ジュマンジとの出会い
父がTSUTAYAで1本の映画を借りてきた。それが、映画『ジュマンジ』とわたしの出会いだった。
ジュマンジとは、1995年公開のアメリカのファンタジー映画。
簡潔に言うと、ヤバいすごろくに振り回されててんやわんやする話だ。殺意の漲った軍人に追いかけまわされたり、猿に街を荒らされたり、ジャングルに転送されたり…とにかく登場人物達が大変な目に遭う。
こうして書くと、さほど怖くなさそう。いやしかし、確かに怖かったのだ。小学1年生だったわたしは号泣したし、最後まで観られなかった。
だが、わたしももう大人である。あの頃に比べたら、怖いものも減った。
今なら、あの時泣きながら再生停止ボタンを押したその先も観られる気がする。
いざ再生
『大人だから怖くないはず』と思いつつも、やはり1人で見るのは緊張するので、友人の加藤と一緒に見ることにした。
加藤:ジュマンジって怖い?ホラー映画じゃないよね?
佐伯:ホラーっていうか、パニック映画…?とにかくわたしは怖かった。
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物語は、屋敷に住む主人公の男の子(アラン)がジュマンジ(ヤバいすごろく)を拾うところから始まる。
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佐伯:ギャッッッッッ!!出た!!!!!!!!!!
加藤:ウケる。本当にビビってる。
帰宅したアランは、ガールフレンドのサラと一緒にジュマンジをプレイすることに。
コマを進めると、サラは大量のコウモリに追いかけられ、アランは盤面に吸い込まれてしまうのだった。
佐伯:最悪だよ本当に………。
もしかしたら、冒頭が1番怖い可能性がある。
これから怖いことが起こるという予感。未知なる恐怖のハードルは無限に上げられる。
しかも、すでに記憶の中で『超怖い』と決め付けられている作品なので、今は天よりも高くハードルが上がっている状態だ。
冒頭でビビる
アランが盤面に吸い込まれてから26年の時が経った。アランの家族は既に転居し、住んでいた屋敷はほぼ廃墟に。
しかし、そこに新しく幼い姉弟(姉:ジュディ・弟:ピーター)が引っ越してくる。
佐伯:このスカーフ、加藤に似合いそう。
加藤:わかる。同じこと思った。
佐伯:自分でこのデカい家掃除するの大変だろうね。
加藤:不動産屋がハウスクリーニングやっといてほしい。
我々が『やっぱ螺旋階段って憧れるよね〜』などと呑気な会話をしている間に、姉のジュディが屋根裏にあったジュマンジを発掘&ゲームスタート。26年振りに、ジュマンジが再開するのであった。再開すな!!!!!
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加藤:今は怖い?
佐伯:怖いよ!!!
本筋とは全然関係ない雑談を交えながらだと結構大丈夫…と思ったが、そうでもない。恐怖心を煽る音楽が流れると意識が物語に引き戻されてドキドキする。我ながら、製作者の思惑通りに心がかき乱されている良い客だと思う。
ここからが本番
姉弟がサイコロを振ったことにより、26年前に盤面に吸い込まれたアランが現実世界に帰還。
なんやかんやあり、アランのガールフレンドのサラも招集し、いざ4人でジュマンジをプレイすることに。
そしてここからが本番。登場人物達が大変な目に合いまくる。
特に印象的だったのは、巨大な蚊が、アランたちの乗っている車を突き刺すシーン。
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これはわたしが作品内で唯一鮮明に覚えているシーンである。デカい蚊、今見ても本当に嫌。隣で加藤が平然とラーメンをすすっていなかったら再生停止していたかもしれない。
佐伯:…ワーーーーッッ!!!!!これ!!!これ怖い!!!!
佐伯:獣人系苦手で…。キャッツとか…。最近ちょっと大丈夫になったけど…。
加藤:たしかに、自分が自分ではない何かになる恐怖はわかる。
獣人になる他にも、家が大洪水になったり、鳥にジュマンジを盗まれたり、ジャングルの動物が大集合したり、謎の蔦に襲われたり、てんやわんや。熱が出た時に見る悪夢全部盛りといったところだろうか。
…しかし!想像よりも怖くない…!!
獣人化のシーンが恐怖のピークで、以降はあまりにも大忙しな展開で心が追いつかなかったのだ。ハラハラドキドキってイマイチ意味がわかってなかったのだけど、なるほどこういうことか。
怒涛の展開、そしてクライマックスへ
佐伯:怒涛の展開の中で、この姉弟がかわいいのが唯一の癒しだよ。お姉ちゃんの方はオダウエダのオダさんに似てるしね。
加藤:そう…?
佐伯:男の子はぱーてぃーちゃんのすがちゃん最高No.1に似てる。
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波乱の展開を経て、物語はクライマックスに。
なんやかんやありつつも、無事ゴールしてジュマンジ終了。世界は元通りになり、アランとサラも子どもに戻るのだった。
佐伯:Kiss?!
加藤:するか?!!!?
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佐伯:来た来た来た!!!!!!
加藤:一見子ども同士だけど、実際は40手前の超苦労人同士のキスだと思うと感慨深い。
佐伯:ビッグカップル誕生の瞬間。
大人になったので
佐伯:意外と怖くなかったわ。
加藤:二人で観たからじゃない?
たしかに、今回それほど恐怖しなかったのは、友達とやんややんや言いながら観て気がまぎれたから、というのはかなりある。
加藤:(スマホをみながら、)ジュマンジって続編あるんだ。
佐伯:え!どんなの!?見せて見せて。
佐伯:全員強そう。どんな話?
加藤:『主人公たちはTVゲームの中に吸い込まれ…』
佐伯:今度はデジタルゲームなんだ。ソードアート・オンライン(※)みたいだね。
(※VRゲーム内に囚われた主人公がデスゲームに参加しててんやわんやする超人気ラノベ)
そうこう言いつつ、感想戦はそれなりに、最後は2人で一緒にYahoo!ニュースを見た。
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『大久保佳代子はホテル泊のとき、コンビニで買ったアイスコーヒーのカップ(氷入り)を持ち込んで、そこに酒を入れて飲む』という記事を読んで盛り上がった。
さっきまでまぁまぁビビったりしていたのに、この切り替えの速さ。わたしは改めて自分が大人になったことを実感した。

