広告企画 2025年7月23日

江ノ島茂道、ホラーゲームへの道

メタバース上にあるフリーダムなコンテンツを紹介するコーナー。

ネットの黎明期にテキストサイトが流行ったように、いまメタバースには野放図かつ初期衝動にあふれた創作物がたくさんあるという。

このシリーズでは、有識者をナビゲーターに迎えて、そんな「メタバースの端っこ」を体験しに行きます。

……というシリーズ、今回はホラーが苦手な江ノ島さんがホラーゲームに挑みます。

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:人間歩道橋~ 今週の「これすごくない?」

> 個人サイト デイリーポータルZ

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ナビゲーター
田中 創一朗

メタバースサービス「Roblox」に詳しい有識者。GeekOut株式会社 代表取締役。デイリーポータルZとは長い付き合い。
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伊藤 はる香
GeekOut株式会社 PR担当。Robloxのアバターカスタマイズにハマり、けっこう課金している。
 
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体験する人
江ノ島 茂道

会社員をしながらライターをしている。2Dアクションが好き。ホラーゲームは怖いのでやったことがない。
好きなゲームは「ロックマンX」「がんばれゴエモン」
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筆者
石川 大樹

デイリーポータルZ編集。インディーゲームが好き。ネットのジャンクコンテンツが好き。
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左:田中さん、右:江ノ島さん。江ノ島さんは3D酔い体質なので撮影直前に酔い止めを飲んで挑んでいます

 

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子供にめちゃくちゃ人気のメタバース

メタバースとは、ネット上のバーチャルな三次元空間のこと。数あるメタバースの中から、このシリーズではRobloxというサービスを紹介していく。

Robloxは「ゲーム版YouTube」とも言われる。ユーザー数が3億人くらいいて、メインのユーザー層は13歳前後。たくさんのエクスペリエンス(ゲームやチャット空間)があり、それらのうち大半はユーザーが作ったものだ。

今回はその中から、江ノ島さんがまだやったことがないという、ホラーゲームを体験してもらいます。

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江ノ島さんが作ってきたアバター(自キャラ)。
現実の江ノ島さん

頭が平安貴族の冠みたいになっているが、これは心拍数に反応するおもちゃである。(以下、心拍計と呼びます)

頭のメーターの光と音で江ノ島さんの緊張具合がわかる

この雅な格好で、2本のホラーゲームをプレイしてもらおう。

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怪物を避けて寿司を作るゲーム

1本目は、軽めホラーでウォーミングアップ。

伊藤:Scary Sushiというゲームです。

江ノ島:スケアリーなんだ…。ホラーゲームはやらないんですよ。怖いから。

ゲームを開始すると8人のプレーヤーが調理場に集められ、ゲームマスター的な人物からのビデオ通話が流れる。デスゲームの導入によくあるやつ

伊藤:プレイヤーは新人の料理人になって、このレストランで働くための面接として寿司を作ります。

江ノ島:なるほど。

まずはチュートリアルにしたがい建物内を移動、食材を取りに行く

江ノ島:こっち行けばいいん……

⚠️ビー!ビー!ビー!
※心拍計のブザー音

石川:まだ何も起きてないのに!?

江ノ島:3Dゲームで酔うかもしれないっていう緊張が(笑)

一同:(笑)

すぐ鳴ってしまったことに照れる江ノ島さん。

マウスの感度設定が高すぎて操作しにくく、江ノ島さんにプレッシャーを与えてしまったようだ。
設定を調整することで平静を取り戻したので、ゲームの説明に戻ろう。

建物内の農場で食材を収穫し
キッチンに戻って調理して
納品口に納品するとクリア

伊藤:この繰り返しです。

 

注文を見て食材を取りに行って、料理を作って、納品して、のシンプルな繰り返し。プレーヤー同士は対戦ではなく協力プレイなので、みんなで規定数の寿司を作れば全員ステージクリアとなる。

ところでこのゲーム、どこにホラー要素が?それはこのあと明らかになる。

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醤油ない事件

前回に引き続き、今回も田中さんがゲームにちなんだ食べ物を用意してくれていた。

田中:寿司でも食べながらやりますか。

そうしましょう、とゲームに集中したまま答える江ノ島さん

田中:あれ、醤油がない?

石川:寿司にはついてないみたいですね

伊藤:冷蔵庫にボトルの醤油なかったでしたっけ?

 

席を離れて冷蔵庫を見に行く田中さん、伊藤さん。ちょうどそのときである。

江ノ島さんに危機が迫っていた。廊下にはガードナーと呼ばれる怪物が徘徊していて、こちらに気づくと急速に近づいてくる

江ノ島:なになになになになになになになになになに!?
なんかきた!
これどうしたら……(二人を振り返って)いない!!!!

⚠️ビー!ビー!ビー!

江ノ島:なんかきた!なんかきた!!!!

田中:(戻ってきて)あ、江ノ島さん部屋に入って!入って!

江ノ島:無理無理無理無理!あっ!!!!

つかまると「人生」が一つ減る。3ミスでゲームオーバー

腹ごしらえとホラーゲームの相性の悪さを実感させられる出来事であった。

 

こんな感じでゲームを進めていくと、2ステージ目以降は怪物の種類や襲われるシチュエーションも増えていく。ホラー要素がどんどん増していくタイプのゲームだ。

今回はウォーミングアップということで、駆け足ながら第2ステージでいちどゲームオーバーになった時点でプレイ終了。

ホラーゲーム初体験を終え、あらためて落ち着いて寿司を食べる江ノ島さん。「あごがバンドで固定されているのでめちゃくちゃ食べにくいんですよ」
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じっとり怖い和ホラー

軽めのホラーで肩を慣らしたところで、次はいよいよ本日メインのゲーム。

 

田中:次はペタペタ様です。日本人のクリエイターが作ったんですよ。

江ノ島:タイトルから絶対怖いじゃないですか。こういうの、あとで夢で見るんですよ。

石川:クリエイター名「おもちスタジオ」ですって。きっとかわいいゲームですよ。

江ノ島:心拍数計までつけてるのにそんなわけないじゃないですか!

ゲーム画面。怖くないわけなさすぎた
舞台は古い旅館で、たくさんの部屋を探索していく。ステージごとにミッションがあり、このステージでは箱と鍵を見つけて箱を開けるのが目的。

ゲームは江ノ島さん、田中さん、伊藤さんの3人での協力プレイで進行する。

 

江ノ島:うわ、びっくりした!!

急に何かが視界に入ってきて江ノ島さんが飛び上がるも、それは引き出しを調べに来た田中さんだった。こんな感じで引き出しを開けたりして鍵を探す。

引き出しのほかに、座布団の下、立てかけられたちゃぶ台の裏、そしてタンスの中など、いろいろなところを調べることができる。

そうこうしているうちに伊藤さんが箱を発見

伊藤:箱、ありました!ここで待ってるので、江ノ島さん鍵探しお願いします。

 

ここまでは順調。部屋が暗い以外は特に怖い要素も出てきていない。

石川:……これ、雰囲気が怖いだけで何も起きないゲームなんじゃないですか?

江ノ島:僕はね、そういうのに騙されないんですよ。

 

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タンスに隠れてやり過ごせ

箱ある部屋がわからなくならないよう伊藤さんにはその場で待機してもらい、江ノ島さんと田中さんで鍵探し。同じ部屋を二人で捜索している時のことだ。

ここで突然「タンスに隠れる」というコマンドが表示される

と同時に画面が震えはじめ、野太いうめき声が急速に近づいてくる。このゲームの敵、ペタペタ様だ。

 

江ノ島:(部屋にひとつしかないタンスに無言で隠れる)

田中:あ、タンス取られた!!

1つのタンスに入れるのは1名。隠れられなかった田中さんは、ペタペタ様の餌食に

 

江ノ島:(田中さんの犠牲を意に介さず)外からタンス開けられるパターンあるの!?開けられるパターンある!?

 

ペタペタ様は廊下をふさいでしまうほどの巨大な怪物。通過中はすぐそばで大きなうめき声が聴こえ、画面も大きく揺れている。その歩みはゆっくりで、緊張感と威圧感がすごい。

 

田中:大丈夫ですよ。タンスに隠れちゃえば。

 

⚠️ビー!ビー!ビー!

ここへきて心拍数計も反応。

そしてしばらくのち、しだいに声が遠のいていく。

 

伊藤:やり過ごしましたよ!

江ノ島:何なんですかあれ!?外から開けられるパターンあるの?

※混乱して同じことを2回聞く江ノ島

伊藤:隠れてれば大丈夫なんですよ。

江ノ島:こっわ……。いま画面見れなかったもんな……怖くて……。

 

ちなみにペタペタ様に食べられてしまった田中さんはいったん脱落。チームが次のステージに進めれば復活となる。

ステージクリア

その後、鍵が発見され江ノ島さんと伊藤さんは箱の部屋で合流、一緒に鍵を開ける

 

伊藤:開きました!入っていたお札を廊下に置けばクリアです!

 

と言い残し、部屋にあったタンスにスッと隠れる伊藤さん

 

箱を開けると同時に、怒ったペタペタ様がすごいスピードで近づいてくる声がした。

 

江ノ島:なんか来ちゃった!来ちゃったけど、(伊藤さんに)そのタンス先に取られたら終わるから!!

一同:(笑)

石川:さっき自分が田中さんにしたのと同じ目に(笑)

伊藤:早く、他の部屋に!

江ノ島:(ギリギリ別のタンスに入って)んお~~、なんか、外から開けようとしてる!開けようとしてる!

※まだ言ってる

伊藤:大丈夫ですって(笑)耐えて!耐えて!

 

そして一旦ペタペタ様が通り過ぎた後、床にお札を設置し
ペタペタ様をわざとおびき寄せお札の上を通らせることで退治、ステージクリア
戦友意識が芽生えた瞬間

一同:お~~

石川:今日いちばんの一体感。

 

第2ステージへ

第2ステージに入るとマップが広くなり、謎解き要素も出てきて、難易度がアップ。

いっぽうでプレーヤー側も要領がつかめ、行動が大胆になってきた。

 

伊藤:江ノ島さん、どんどん進んでいくじゃないですか。

江ノ島:敵が出るタイミングがわかったから。

田中:近づいてくる前に音がしますからね。

江ノ島:引き出し開けた瞬間に「ワッ」って出てくるタイプのゲームだったら、今頃もうやめてますよ。

田中:そういう意味では、ホラーが苦手な人でもプレイしやすいゲームですよね。

江ノ島:……いや、これいま来てるな、敵来てるな……(タンスを探しながら)来てるけどタンスないな、やばいな!

伊藤:(タンスの中から)がんばれ~

江ノ島:あ、これないな、隠れ場所ないやつだ、ないやつだ!詰んだ!詰んだ~~(断末魔)

ゲームオーバー
極度の緊張状態から解放され、ゲームオーバーなのに顔がほころぶ江ノ島さん

そして本ステージでも田中さんが早々に脱落していたため、残るは伊藤さんのみになった。

着々と手堅くクエストをこなす伊藤さんの活躍により、ステージ2もクリア。

田中:今回、伊藤さん大活躍じゃないですか!

石川:江ノ島さん、主役なのでがんばってください。

 

伊藤さん快進撃

ゲームは6ステージまで。コツをつかんだ3人はどんどん進めていく。

壁の穴を除くと何かが見える、というちょっとしたジャンプスケア(急にびっくりさせる)要素も田中さんが体験
それを見て、すべてのギミックの操作を伊藤さんに任せるようになった江ノ島さん

江ノ島さん、伊藤さんにギミックを任せて後ろで見る
→ペタペタ様がやってきたときタンスが一個しかない
→自分が隠れると伊藤さんが脱落してしまうので譲る
→隠れる場所がない

という悪循環が生まれつつも、逃げ方のコツを心得たことで何とかギリギリ生き残る江ノ島さん。

 

江ノ島:(タンスに隠れながら)敵の音がでかい。

石川:だんだん緊張感が薄れてプリミティブな文句を言うようになってきましたね。

 

とはいえすべてのステージで田中さん→江ノ島さんの順で脱落していき、毎回、最後に残った伊藤さんが次ステージへの道を切り開く流れに。

ゲームが進むと日本人形だらけの部屋が出てきたり
材料を集めて儀式をしたりする

伊藤:私も別にホラー得意なわけじゃないんですけど……ステージ4とか5まで来ちゃうとあきらめづらいんですよ。

石川:責任感が生まれている。

伊藤:一番先にやられた方が気が楽ですよ!

気楽に寿司を食べている、先にやられた二人

最終ステージ

そしていよいよゲームは佳境に。最終ステージに到達した。 

このステージだけルールが違う。最初からペタペタ様に見つかった状態でスタートし、追いつかれる前にアイテムを探して奥の扉を開けなければいけない

江ノ島:なになになになになになに!?

伊藤:アイテムいっこ見つけました!

田中:あと3個……2個……

伊藤:全部揃いました!開けて!江ノ島さん開けて!

 

⚠️ビー!ビー!ビー!

心拍数だけ緊張した江ノ島さんがモタモタしているので、結局自分でアイテムを使う伊藤さん。

扉が開いた!!

江ノ島:まだなんかある!!

おそらく最後の試練。T字路の連続で、すべて正しい方の道を選び、ふすまを開けて進んでいく

江ノ島:え、どっち?どっち?どっち?

田中:こっちのふすま開きそう!オープン!

ふすまを開けると!!その先には巨大なペタペタ様が……

一同:うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 

ここまできて、まさかのゲームオーバー。
まさか最後の最後で二択の運ゲーとは…!

とこのときは思ったのだが、執筆にあたり録画を見返したところ実はちゃんとヒントが用意されていた。興味を引かれた人はぜひプレイして最終ステージまで行ってみてほしい。

なにはともあれ、江ノ島さんのホラーゲーム体験回はこれで終了である。

 

石川:江ノ島さん、感想もらえますか

江ノ島:活躍しなかった割に怖かったです

一同:(笑)

伊藤:活躍してましたよ!私の代わりに犠牲になってくれたから攻略に専念できたので!

田中:このゲーム、Ⅱもあるんで、またやりましょう

江ノ島:いや、もういいです。つかれた…。

 

プレイを終えて

江ノ島:好きな実況者がホラーゲーム実況してても、それだけ見ないんですよ。

田中:ははは。絶叫マシン系もだめなんですか?

江ノ島:それはいけます。

田中:びっくりさせられるのが嫌?

江ノ島:びっくりさせられるとか、いやな気持にさせられるのが嫌なんです

石川:ホラーを「いやな気持ちにさせられる」と表現

江ノ島:ホラーゲームって、なんで作るんですか?動機が分かんないんですけど。

田中:製作者的にも人気みたいですよ。ホラーゲームって怖いから、そんなに作り込まなくても体験がリッチになるので。
今回やったのはすごく作り込まれた作品でしたが。

江ノ島:タンスに隠れてる時に、外を通り過ぎていく演出が怖いんですよ。

田中:ペタペタっていう足音にすごくこだわって作ったそうです。

江ノ島:こだわらなくてもいいのに……、怖いから……。

 

本シリーズ、次のプレーヤーはべつやくさん再登場の予定です。お楽しみに。

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