に開花した。
【スタッフより(広報係)】ショクダイオオコンニャクの開花が始まりました。今日の夜に大きく開くと思われます。付属体に近づくとわずかに臭っています。当面の間神代植物公園の入園には事前予約が必要です。#神代植物公園 pic.twitter.com/lkDmXVNla8
— 神代植物公園 ニュース (@ParksJindai) June 24, 2021
【スタッフより(園芸係)】
— 神代植物公園 ニュース (@ParksJindai) June 24, 2021
大温室熱帯スイレン室のショクダイオオコンニャク。夜9時の状況です。計測では、高さ249㎝、最大幅108㎝です。温室の外まで臭気が漂っています。 pic.twitter.com/i3SNPVIlG1
さすがショクダイオオコンニャク、温室の外まで臭いが漏れるとは桁違いの存在だ。
さっそく入場整理券をネットから予約し、翌朝に深大寺の神代植物公園へと向かった。深大と神代、漢字が違うのはなぜだろうと思いながら。
だが残念ながら、すでに匂いはかなり薄くなっているようだ。
【スタッフより(園芸係)】
— 神代植物公園 ニュース (@ParksJindai) June 24, 2021
大温室熱帯スイレン室のショクダイオオコンニャク。午前8時の状況です。計測では、高さ249㎝、最大幅98㎝です。昨日の午後10時の計測よりも横幅-10㎝。花が閉じ始めています。臭気はかなり薄くなりました。 pic.twitter.com/rVXVP5Uf8a
10時に植物公園へと到着すると、入場口でコンニャクが咲いている場所を伺い、まっすぐ向かう。目指すは大温室の熱帯スイレン室だ。
残っていてくれ、臭い香り。残り香程度でも構わないから。
大温室の前には警備員さんがいて、なんと入場規制をしていた。すごい人気だな、ショクダイオオコンニャク。臭いのに。いや臭いからか。
世界最大の花(小さい花の集合体なので正確には花序となる)が見られる機会とあって、それなりに人はいるだろうなと思っていたが、今日は平日である。そこまで混むことはないだろうと油断して、開園の9時半に合わせてこなかった自分を恨む。
どれくらい待つことになるのかと不安になったが、ほんの一分ほどで入場は許され、無事に中へと進むことができた。
入場制限があったものの、温室内が混んでいるということはなかった。コロナの関係で密にならないための配慮を、かなり慎重にしているのだろう。
ショクダイオオコンニャクが咲く熱帯スイレン室の前にある展示休憩室には、ショクダイオオコンニャクに関する全情報といえる展示がされていた。職員さんの心意気がひしひしと伝わってくる素敵な内容だ。
じっくりと見学してから花をみたいところだが、少しでも匂いが残っているうちに嗅ぎたいので後回しとさせていただく。
それではいざ、ショクダイオオコンニャクが待つ部屋へ。
スイレンが鮮やかに咲く池の向こうに、巨大なコンニャク様が花を咲かせていた。
なるほど、デカいな。
公式ツイッターによると、今朝の時点で高さは249センチ。
アンドレ・ザ・ジャイアントの公式プロフィールが223センチなので、あの世界の巨人より26センチも大きいのだ。そう考えるとすごい。
それにしても植木鉢に植えられているというよりも、神棚に祀られているといった方が正しいかもしれない神々しさ。もはや御神体である。
温室内の気温と湿度、そしてスイレンの花の効果もあり、東南アジアの寺院にでも来た気分である。
ちなみに花を囲うビラビラした部分は「仏炎苞(ぶつえんほう)」といい、ショクダイオオコンニャクのショクダイは「燭台」のことである。ほら仏教だ。
このように最高のヴィジュアルだが、温室の外にまで広がっていたという匂いはよくわからなかった。なんとなく匂う気もするが、これがコンニャク由来なのか、そもそもの温室の匂いなのかは謎。
職員さんの話だと、やはり開花した昨夜が臭いのピークだったようで、もうほとんど匂いは残っていないそうだ。しっかり換気をしていることも影響しているのだろう。私を含めて臭さを期待してやってきたお客さんはみんな残念そうであるが、こればっかりは仕方がない。
私が少しでも匂いを感じようと顔を近づけて手で仰ぐ様子は、浅草寺とかで線香の煙を浴びようとするしぐさに似ていたことだろう。
残念ながら匂いはわからなかったが、すごく立派な花が見られて満足だ。大きなコンニャクの臭い花を目当てに、たくさんの人が来ているという状況もおもしろかった。マーケティングのヒントがあるのかもしれない。
ところで開園直後に嗅いだ友人によると、雑巾を絞ったまま干して生乾きになった臭いが感じられたとのこと。いいなー、早起きは三文の徳ということか。仕方がないから雑巾を生乾きにして嗅ごうかな。
今度花が咲いたときは、しっかり早起きして開園時間にこなければ。
ショクダイオオコンニャクの匂いはだいぶ薄くなってしまったが、その尊大なお姿はまだしばらく拝観できると思うので、気になる方は園長のツイッターなどで確認してください。
神代植物公園はコンニャクの花以外にも見どころがたくさんあるようなので、今度はゆっくり見て回ろうと思います。
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