フライドおにぎり
ポテトも揚げるし、とんかつも揚げ物だし、エビもフライにする。野菜も肉も魚も揚げれば美味しいのだ。それはおにぎりも例外ではない。自分の家で揚げるのは若干面倒ではあるけれど、食べる価値のある一品だった。今後はコンビニのレジ横のホットスナックコーナーにおいて欲しい。
当サイトでは過去にもライターの馬場さんが「鮭のおにぎりはフライにするといい」という記事を書いていた。おにぎりは定期的に揚げられる運命なのかもしれない。美味しいからね!
おにぎりというものがある。白米を握ったものだ。我々はそこに様々なアイディアを加えてきた。ツナマヨを中に入れたり、エビの天ぷらを入れてみたりなど、今では数え切れないほどのおにぎりが存在する。
そんなおにぎりに革命をもたらしたい。イタリアのローマに「スップリ」という料理があるそうだ。簡単に言えばおにぎりを揚げた料理。このアイディアを日本のおにぎりにも取り入れたいと思う。
イタリアのローマに「スップリ」という料理がある。簡単に言えば、ケチャップライスにチーズを挟んでおむすびにして、衣をつけて揚げたものだ。
これがめちゃくちゃ美味しい。揚げることで、中のチーズがとけ、さらカロリーを感じるので、感動的な美味しさとなる。カロリーが高いことはダイエットの敵ではあるが、美味しさへの近道でもあるのだ。
おにぎりのアイディアは中に入れるものにあり、表面に手を加えるとは考えたこともなかった。まさか揚げるとは。おにぎりの中に入れるものを考える時代は終わったのかもしれない。新たな時代がやってきたのかもしれない。
スップリに感銘を受けて、コンビニに走った。コンビニはいろいろなおにぎりが並んでいた。ツナマヨ、納豆巻き、サーモン寿司など。しかし、一つとして油でカラッと揚げたおにぎりはない。
だから、私が揚げようと思う。スップリがそうであるように、おにぎりは揚げると新たな美味しさが生まれるのだ。ケチャップライスにチーズを挟んだおにぎりだって、そのまま食べても美味しいはずだ。それを揚げて美味しいなら、コンビニのおにぎりとて美味しいはずだ。
どれが揚げて美味しいおにぎりかわからなかったので、コンビニにあるものを適当に買ってきた。海苔を自分で巻くものについては、海苔はなしで揚げようと思う。スップリにも海苔がなかったから。
買ってきた全てのおにぎりに同じ処理を行った。天むすにパン粉をつけている時に、天の部分は一度揚げられているんだよな、と暑いのか寒いのかわからない日に半袖か長袖か悩むような、もやもやを感じた。でも、美味しいはずだ、きっと、たぶん。
ジャパニーズスップリの完成となった。見かけはとてもいいように感じる。匂いも素晴らしい。サービスエリアにありそうな雰囲気を持っている。サービスエリアで買いたくなる見た目と匂いなのだ。
全てのフライドおにぎりについて言えることは、美味しいということだ。揚げ物をおかずにお米を食べるように、揚げ物とお米の相性は抜群。それが一体になっているので非常に効率的とも言える。
熱を通すことで米の持つ甘味が増していると感じる。またカロリーを感じ、そこが美味しさアップにつながっている。イタリア人がスップリを作ったことに感謝したい。おにぎりが新しい時代に突入しました。
全てが美味しかったのは間違いない。不味かったものはない。フライドおにぎりは正義と覚えていただきたい。その中でも特に美味しいと感じた3つを紹介したいと思う。揚げることで、そのままのおにぎりでは感じることのできなかった味になったものがあるのだ。
まずはお赤飯だ。揚げることで、高級なおかきのようになる。さらにおかきでは無理だった食感を作り出している。それは「フワフワ」という食感。味はおかきなのだけれど、お赤飯は厚みもあるのでおかきのようにカリカリにはならない。フワフワなのだ。
フワフワおかきという新しい価値観。揚げなければ出会うことのできなかった味だ。外はカリッと中はフワフワという夢のような食感なのだ。今後、サービスエリアで売り出されても不思議はない。
次は「納豆巻」。これも美味しかった。納豆チャーハンというものがあるように、納豆に熱を与えると甘味が増す。また臭みも消えていた。ジャパンを代表する納豆ではあるが、揚げることでケチャップをつけて食べたくなる、洋のものへと変化していた。
アメリカンと言ってもいいかもしれない。イタリアのスップリをヒントに揚げたけれど、味にはアメリカを感じた。私がイタリアに行ったことがないので、行ったことがあれば、イタリアンと感じたかもしれない。とにかく美味しいということだ。
3つ目は「サーモン寿司」だった。ずるいでしょ、と思うほどに美味しい。ジャンクではある。高級感はいい意味で一切ない。ただ荒野にあるドライブスルーで出てくるような味になっている。
そもそも臭みは少ないけれど、揚げることでさらに臭みがなくなり、酢飯との相性も良いように感じた。回転寿司で回っていそうな気もする。回っていても不思議でないほど美味しのだ。もはや寿司という感じはないけれど。
これがベスト3ではあったけれど、どれも美味しかったのは事実だ。明太子おにぎりは揚げると明太子が滑らかになり、いなりはあげの甘味と衣のサクサク感がスナック感覚で美味しかった。フライは全てを美味しくするのかもしれない。
ポテトも揚げるし、とんかつも揚げ物だし、エビもフライにする。野菜も肉も魚も揚げれば美味しいのだ。それはおにぎりも例外ではない。自分の家で揚げるのは若干面倒ではあるけれど、食べる価値のある一品だった。今後はコンビニのレジ横のホットスナックコーナーにおいて欲しい。
当サイトでは過去にもライターの馬場さんが「鮭のおにぎりはフライにするといい」という記事を書いていた。おにぎりは定期的に揚げられる運命なのかもしれない。美味しいからね!
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