特集 2021年6月7日

インド亜大陸の麺状デザート、ファルーダを自作したい

ブリキのバケツみたいな道具で作るデザート、それがファルーダ。

インド料理好きの友人から、ファルーダという存在を教えてもらった。なんでも麺状の冷たいデザートで、インドやパキスタンなどインド亜大陸の国々でよく食べられているそうだ。

麺を使った料理があまりない地域で、なぜデザートを麺にしたのか。ファルーダ、ものすごく気になる。

その辺りの食文化に詳しい人に話を聞き、実際に店で食べて、自分で作ってみたところ、様々な発見で膝を叩きまくることになった。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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ファルーダは澱粉だけで作る麺のことだった

ファルーダについて話を伺ったのは、『「ビリヤニって何ですか?」と詳しい3人に聞いてみた』でもインタビューさせていただいた、食器や調理器具などを輸入販売する店「アジアハンター」の小林真樹さんだ。

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お会いする度にいい意味で日本人離れ感が加速している小林さん。
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取材場所は日本でファルーダが食べられる貴重なレストラン、パキスタン人のオーナーが営むナワブの日本橋店。パキスタンとインドは1947年にイギリス領インド帝国からそれぞれ独立した国であり、食文化的には共通するものが多いそうだ。
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グランドメニューは日本人に馴染みのあるカレーセットやタンドール料理が並ぶけど、パキスタン独自の料理もそっと提供している。予備知識を持って挑もう。

小林:「ファルーダ、いいですね! ものすごく好きかというとそうでもないんだけど、インドにいるときは、たまに食べたりしてました。最近ビリヤニが人気じゃないですか。次はファルーダが脚光を浴びる……ことはないと思いますが、もうちょっとスポットが当たるべき料理。

元々はイランにルーツがあります。イランというかペルシア(現在のイランを表す古い呼び方)というか。現在の地図だとインドとイランの間にパキスタンが入っていますけど、インドとパキスタンが分裂したのは最近(1947年)のこと。かつてはインドとイランは隣国だった。

インド亜大陸を支配していたムガール帝国の公用語がペルシャ語だったくらいに、ペルシア側からの文化的な影響がインドには強くあった。ファルーダもペルシアの影響を受けて生まれた料理の一つ。

現在のイランには『ファルーデ』という名前で存在します。コーンスターチなどの澱粉を麺状にした冷たいお菓子です」

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想像で作ったイランのファルーデ。日本の食べ物だと削った氷にイチゴのシロップを掛けて食べるかき氷が近いかな。

「原型であるイランのファルーデは甘いバラのシロップなどで食べますが、インドのファルーダはクルフィというインド式のアイスと一緒に食べる形がムガール帝国の宮廷などから広まり、クルフィファルーダと呼ばれています。他には牛乳を煮詰めて甘くしてカルダモンを効かせたラブリのファルーダとか。 この辺りが古典的。

澱粉の麺ってそれ自体は味がほとんどないので、 甘いもののクッションのような役割。日本だと白玉団子とか寒天とか。ファルーダを単体で食べると、それほどおいしく感じないと思います」

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小林さんがインドで食べたクルフィファルーダ。写真提供:小林真樹
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オールドデリーのラブリファルーダ。ミニストップの期間限定デザートで出して欲しい。写真提供:Tomoaki Suzuki

「ここからは想像の部分もあるんですけど、イギリスがインド亜大陸を支配するようになって、ムンバイ(アラビア海に面したインド西側の都市)などの貿易港や商業都市に富裕層が集まるようになった。ムンバイとイランはペルシャ湾をはさんで近いから、イラン系の移民(イラーニー)がムンバイまで商売をしにきて、飲食業もはじめた。それが70年、80年前の話です。

彼らが用意したメニューの中には、インドにあったものを自分たちなりに解釈し直した料理がいくつかあった。その中の一つがファルーダ。

元々からあったクルフィファルーダは、プレート(お皿)で出されるシンプルなものだが、イラーニーが開発したのはイギリスから入り込んできたアイスクリームをベースにして、縦長のグラスに盛り付けるパフェのような新感覚ファルーダ。

北インドは今も伝統的なものが主流で、ムンバイ以南ではトリッキーなファルーダが多い傾向です」

そもそもイラン発祥のデザートがインドでクルフィというアイスと結ばれ、それがインドへやってきたイラン人の手によってパフェ型へと進化した可能性があるとは。アメリカの寿司屋で日本人の板前がカリフォルニアロールを流行らせたみたいな話か。

発祥の地から物理的に離れるほど、料理は独自性を増す傾向にあるのだろう。インドの東側に位置するミャンマーにもファルーダは存在して、澱粉の麺ではなくタピオカやゼリーが入っているらしい。もし日本にもファルーダが根付いたら、どんな料理になるだろう。

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パフェタイプのファルーダ。予想以上にパフェで、麺の要素はどこいったと驚いてしまう。写真提供:小林真樹

「さらにもう一つの潮流があって、アラブなどの産油国にインドやパキスタンから出稼ぎにいったシェフが、ドバイやドーハの飲食店で生みだしたゴージャスなファルーダ。これがアラブの流行だよと逆輸入系ファルーダとして台頭しつつある。

ファルーダとはこうでないといけないという定義がないし、正当なレシピもない。独自解釈のファルーダが次々に生まれて、伝達する過程で自由に変化したから、今や麺が入っていないファルーダまで登場している。

これファルーダって呼べないでしょって思うけど、もうどうでもいい。僕もこっちのほうがおいしいじゃん、麺いらないじゃんって思ったくらい美味しかった」

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この日はラマダンの期間だったので、イフタール(日没後最初の食事)として、デーツ、ナスのパコーラ、ミントチャトニーがふるまわれた。
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これもイフタールとして出された、ルーアフザというバラなどが入った甘いシロップの牛乳割り。イチゴミルクだと思って飲んだのでビックリ。浮いている粒はバジルシード。
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パキスタン製のルーアフザ。インド亜大陸の様々なメーカーから出ているようだ。ファルーダとも密接な関係を持つシロップで、日本人にとっては芳香剤っぽい香りなので好き嫌いが分かれる。

「これってインド料理を象徴しているなと感じたんですよ。インド発祥の料理って実はそんなになくて、ペルシア、イギリス、ポルトガル、キリスト教文化など、外からの影響が非常に強い。伝統的なインド料理と思われているものが外国の影響下で成立して、それがインドナイズされて今や堂々たるインド料理となっている。ビリヤニ、ビンダル、ニハリ、ナンなどがそうでしょう。

ファルーダは料理だけでなく、インドの文化を象徴している事例かもしれません。吸収して自分たちなりに改造する能力が高い。ファルーダを追うことで、インド人の根本的な性格、国民性がわかってきますよ」

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左からロティ、ハンディゴーシュト、アチャール。
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ビリヤニではなくマトンのプラオ。全部美味しい。

「ファルーダの麺は、うどんやそばみたいに乾麺が売っていないので、日本のインド料理店ではなかなか出せなかった。前に都内にあるパキスタン系のレストランで食事会をやったとき、お店の人に交渉してデザートにファルーダを無茶振りしてみたんです。あなたぐらい上手なコックならできる、麺を別のもので代用してもいいからって強引に頼んで。そうしたら、いい素材が見つかりましたと。

いざ当日、おいしいコース料理を食べて、いよいよファルーダですよと出てきたのは、うどんだった。ゆでうどんの湯がいてないやつにクルフィが乗っていた。また別の店では白滝を使ったファルーダが出てきました。こうでなければいけないという決まりはないので、これもファルーダなんでしょうね」

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ファルーダの作り方を教わった

ファルーダがどんなデザートなのかはわかったが、製麺好きとしてはファルーダに使用する麺の作り方がとても気になる。

材料は澱粉とのことだが、私が知っている澱粉を使った麺といえば韓国や盛岡の冷麺だ。緑豆、ジャガイモ、ドングリなどの澱粉に、小麦粉や蕎麦粉を加えて生地を作り、製麺機で押し出した麺は、ご存知のようにゴムを思わせるガチガチの歯ごたえがウリである。

しかしナワブでいただいたファルーダの麺は、ホロホロと崩れる柔らかい食感なのである。だからこそクルフィと合う。

この大きな違いはどこから生まれるのか。その答えはナワブの社長である Shakir Khan さんが親切に教えてくれた。

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レギュラーメニューにクルフィはあってもファルーダは存在しない。
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もう一枚のパキスタンスペシャルメニューとして一番上に載っていた。

Shakir Khan さん:「この店ではファルーダを4~5年前から出しています。生地の材料は片栗粉だけ。砂糖とかは入れません。片栗粉を水で溶いて、鍋に入れて火に掛けてよく混ぜて、塊になったら製麺機に入れて、氷水に押し出す。

パキスタンではアロールートという澱粉を使います。それだと柔らかい生地になるけれど、片栗粉だと硬くなるから押すのに力がいる。日本でファルーダの麺を作るのは大変ですよ」

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ナワブのファルーダはパフェタイプ。日本橋店、湯島店、八丁堀店、ビリヤニハウス茅場町店で食べられるそうです。
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たっぷりの自家製クルフィにファルーダの麺を乗せ、アーモンド、ピスタチオ、バジルシード、干しブドウをトッピングして、ルーアフザを掛けてある。麺の量はそれほど多くなく、パフェでいえばコーンフレークのような存在で濃厚なクルフィによく合う。

なんと生地を製麺機で押し出して、氷水で冷やして固めて麺にするとは。 冷麺などは熱湯で茹でて固めるのだから、それのまったく逆である。

私は麺という形にとらわれていたが、加熱しながら生地を練る工程や澱粉のみという材料を考えると、葛切りとかわらび餅こそ近いのだ。

南インド料理のレストラン、エリックサウスのレシピ開発をしているイナダシュンスケさんにファルーダを出しているか伺ったところ、定番メニューではないけれどたまに出すこともあるそうだ。ただファルーダは自由であるが故、美味しく工夫すればするほど本質から離れる難しいメニューらしい。

ちなみにイナダさんは麺の部分に葛切りを使っていたそうだ。さすがである。

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なんとパキスタン製のファルーダを作る道具を見せていただいた。左が Shakir Khan さん。
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オズの魔法使いに出てくるブリキの木こりみたいだ。超かっこいい。
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氷水が入った容器の上にセットして、澱粉に水を加えて加熱した生地を入れ、上から押してファルーダの麺を作る。
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片栗粉の生地は硬いので押すのが大変らしいよ。

「ファルーダはパキスタンでよく食べますね。特に夏になると暑いからいっぱい食べるよ。クルフィとかアイスクリームとかラブリとか、いろんな味がある。クルフィのファルーダは、パキスタンだと略してクルファ。

日本でやっている店は少ないですね。麺を自分の店で作らないといけないから手間が掛かる。でも家で作るなら麺はなんでもいい。寒天でもできちゃうよ」

寒天で作る麺、それはトコロテンのことですね。確かに違和感はなさそうだし、簡単に作れるだろう。しかしどうせなら澱粉の生地を押し出して、本格的な自家製ファルーダを作りたい。

それにはあの製麺機が必要だよなと悩んでいたら、調理器具の輸入販売が本職である小林さんが、そっと小型の押出式製麺機を見せてくれた。これ買います!

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右のタイプは生地が硬いと大変そうなので、左のハンドル式を購入。イディヤッパンを作ったとき(こちら)に使った製麺機と同じ構造だ。
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お店で手作りしているグラブジャムンも美味しかった。強烈に甘いけど、前に食べた缶詰とはだいぶ違う。

せっかくなのでもう一軒、「カラチの空」でファルーダをいただく

自家製ファルーダを作る前に、小林さんから埼玉県八潮市にある「カラチの空」というパキスタン料理店にもファルーダがあると伺ったので、こちらも試してみることにした。

話しかけてくれた社長にファルーダについて調べていると相談したら、親切にこの店での作り方を教えてくれた。

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カラチはパキスタン南部の都市名。八潮市にはパキスタン人が多く住み、ヤシオスタンと呼ばれている。
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ファルーダはメニューには載っていないけれど、事前に電話で確認したらあるとのこと。
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昼間に行ったら空いていた。そういえばラマダンの時期だっけ。奥にいるのが社長。
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マトンビリヤニを頼んだらすごいボリュームで食べ終えたところで満腹になり、うっかりファルーダを注文しないで帰りそうになった。

社長:「ファルーダは9年くらい前から出しています。パキスタンにスタッフを行かせて、ちゃんと修業してうまく麺を作れるようになってからスタートしました。

材料はトウモロコシの澱粉、コーンスターチ。水と混ぜて、鍋で温めて押し出して氷水に入れて作ります。

日本だと本物の麺が手に入らないから、そうめんとか適当なもので作る店もあったけど、見た目だけの問題じゃないから。やっぱり食べたときに美味しいものじゃないと」

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カラチの空のファルーダはこだわりの自家製麺がたっぷり。気持ちいいくらいに派手だ。
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バニラアイス、ルーアフザ、バジルシード、チョコスプレーが入ったパフェタイプ。
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テーブルにファルーダの紹介が貼られていた。エブリデイファルーダ!
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お話を伺った流れでファルーダ用製麺機を見せていただいた。
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ナワブで見せていただいたものと同じ構造だ。ピカピカで眩しい。
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この穴から麺が出てくる仕組み。いつかパキスタンにいったらお土産に買おう。

ファルーダの調査はとてもおもしろかった。何も知らずにファルーダを食べたら、なんでパフェに麺が入っているんだろうと不思議に思っただろうが、麺こそがファルーダの中核だったのだ。

澱粉麺が入ってなくてもデザートとして十分成立しちゃうけど、やっぱりファルーダにはあの麺が必要だぞと、わざわざ日本で自家製麺を作っているパキスタン人オーナーたちの心意気に胸を打たれまくった。

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ファルーダを自作してみよう

以下はファルーダを手作りしてみた様子である。

ここまでの話が長くなったので、写真とキャプションでポンポンどうぞ。

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せっかくなのでいろんな澱粉を試してみました。
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まずは現地で使われているアロールートで本物を知ろう。ショウガ目クズウコン科のクズウコンという植物の地下茎から採れる澱粉。クズのような澱粉がとれるウコンみたいな植物という意味の和名かな。違う植物の澱粉もアロールートと呼ばれる場合もあるとか。
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カリブ海のアラワク族というインディアンが最初に栽培したとパッケージに書かれていた。日本で買うとかなり高いので、店では手に入りやすいコーンスターチや片栗粉が使われるのだろう。
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さっそく水と混ぜて加熱してみよう。割合は粉1に水4とした。
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だんだんと固まってきた。
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ニベアみたいに半透明になったら加熱完了。
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小林さんから買った小型押出式製麺機の一番大きな穴で麺にしてみよう。この道具だと粉50gに水200gがちょうどよい(自分用メモ)。
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練り上げた生地を熱いうちに製麺機に詰め込む。
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氷水の上でハンドルを回すと、白い麺がニョロニョロ出てきた!ファルーダだ!
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これは楽しい製麺体験だ。ハンドルを回してネジを押し込む構造だと、そんなに力は必要ない。
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ちゃんと麺になっている。これだけで食べてみると味があるんだかないんだかで、水を掛けた冷やご飯に似ている。
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クルフィはインド食材の店で素を買って作った。牛乳と煮詰めて凍らせるだけ。
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アーモンド、ピスタチオ、カルダモンなどが入っている。
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クルフィファルーダの完成。口の中でハラハラとほぐれる儚げな噛み応えが独特の麺だからこそ、一緒に溶けていくクルフィとよく合うんですよ。
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ルーアフザも買ってきた。
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最近流行りのファルーダをイメージしてデコな感じに盛り付けてみた。様々な食感や香りや味が複雑に絡み合い、それを支えるのがファルーダ麺の存在だ。たぶん。
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厨房をお借りした南インド料理店「ケララの風モーニング」の沼尻さんも、インドの味がすると喜んでくれた。
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続いてはナワブ流で片栗粉を使ってみよう。だいぶ粘りのある生地になった。
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すごく透明な麺ができた。見たことのないスケルトン麺。ただ時間が経つと白濁してくるので、この透明感は出来立てならでは。
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ラブリも自己流で作ってみよう。牛乳500mlに加糖練乳120g(一本全部)を加えて加熱でどうだ。
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カルダモン二粒を加えて、吹きこぼれに気をつけながら延々と煮詰める。
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味噌濾しでダマを無くして、よく冷やしたらラブリらしくなった。甘さの正解がよくわからないけれど。
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自家製ラブリファルーダ。カルダモンのエキゾチックな香りがポイントだ。フルンフルンの麺と一緒に啜るのが気持ちいい。
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ラブリにはイチゴが絶対合うはずだと、軽く潰したイチゴを乗せてみた。イチゴラブリファルーダである。深夜のデニーズで食べたい。
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この組み合わせは相当いいんですよ。
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カラチの空を真似してコーンスターチでもやってみよう。
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粘りの少ない澱粉なので、片栗粉に比べて粘度はかなり弱い。ちゃんと麺になるのかな。
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麺の形で出てきたけれど、持ち上げると短く切れてしまう。やっぱり本場で修行をしないと、コーンスターチで麺を作るのは難しいようだ。冒頭のファルーデは小さい穴で押し出してルーアフザを掛けたもの。
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沼尻さんに習ったチャイで、タピオカミルクティーならぬファルーダアイスチャイにしてみた。インド料理店のデザートにあったらうれしいかも。スプーンで食べるから麺は長くない方が食べやすい。
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タピオカの粉で作ったら、おもしろい食感になるのでは。
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さすがタピオカ粉、すごい粘る。
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でろーん。
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片栗粉の麺よりもモニュモニュして気持ちいい。
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クリームあんみつタピオカ麺。啜れるタピオカである。近い将来、タピオカブームの逆襲がくるかもね。
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これは葛餅用の粉として売られていた甘藷澱粉。サツマイモの澱粉である。
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葛餅みたいになった。なぜなら葛餅用の粉だからな。
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甘藷澱粉は焼きいもの香りがしっかりするので和風の食べ方がいいかな。バジルシードは好き嫌いが分かれる見た目だけど、食感のアクセントとしては相当おもしろい。だんだんファルーダを作っているというよりは創作澱粉麺大会になってきた。
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こちらは本物の葛粉。他の澱粉に比べてかなりの高級品である。
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見覚えのあるニベア感、クズウコンのアロールートにそっくりじゃないか。
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麺にしてもアロールートで作ったのとほぼ同じ。クズウコンとクズの澱粉は性質が似ているのか。クズウコンというネーミングをした人は相当センスがあるな。
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思い出したようにファルーダらしいファルーダを作った。アロールートの代用は葛粉がベストだけど、高いので現実的ではないという悲しさ。
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ファルーダ作りはすごく楽しいよ。お好きな澱粉で試してみよう。
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インドやパキスタンで日本の甘味処を開くとしたら、逆にアロールートのファルーダを和風にして食べさせるかもね。
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ここからは番外編となるが、ファルーダにつきもののバジルシードを生地に練り込むとヒキガエルのタマゴ風になるのでは。誰が喜ぶんだという実験で恐縮である。生地は透明感のある片栗粉をチョイス。
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生まれた!
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バジルシードだとその性質上、水分を吸って白濁してしまうな。これでは食欲が湧かない。
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ならば南インド料理でよく使うマスタードシード(カラシナの種)を油で揚げて加えてみよう。
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これは期待ができるかも。
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今度こそ生まれた!
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これはヤバい。ここまで完璧なカエルの卵麺ができるとは。そっと誰かに食べさせたいセンシティブファルーダだ。
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単調な澱粉麺に香ばしさとツブツブの歯ごたえが加わり、新たな可能性を感じるファルーダとなった。黒蜜、バニラアイス、カレーリーフソルトで完璧。見た目の沼感がすごいけどうまいんですよ。

イランで生まれてインドやパキスタンで進化したファルーダは、こうして日本でまた新たな自由を手に入れたのだった。

将来はファルーダ屋さんをやろうかな。


軽い気持ちで調べ始めたファルーダだが、ついどっぷりとハマってしまった。製麺機(いっぱい持っている)、澱粉(葛粉やワラビ粉を精製した)、バジルシード(バジルを育てて作った)と、私の好きな要素が詰まりまくっていたのだから仕方がない。

ファルーダの麺は冷えたゲル状物質、すなわち保冷剤なので、食べ過ぎるとお腹がすごく冷えるので気をつけよう。食べ過ぎてお腹がくるふぃ。

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